山田裕貴主演のTBS系金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(毎週金曜22:00~)で、人付き合いが苦手な大学院生の加藤祥大役を演じている井之脇海。作品ごとに様々な役を演じ分ける井之脇は、チームの和を重んじる穏やかな人柄にも定評がある。この現場ではなにわ男子の藤原丈一郎と意気投合したと言う井之脇に、藤原をはじめとする共演者たちとの撮影裏話について話を聞いた。

  • 『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』で加藤祥大役を演じている井之脇海

都心へと向かう電車の一両が、いきなり未来の荒廃した世界にワープしてしまい、乗客たちがそれぞれの知恵を駆使して、過酷なサバイバル生活を繰り広げるという本作。カリスマ美容師・萱島直哉役を山田、正義感溢れる消防士・白浜優斗役を赤楚衛二、高校の体育教師・畑野紗枝役を上白石萌歌が演じている。

井之脇演じる加藤は植物オタクという設定だが、自身との共通点を尋ねると「僕もオタク気質なところがあります」と言う。

「僕は映画と山と野球が好きで、仕事中はやらないけど、プライベートの時間や友達といる時は、よくその情報を調べてしまうので、何かに熱中するとか、好きなものがあるという点は加藤と似ているかなと。でも僕は加藤とは違ってあまりゲームをしないし、割といい距離感で人としゃべれるほうではないかと(笑)。そこをバランスよく演じられたらなと思っています」

藤原が演じるのは、加藤と交流していくポップカルチャーを学ぶ専門学校に通う関西人の青年・米澤大地役だ。役柄の関係性同様に、現場でかなり仲良くなったという井之脇と藤原。制作会見でも、藤原が井之脇について「“ニコイチ”なんで」と笑顔を見せるなど、仲睦まじい雰囲気が伝わってきた。

これまでに西畑大吾や道枝駿佑など、なにわ男子のメンバーと何度も共演してきた井之脇だけに「僕は、なにわ男子がテレビに出てくると、勝手に応援していました。普段からなにわ男子推しです!」と笑顔で話す。

「だから今回、丈一郎くんとご一緒できたことがすごくうれしかったです。加藤と米澤は役柄的にも近くて、深い友情を築いていく関係性なので、オフの時からいろいろとお話しできたらと思っていましたが、そんなことを考える必要がないぐらい仲良くなれました。現場では丈一郎くんがすごくフレンドリーに話しかけてくれて、他愛もない会話をしたり、お芝居についての提案をしてくれたりして、互いにディスカッションしながらいい距離感で撮影ができています」

また、藤原演じる米澤について「米ちゃんっていうキャラクターが僕はすごく魅力的だと思っています。どんなにつらい時でも、みんなのためにピエロ役を買って出てくれるし、僕自身もそういう部分に惹かれるところがあるので、自然と米ちゃんを好きになれました」と役柄に対しても大いに好感を持っていると言う。

さらに「オフでの話だと、僕と丈一郎くんは、いつも野球の話をしています。丈一郎くんがオリックス・バファローズのファンで、僕が横浜DeNAベイスターズのファン。ちょうどパ・リーグとセ・リーグでリーグが被ってないから、ギスギスすることもなく、メジャーリーグも含めて毎日野球の話をしています」とうれしそうに話す。

  • 加藤祥大役の井之脇海(左)と米澤大地役の藤原丈一郎

また、ドラマ『義母と娘のブルース』(18)や『ちむどんどん』(22)など、共演経験が多い上白石萌歌については「一昨日の撮影時に、萌歌から『海くんって30歳だよね?』と言われて、『ええ!』となりました。これだけ長い時間いろんな話をしてきたのに、3歳も歳を間違えられていたんだとショックを受けました(笑)」と、クスっと笑えるエピソードを披露。

そして、「この現場では一番お互いのことをよく知っているので、役の話などをする上で、くだらない話をしてから距離感を縮めていくといった作業が必要なく、現場にいてくれるとすごく心強いです。僕が彼女と一番最初に会った時は、おそらく萌歌が16、17歳だったと思いますが、そこから考えると本当にたくましくなったなと」としみじみ。

「こう言うと、なんだか偉そうに聞こえますが、萌歌が現場で自分の意見を監督に伝えている姿を見ると、本当にそう思います。萌歌の真っ直ぐな純粋さも相まって、ズバズバ言っても全然嫌味じゃないし、意見をすることはとても大切で素敵なことだと思うので。僕は、今こんなことを言うのはダメかなと引いてしまう時がありますが、萌歌の姿を見て、ちゃんと作品のためにいろいろ話していかなきゃなと、彼女から学ばせてもらっています」と刺激を受けている。