――『ドンブラザーズ』では1年間、喫茶「どんぶら」マスターの介人を演じてきた駒木根さんですが、増子さんはテレビであの常に冷静でミステリアスな介人をご覧になって、どんな思いを抱かれましたか。
増子:これから先、介人がずっとあのままだったら、なんか嫌だなと思っていました。やっぱり介人はいつまでも全力全開でいてほしいし、いま着ているカラフルな衣装が似合っています。
駒木根:マスターの介人と今の介人とは「別人」だと自分では捉えていました。マスターの芝居はテンションを上げる必要がないので、楽だなと思いながらやっていました(笑)。『ゼンカイジャー』のときは、ぜんぜんやりにくいなんて思っていなかったけれど、いざ終わってみると、ずっとギアを上げているのが大変だったかな……(笑)。
増子:ギア上げてたんだね(笑)。『ドンブラザーズ』の放送が始まったばかりのころは、まだ『ゼンカイジャー』のファイナルライブツアーをやっていたので、みんなでオンエアを観たあとにSNSでつぶやいたりしてました。
駒木根:ドン2話で「全力全開……何だそれ」ってマスターのセリフに、みんな(増子、世古口凌、森日菜美)が「何度も言ってたくせに」ってツッコんでたね(笑)。
増子:「いいね」稼ぎです!
駒木根:自分で言ってる(笑)。でも『ゼンカイジャー』ファンのみなさんからの反響がすごかったし、僕としても心強かったです。
増子:でも僕の「いいね」の数がステイシー(世古口)に負けてた!
駒木根:わはははは!
――ゼンカイジャーとドンブラザーズのキャスト共演についてはいかがでしたか。
駒木根:2つの戦隊が一緒にいる撮影はとにかくうるさいんです(笑)。どちらかの戦隊が落ち着いていれば、ときどき「ワーッ!」となっても落ち着くときがあるかもしれませんが、今回はずっとうるさかった。でも、それが僕らのいいところだと思っています。
観ている方たちに考える隙を与えないほど、どんどん情報がふりかかってきて……『ゼンカイジャー』も『ドンブラザーズ』もそれがもはや「心地いい」という感覚になっている。ちゃんとみなさん侵食されてますよね(笑)。僕としては、同じテンションで並び立つことのできる、数少ない戦隊同士だと思いました。
増子:ハチャメチャの方向性が違うだけで、どっちもハチャメチャな戦隊だよね(笑)。
――増子さんはドンブラザーズの追加戦士・ジロウ役の石川雷蔵さんと会ったとき、どんな気持ちになりましたか。
増子:ガタイ(体格)がよくて、コワかったです(笑)。同じ追加戦士として、つい自分と見比べてしまいますね。金髪同士でもあるけど、圧倒されちゃった。
駒木根:第一印象で負けてるじゃない。負けちゃダメだよ(笑)!
増子:雷蔵くん、カッコいいですから。そもそも名前がカッコいい。ドンブラザーズのみんなは全員名前がカッコいいですね。タカハシシンノスケ(ソノザ役)さんなんて、ぜんぶカタカナだし。
駒木根:なぜ急に名前の話になる(笑)。
増子:いや、ずっと思っていたから(笑)。
――また、増子さんは劇中でたくさん柏餅を召し上がっていました。あれって実際に食べていたりするのでしょうか。
増子:本当に食べていました。今にして思えば『ゼンカイジャー』は食べるシーンが多かったなあ。
駒木根:お寿司も食べたよね。本当に食べてばっかりだった気がする。『ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSゼンパイジャー』でも焼肉を食べていたし(笑)。
増子:ゼンカイジャーは何か美味しいものを食べさせればいいと思われているかもしれない!
――ゼンカイジャーが活躍するとき、何か「食べる」シーンは必須になりそうですね。もしも遠くない将来、ゼンカイジャーが「帰ってくる」としたら、今度は何を食べたいですか?
駒木根:ラーメンかなあ。
増子:僕はラーメン大好物ですから、むしろ食べたいです!
駒木根:わんこそばを延々食べさせるワルドが出てくるとか。
増子:メンワルドはすでに出ているから……。
駒木根:メンワルドの逆襲! 無限わんこそばっていって、長回しでひたすら僕たちがわんこそばを食べるんです。誰かがギブアップしたら、そこでカットするとか、面白いでしょ(笑)。
――最後に、Vシネクストをまだ観ていない方たちや、二度、三度リピート鑑賞を考えている方に向けて「ここに注目してほしい」という細かいポイントを教えてください。
駒木根:最後にドンブラザーズとゼンカイジャーがそろうシーン、雪が降っていて風も強くて、ものすごく寒かったんです。
増子:体感温度はマイナスだったと思う。これまでの人生でいちばんキツイ寒さでした。
駒木根:そんな中で一日中撮影していたんです。僕らもそうとう寒かったのですが、雷蔵は特に露出が多く、大丈夫かな……と心配になるほど大変そうでした。だからこそ、みんなで「この撮影、頑張ろう!」と心をひとつにして、やり遂げることができたと思っています。そういうチームワークの強さを画面から感じ取ってくれたら嬉しいです。あと、みんながそろっているところに出てくるマスター(介人)が、我ながらすごくカッコいい(笑)。
増子:マスターがあのシーン、ぜんぶ持って行っちゃいました(笑)。
駒木根:観てくださった方に謝っておきます。カッコよすぎて申し訳ありません(笑)!!
増子:僕の注目ポイントは、ゾックスとジュランの一騎打ちです。僕の「わかってるよな」というセリフに対して、浅沼晋太郎さん(ジュランの声を担当)がアドリブで「わかってるよな」を被せてきてくれた。そして同時に変身して、一対一の勝負……あそこは『ゼンカイジャー』ファンにとって、見どころのひとつだと思います。
駒木根:カシワモチワルドのせいで仲間同士が戦ったりするけれど、嫌な気持ちが一切しない、どこをとっても愛せるのが『ゼンカイジャー』のいいところです。今回の映画では波乱万丈な『ドンブラザーズ』との対比で、より『ゼンカイジャー』の「幸せ感」が強調されているのではないでしょうか。みなさん、ぜひ『ドンブラザーズVSゼンカイジャー』をもっともっと楽しんでください!
■プロフィール
駒木根葵汰(こまぎね・きいた) 2000年生まれ、茨城県出身。ホリプロ所属。インスタグラムでスカウトされ、。2018年よりモデルを中心にドラマ、映画、ラジオ、イベント、CMなど幅広く活動する。2021年、『機界戦隊ゼンカイジャー』の主人公・ゼンカイザー/五色田介人役を務め、翌2022年『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でも喫茶「どんぶら」マスター・ゼンカイザーブラック/五色田介人役で2年連続「スーパー戦隊」レギュラーとなった。
増子敦貴(ましこ・あつき) 2000年生まれ、福島県出身。エイベックス・マネジメント所属。高校1年のときに「Boys Award Audition 2016」でファイナリストとなり、芸能界入り。2018年のミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズンで白石蔵ノ介を演じ、注目される。2019年より、男女7人組のダンス&ボーカルグループ・GENICのメンバーとなり、俳優とアーティストの二足のわらじで活動中。
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