また、原作やミュージカルの脚本を読んで、日々の生活や人生に対する意識が変わったという。

「この作品は『今を大切に生きる』というすごく大きなメッセージを残してくれるなと感じました。『今を生きよう』『一瞬一瞬楽しく生きていかなきゃもったいない』ということはこれまでも感じていたことですが、改めてその大切さに気付かせてくれた気がします。見てくださる方にもそういうことを受け取ってもらえたら。生きていなきゃ何も起こらない。死んでしまったらそこで終わってしまうので」

出版から20年以上経った今もなお多くの世代から愛される児童文学の金字塔を、「せたがやこどもプロジェクト2023」の一環としてミュージカル化。主人公の“ぼく”を鈴木、天使・プラプラを川平慈英が演じ、再び生きることになった主人公の母と父を彩乃かなみと川久保拓司がそれぞれ演じる。さらに、加藤梨里香、百名ヒロキ、石橋陽彩、菊池和澄と、舞台・ミュージカル界を中心に注目される実力派の若手キャスト陣が集結する。

これまでにアニメ化や実写化もされているが、ミュージカルだからこそ届くものもあると鈴木は語る。

「すでに公開されているビジュアルがポップで素敵だなと感じています。深いメッセージが込められている作品ですが、今回は子供向けのプロジェクトの一環として上演されますし、導入としてポップさがあると思います。歌もありますし、まずは面白いなと思ってもらって、物語に入ってもらえたらいいなと思います」

そして、「ミュージカルが好きなので、定期的にミュージカルをやれたらいいなという思いがあって、『ビッグ・フィッシュ』が大きな一歩になりましたが、『カラフル』はミュージカルもできる俳優として成長していく上でターニングポイントになるのかなと、そうなったらいいなと思っています」と期待。「しっかりといいものをお届けできるように頑張りたいです」と意気込んだ。

■鈴木福(すずき・ふく)
2004年6月17日生まれ、東京都出身。2006年、1歳の時にNHK教育(当時)の『いないいないばあっ!』に出演し芸能界デビュー。2007年、『君がくれた夏 ~がんばれば、幸せになれるよ~』(日本テレビ)で子役としてドラマデビューを果たす。2011年、『マルモのおきて』(フジテレビ)に出演。「薫と友樹、たまにムック。」名義による同作の主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」で歌手デビュー。以降、映画、テレビ、舞台、CMなど多岐にわたり活動を続けている。今年4月から日本テレビ系情報番組『ZIP!』の木曜パーソナリティーに就任するなど、仕事の幅を広げている。
■ミュージカル『カラフル』
【原作】森絵都『カラフル』(文春文庫刊) 【脚本・作詞・演出】小林香 【作曲・編曲】大嵜慶子 【出演】鈴木福、加藤梨里香、百名ヒロキ、石橋陽彩、菊池和澄、彩乃かなみ、川久保拓司/川平慈英ほか 【日程】2023年7月22日~8月6日 【会場】世田谷パブリックシアター