メインキャストの山田、赤楚、上白石の印象については「それぞれにキャラクターと重なる部分があるなと思っています」と延べ、直哉役の山田については「山田さんは責任感が強い方で、私には直哉そのものに見えています。直哉と違う部分といえば、直哉が一歩引いて見ている人だとしたら、山田さんは中に入って、みんなを引っ張ってくれる方です」と語る。

「直哉自身も自分の一言がみんなにどう影響するかをわかっていて、理想ばかり言ってないで、厳しい言葉もかけるという強さを持っている。山田さん自身もみんなのためを思う優しさと、その想いを伝えられる強さがある方だなと思いました」

これまでの回においては、第1話で山田が見せた表情が忘れられないと言う古川。それは、崖から落ちそうになった直哉が、優斗や紗枝に助けられたあとに「疲れた」とつぶやく名シーンだ。

「直哉が崖からはい上がり、『疲れた』と涙を流すシーンです。私はそこまで台本を深く読めてなくて、崖から上がって、いろいろな困難に疲れたというくらいにしか受け取っていなかったのですが、山田さんの表情には、直哉の過去や弟のことなどがにじみ出ていました。直哉がペンディングされる前に抱えていたものをすごく感じとれたので、切なくなりました」

さらに、「山田さんのシーンが始まると空気が締まります。もちろん、直哉の言葉や、シーンでの役割もあるとは思いますが、それ以上に山田さん自身が伝えたいものが直哉に向かってきている感じです。山田さんを通した直哉の言葉を聞いて、みんなのお芝居が動き出すような、そういう力を持っていらっしゃる点が素晴らしいなと思います」と心から称えた。

赤楚については役とのギャップも感じると言う。「お会いするまでは、(優斗のように)正義の人という役の印象があったので、大人しくてクールな方なのかなと思っていたら、ご本人はすごく面白くてお茶目な方でした。みんなにイタズラを仕掛けることもあり、前に『玲奈、これあげる』と、パッと出したのが本物のカエルでした!そういうチャーミングな方です」

上白石については「紗枝みたいな無条件の優しさというか、愛情深さがある方です。毎日撮影をしていて、私たち以上に大変なスケジュールの中、体力を削りながらやっていると思うのですが、そこを見せず、周りの人をすごく気遣ってくれます。『昨日寝れた?』とか『ちゃんとご飯食べてね』とか、そういう声かけを積極的にしてくれる優しい方です」と感謝を口にする。

最後に5話の見どころを語ってもらった。「一難去ってまた一難じゃないですが、また新しいニュースがたくさん出てきます。その中でも玲奈の内面がよく見える回になっているとも思っています。いつも強気な玲奈が本当は何を感じているのか。そこを視聴者の皆さんにも感じていただけたらと。きっと玲奈の柔らかい部分にたくさん共感する人がいるんじゃないかなと思うので、そこを届けられたらうれしいです」

■古川琴音(ふるかわ・ことね)
1996年10月25日生まれ。2018年に女優デビュー。『エール』(20)、『この恋あたためますか』(20)、『コントが始まる』 (21)、『アイドル』(22)などのドラマや、『十二人の死にたい子どもたち』(19)、『花束みたいな恋をした』『偶然と想像』(21)、『今夜、世界からこの恋が消えても』(22)、『スクロール』(23)、などの映画に出演。現在TBS系金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』とNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演中。映画『リボルバー・リリー』(8月11日公開)、主演映画『みなに幸あれ』(2023年公開予定)が待機中。

(C)TBS