また、「山田さんも赤楚さんもいい意味で役と違ったご本人像です」と言い、座長である山田については「本当に楽しいお話をたくさんしてくれるお兄ちゃんみたいな存在で、みんながいろんな意見を言いやすい環境を整えてくれています。例えば『海くんはどう思う?』とか『もっとこうしていったらどうか』と相談してくれますし、山田さんが演じている独りよがりな直哉とは正反対の座長で、現場としてはすごく助かっています」と感謝。
赤楚についても「共演する前は、パブリックイメージとして、ちょっと硬派なイメージがありました。もちろん硬派なところもありますが、優斗という好青年的キャラクターというよりは、面白い話をしてくださるというか、笑いを取りにいくタイプの方で、いい距離感で突拍子もないことを言ったりします。2人とも役とのギャップがあると思います」と好印象だった。
現場の雰囲気も良さそうだが「そこはシーンにもよります」とのこと。「1、2話ではシチュエーションとして水が飲めなかったり、食料が獲得できなかったりしたので、そういったシーンの撮影時は、みんなが緊張感を忘れないようにしていたので。その頃は、座長の山田さんをはじめ、水を控えてみようという話にもなりました。もちろん、撮影に支障をきたさない程度ですが、喉をカラカラにした状態を想像だけじゃなく、肉体的なアプローチもやっていたので、和気あいあいという感じではなく、しんどい思いもしました。でも最近は水や食料などもある状態となり、出演者のみんなとの距離も縮まってきたので、空き時間は楽しい話や作品の話をしたりしています」
いきなりタイムスリップし、極限の状態に置かれた加藤たち乗客だが、回を追うごとに、各キャラクターの素顔や性格、バックグラウンドなどが明かされていく。もしも井之脇が同じような境遇に置かれたとしたらどう振る舞うのか? との問いには、「ああいう状況に置かれたら優斗っぽい感じに動くかなと」と回答。「状況を整理し、できることをやれるだけやってみようと、みんなに提案するというか。あそこまでのリーダーシップを取れる自信はないですが、タイプとしてはそっちだと思います」と答えた。
第3話のラストでは、加藤が何者かに刺されるという衝撃的な展開を迎えた。第4話はどうなるのか? 見どころを聞いた。
「加藤が生死をさまよう中で、彼がどんな人物だったのか、その過去も描かれていきます。加藤はコミュニケーションを取るのが苦手ですが、現代でSNSをたくさんやっている若者って、実はみんなそうなんじゃないかなとも思っていて。SNSがない状況となり、加藤で言えば、自分が好きな研究をすることができない環境に追いやられますが、自分の身近なものを一瞬にして取られてしまった時、どうやって人と会話をしていくのか? 加藤の成長を通して、そういったことも感じ取ってくれたらいいなと思っています」
1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。『柳生十兵衛七番勝負 最後の闘い』(06)で俳優デビュー。2008年『トウキョウソナタ』で、第82回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第23回高崎映画祭新人俳優賞を受賞。2018年、監督・脚本・主演を務めた『3Words 言葉のいらない愛』がカンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー部門に入選。主な出演ドラマは連続テレビ小説『ひよっこ』(17)や『ちむどんどん』(22)、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(17)、TBSドラマ『義母と娘のブルース』(18)など。近年の主な出演映画は『ミュジコフィリア』(21)、『猫は逃げた』(22)、『とんび』(22)、『犬も食わねどチャーリーは笑う』(22)など。
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