――『ドッキリGP』では、牛乳を飲み続ける「無限牛乳ドッキリ」で大きな爪痕を残されました。スタジオを含め、多くの人が疑問に思ったのですが、ウソ牛乳を瓶に注入するホースがあるのを確認しているのに、なぜそのまま飲み続けたのですか?
「牛乳早飲みチャレンジ」という企画だと聞いていたので、とにかく早飲みをするということで頭がいっぱいで、渡されたら飲むしかないと思ってしまったんです。ドッキリにかかったことがないので、ホースがあっても「早飲みチャレンジで1位にならないと」って思って、飲み続けたら2リットルを超えていて。
――結局、どうやってドッキリだということに気づいたのですか?
もうお腹120%牛乳になっちゃって限界を超えたときに、総合演出の中川(将史)さんが「“無限牛乳”っていうドッキリです」って教えてくれたんですけど、それでも「どれがドッキリですか?」って分からなくて…。
――その人生初ドッキリがいいリアクションだったから、再びターゲットになったということですね。寝坊して『ぽかぽか』の生放送に遅刻してしまうというドッキリが、5月6日に放送されます。
いや、もういいですよ…。本当にびっくりしました。人生で一度も寝坊したことがなかったので、遅刻するというのが分かったときは、「終わった…」と思いました。
――遅刻の影響が自分だけでなく、生放送に穴を開けてしまうというのがまたショックの大きさですよね。
そこなんですよ!! 番組関係者全員に迷惑をかけるというのを考えると、「3カ月こんなに頑張ってきたのに…」と思って。
――毎週自主練して、朝イチの会議に参加して、共演者の皆さんにメッセージを書いて…と積み上げてきたものが、一瞬で崩れ去ると。
本当にここがターニングポイントだと思って『ぽかぽか』に懸けてるんです。でも、仕事っていうのはこうやって一瞬でなくなるのか…と思いました。
――『ぽかぽか』生放送のエンディングに駆け込んで、ドッキリのネタバラシをされると、「だるっ!!!」と叫んで大の字に倒れました(笑)
あのときはもうアナウンサーであることを忘れてしまいました。でも、本当にドッキリで「良かったーーー!!!」と思いましたね。
――あんなリアクションしたら、中川さんのことだから絶対またかけたくなると思いますよ(笑)
でも、ドッキリって本当にすごいなと思いました。ニセの打ち合わせも台本もちゃんとしているし、絶対に分からないです。ただ、同期の小室(瑛莉子)は仕掛け人をやっているので、僕もそっち側がいいですね。
――そのためにも、『ぽかぽか』でテンパる姿ばかり話題になるのではなく、しっかり進行できるアナウンサーであることをアピールしたいですよね。
早くここを打破しないといけないです。本当に頑張らないと。『ぽかぽか』担当のアナウンサーの中でも、同期の小室は『めざまし8』のメインキャスターになりましたし、後輩の岸本(理沙)と松崎(涼佳)も先輩に見えてしまいます。岸本に「なんであんなに落ち着いてるの?」と聞いたりするのですが、「いやいや(笑)」って言うんです。謙虚でいい子です。
■『ぽかぽか』交代を告げられたら「その場で暴れます」
――アナウンサーを志望するきっかけは、何だったのですか?
実は学生の頃から、進行役を任されることが多かったんです。高校の文化祭や、大学の体育会のお祭りで司会をやらせてもらって、そういうところでたくさんの人を盛り上げて、みんなが笑ってくれるというのが楽しくて、これが仕事になったらいいなと思ったのが1つのきっかけでした。
それと、ずっと野球をやっていて、スポーツ中継も結構見ていたので、心に残る実況というのに憧れて、実況もやりたいと思っていました。この2つがあって、アナウンススクールに通い始めたんです。
――フジテレビ以外のテレビ局も受けたのですか?
はい。でも、フジテレビが第一志望だったので、他の局でも「フジテレビだけは受けたいです」と面接からずっと言っていたんです。
――なぜフジテレビが第一志望だったのですか?
小学生のときからテレビと言えば「8」をつけていたので、憧れですね。中学校くらいのときにスマホが出始めても、『(爆笑)レッドカーペット』『(爆笑)レッドシアター』『めちゃイケ(めちゃ×2イケてるッ!)』『(クイズ!)ヘキサゴン』『トリビア(の泉)』とか、よく見ていたんです。だからフジテレビに入れて、本当にうれしかったです。
――『ぽかぽか』なんて、特にフジテレビっぽい番組ですよね。
本当に奇跡と言うか、『ぽかぽか』に携わっていることが人生で一番うれしいくらいで!! 僕がどれだけ力になれるか分からないですけど、めちゃくちゃ盛り上げたいし、1人でも多くの人に番組を知ってもらいたいですし、絶対クビになりたくない!! 『笑っていいとも!』の進行アナウンサーは、1~2年で代わっていたじゃないですか。あーー絶対代わりたくない! 「若手に交代です」って言われたら、「ヤダヤダヤダヤダ!!」ってその場で暴れます。それくらい、ずっとここにいたいです!
――今はミスもイジられるのがキャラクターになってウケていますが、それがいつまでも続くとは限らないですもんね。
そうなんです! だからここを早く打破して、進行を任せていただくようになれば、もっと番組に貢献できるかもしれないですし、成長することでもしかしたら新しい企画が生まれたりするかもしれないので、頑張らないといけないですね。
――『ぽかぽか』をずっとやりたいという思いを持ちつつ、今後のアナウンサーとしての展望はいかがですか?
やはり伊藤さんや佐野さんのように、実況もできて進行もできて、「この人に任せたらどうにかなる」と思ってもらえるようなアナウンサーになりたいです。これは採用面接のときから言っていたのですが、『IPPONグランプリ』をやりたくて。あれはまさに実況と進行ができないと務まらない仕事なんです。収録があると毎回見学に行っているのですが、伊藤さんの進行を、少しでも盗みたいと思いながら見ています。
――松本(人志)さんは基本的に別室でモニタリングされているので、完全にスタジオを回すという立場ですもんね。しかも一流の芸人さんたちを相手に。
あの番組を任せられるくらいになりたいというのが、夢です。そのためにも、バラエティの『ぽかぽか』で頑張るということと、実況力も大事なのでスポーツ実況でも力をつけたいと思っています。
――今やっているいろんな努力は絶対に見ている人がいますし、きっとそれが花開くときがくると思います。
神田さんのインタビュー記事で、「自分が目指す夢に2%でも可能性があるなら、追い続けたほうがいい」という言葉があって、それを信じているんです。伊藤さんや佐野さんのようになれる可能性は2%もないと思うのですが、0.01%でもあるならそこを目指していきたいです。
――伊藤さんが若手の頃にとんねるずさんに相当鍛えられて、佐野さんもナインティナインさんに鍛えられていた関係性のように、ヤマケンさんもハライチさんに鍛えてもらっているように見えます。
うおーーー! 本当ですか!? えっ、ハライチさんと僕!?
――ほんとにほんとに。伊藤さん、とんねるずさんと『アレグリア』見に行ってないと思いますし。
いやーーありがとうございます! 頑張りますっ!!!
●山本賢太
1998年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、21年にフジテレビジョン入社。1年目から『Live News イット!』のフィールドキャスター、スポーツ実況を担当し、23年1月スタートの『ぽかぽか』で水曜日に出演する。趣味は筋トレ、お笑い鑑賞、小説。特技は鶏胸肉の調理(バリエーションが豊富)、体重の増減。モットーは「人生は超回復」。