結成16年以上の漫才師が参加する新たなお笑い賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』の「グランプリファイナル」が、フジテレビ系で20日(19:00~)に4時間超にわたり生放送される。
大会の開催発表当初、『M-1グランプリ』を卒業した漫才師たちが再び賞レースに巻き込まれることにネガティブな反応も懸念されたが、バラエティの第一線で活躍する人気者たちが軒並みエントリー。生放送への進出を決める「ノックアウトステージ」は、生配信のみにもかかわらずTwitterで関連ワードがトレンド入りするなど、盛り上がりを見せてきた。
組合せ抽選会も終え、いよいよ最後の本番を迎えるところで、総合演出を務める日置祐貴氏と、「グランプリファイナル」でリポーターを担当する小室瑛莉子アナウンサーにインタビュー。これまでの選考過程を経ての手応えや、出場する漫才師たちの姿に感化されたことなどを聞いた――。
■お笑いファンとして一番見たかった大会に
――これまでの選考会や「ノックアウトステージ」を振り返っての手応えはいかがですか?
日置:本当にすごく盛り上がってるなと思いますし、自分もお笑いファンとして一番見たかった大会になってるなと思いますね。
小室:司会をして思ったのは、「32→16」と「16→8」でちょっと空気感が違うなという印象がありました。やはりベスト16になると、次に地上波のOAが待っているというのがあるからなのか、ヒリヒリ感、緊張感がさらにあったなという感じです。
――私も「ノックアウトステージ」を拝見しましたが、16年目以上という大会は、ネタに人生やバックボーンが入ったりして、やはり若手の方が出場する大会と違うものがありますよね。ネタ後のMCトークの平場もめちゃくちゃ面白いですし。
日置:面白いですよね。あれを見たら、どのコンビが優勝しても絶対各局で引っ張りだこになるだろうなって思います。
小室:出番の直前に、対戦相手が上手と下手の舞台袖にいて、実はお互いが見える中でふざけ合ってらっしゃるんですけど、その雰囲気のまま、MCトークでもチョケ合っていたりして(笑)、そういう感じもベテランならではですよね。もちろん緊張の現場ではあるんですけど、その中で余裕を見せる姿がカッコいいです。
――賞レースで得点発表を腕組みしながら待つ姿なんて、初めて見ました(笑)。そして、「ノックアウトステージ」では、かもめんたるの岩崎う大さんがネタ時間をカウント表示するモニターを見失ったり、百戦錬磨のテンダラーさんが「初舞台ぐらい緊張します」とおっしゃっていたり、たしかに緊張感が伝わってくる場面もありました。
日置:賞レースというものから、一線を引いていた人たちがまたその舞台に戻ってきて、「こんな緊張感だったよな」というのをきっと思い出している感じなんだと思います。スピードワゴンの小沢(一敬)さんなんてずっと緊張してて普段と全然違うから、話しかけにくくて(笑)
小室:ひょうひょうと話してらっしゃるけど、近くで見ると冷や汗が流れているとか、緊張を見せないけどその気持ちを持ってるんだなと感じる方はたくさんいらっしゃいましたね。
――MC卓から至近距離で漫才をご覧になった感想は、いかがですか?
小室:新鮮でした。声もより伝わってくるので、ツッコミが大きい人にはビクッ!てなりますし、汗をかいてハンカチで拭ってるなとか、あの距離感だからこそ気づくことがありました。それと、番組の公式Instagramで舞台裏の様子を公開しているんですけど、そこでの姿と舞台で見る表情がやっぱり違うんですよね。そのオン・オフをすごく感じます。
■若い芸人から多くの反響「何が起こったんだ!?」
――『THE SECOND』の予選が進んで、芸人さん界隈の反響というのはいかがでしょうか?
日置:「ノックアウトステージ」はアーカイブ配信をしていないので、いろんな芸人さんから「見れないんですか?」「日置さん、映像持ってますよね」ってすごく言われます。
――世代関係なくですか?
日置:どちらかというと、若い世代からが多いですね。やっぱり、劇場でしか見たことがない先輩が、賞レースでどんな漫才をやるのか見てみたいという感じなんだと思います。Twitterで「あの人が勝って泣いた」「(流れ星☆の)たきうえさんがキレてる」って話題になってるから(笑)、「何が起こったんだ!?」とか、「あの人が負けるって、相手はどんな漫才したんだ」とか、みんなすごく気になってるみたいです。
それと、やっぱり出場される方が芸歴を重ねてるからだと思うんですけど、「グランプリファイナル」に進んだ芸人さんが、周りの芸人さんにすごく祝福されている感じがするんですよ。マシンガンズさんが勝ち上がったら、有吉(弘行)さんが「良かったな」って言ってくれたりとか、そうやって盛り上がってるのもいいなと思います。
――やはり注目の大会になってますね。
日置:芸人さんのYouTubeとかラジオとかで、こんなにみなさんがしゃべってくれるんだと思うくらい話題にしてくださってるので、注目度は高いと思います。ただ、配信もリアルタイムでしかしていないのもあって、いわゆるコアなお笑いファンの方以外では、きっとまだ『THE SECOND』の存在を知らない人のほうが多いと思うので、「グランプリファイナル」までにどれくらい広まって生放送を見てくれるのかというのは不安でもあり、6分という尺の漫才を見慣れていない人がどんな反応をするのかというのを含めて、楽しみでもありますね。
小室:そうですね。私の周りでも話題に上がるのはお笑い好きの人たちとか、『ぽかぽか』などバラエティの本番前に「どうなってたの?」って話を聞かれることはあるので、今後はお笑いに興味のない人に広がっていけばと思います。