――現場で他の共演者から刺激を受けたことや印象に残る出来事がありましたら教えてください。
日向:1話の後半で、和真と小春が2人で出ていく時、和真が大人たちに対してズバッというシーンがありましたが、そのシーンでは山田さんからいろいろなアドバイスをしてもらいました。 リハーサルの段階で、僕は淡々と静かに刺していくというイメージがありましたが、山田さんから、和真が冷静でクールなところは前半で描けていると思うから、後半は感情的になっちゃっていいんじゃないかと言われまして。確かに普段冷静な人が感情的になったら、余計に響くなと僕も感じたので、リハーサルを重ねていく中で、『どうですか?』と山田さんにお聞きしたら、『今のいいじゃん』とか『もうちょっとこうしてみた方が面白いんじゃない』といったアドバイスをもらいました。あのシーンでは、僕なりに表現したいことをいろいろと足してやらせてもらえたので、僕にとって印象に残ったシーンとなりました。
片岡:私も山田さんとのやりとりになりますが、毎回現場で山田さんのお芝居を拝見するたびに、内から出る迫力というか、すごく熱いものを感じています。直哉は表面には出さないけど、強さとモロさが垣間見えたり、山田さんのお芝居から、いろいろなものを想像させられます。お芝居には正解がないので、山田さんの演技の幅の広さと、そこから学ぶことはものすごく多いです。また、私がメインで映るシーンでの気持ちをすごく考えていた時、山田さんが他の方とお話をされていて「本物になればいいんだよ」とさりげなく言ってらっしゃるのを聞いて「あ! これだ」と思いました。直接、私が山田さんからいただいた言葉ではないのですが、その言葉を聞いた時、余計な考えが全部なくなって「じゃあ直感でやってみよう」と思って、やらせていただいたことがありました。
日向:僕も山田さんの人間味のある泥臭いお芝居がすごく好きです。僕は自分の芝居について「ちょっと今の、台詞っぽかったな」と思うことがあるのですが、山田さんが言う台詞は、一言一言がすごくしっかりされています。山田さんは自分の中で台詞を咀嚼し、それを役に置き換えて、役が本当にしゃべっているみたいなお芝居をされるんです。だから僕も勝手に同じようなことを意識して演じています。「役を生きる」と簡単に言うのもなんですが、山田さんはいい意味で人間味があると思います。
――電車ごと未来の世界にワープしてしまうといった非日常の体験をドラマの中でしてみて、いかがでしたか。
日向:楽しいし、撮影ではいろいろと驚かされました。ブルーシートで雨水を溜めて洗濯をしようとか、釣り皮のロープで竹を切ってみたり、クレジットカードを研いで何かを切ってみたりと、日常的なアイテムを使ってサバイバルしているなと感じられました。そういう撮影の中で、僕も勝手に心の中で、これを使えばこれができるかな? と考えていて、とても楽しかったです。自分でも不思議ですが、この作品を通してすごく自然が好きになりました。
片岡:私も撮影を通して、ものすごく自然の力や壮大さにまず改めて気づかされました。また、本当に私の家族がいたらどうだろうとか、実際に私自身がここにいたらどうやって動くだろうとリアルに考えましたし、すごく貴重な経験をさせていただいていると思います。
また、生きていることが素晴らしいと改めて感じられました。普段の日常では、SNSなどで周囲からの目ばかりを気にして、生きていることのありがたみを忘れがちですが、雑音的なものが全くない状態だと、大自然の中に人間がポツンといる環境の中で、いかに人が生きていることがすごいことかを実感させられています。
――最後に7話の見どころをお願いします。
日向:小春と和真の高校時代が描かれることで、1話以前の関係性を見てもらいつつ、ちょっとした展開があるので、7話は全話を通した中で1つの分岐点になる回だなと思っています。ぜひ僕たち2人にも注目して見ていただけたらいいなと思います。
片岡:私も、7話は大きなターニングポイントになる回だと思っています。今後、電車の乗客たちはもちろん、小春と和真の過去と2人の未来の関係性もだんだん変わっていく回なので、そこもものすごく注目していただきたいです。
日向:“ものすごく”です(笑)。よろしくお願いします!
2004年3月18日生まれ、群馬県出身。2019年、ホリプロ主催の「メンズスターオーディション」でグランプリに選ばれホリプロに所属。2020年、映画とドラマの連動作品『太陽は動かない』で俳優デビューを飾り、同年、『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ)で地上波連続ドラマ初出演。2021年には、『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日)で五十嵐大二役を演じ話題に。今年1月期の『Get Ready!』(TBS)で日曜劇場に初出演。3月17日に1st写真集『5W1H』を発売した。
2003年10月6日生まれ、群馬県出身。2021年4月に開設したTikTokとInstagramが注目を浴び、同年末に芸能事務所・フラームに所属。2022年2月にシンガーソングライター・優里のミュージックビデオで女優デビュー。2022年、『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS)でドラマデビューし、『君の花になる』(TBS)、『ボーイフレンド降臨』(テレビ朝日)、今年1月クールの『リエゾン-こどものこころ診療所-』(テレビ朝日)にも出演。『ペンディングトレイン』で連ドラ初レギュラーとなった。
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