■一条と真尋の魅力、かわいいポイント
――それぞれが演じた役どころの魅力を教えてください。
近藤:一条は、真尋に対して好きかどうか分からなくて悩む姿が純粋すぎるほど純粋。特に相手が男の子だから気持ちの正体が分からず悩んだところもあると思うのですが、自分の恋心に翻弄されるところがとてもピュアなキャラクターです。たまに周りがよく見えなくなって、悪気なく傷つけてしまうときもあるので、そこもまた純粋だなと感じました。それでいて案外役者なんですよね。仕事をしているときには自分を偽って生きている。一条のその違いはドラマだから分かりやすく描かれていますが、誰もが皆自分を偽る瞬間があると思うので、共感いただけると思います。話が進むについて、本来の一条が少しずつ出てくるところがかわいいので注目してください。
ゆうたろう:真尋は青果店で働く好青年で、将来は海外の料理を作るレストランを開きたいという夢を持っている男の子。そして高校時代の“忘れられない過去”に振り回されることになります。真尋は好きな人に期待しちゃうし、好きって言ったら好きって言ってほしいという、相手にすごく求めるタイプ。演じているうちに、柔らかいからこそ崩れちゃうし、繊細な子なんだなという印象を受けました。“乙女”な部分もあって役作りは難しかったですが、監督と話し合う時間をたっぷり設けていただいたおかげで、真尋を大切に演じることができました。真尋は26歳の等身大の男の子で、はたから見たら自立しているけど子どもっぽいところもある。一条が好きだからこそ素直になれるし、好きだからこそムキになっちゃう、そんなところがかわいいです。
■互いを料理にまつわるものにたとえると?
――これまで共演経験もあるお2人ですが、改めて今作でご一緒して感じた互いの印象を、グルメドラマということで料理にまつわるものにたとえていただけますでしょうか。
ゆうたろう:出た、無茶振り!(笑)でも……頌利くんは塩や醤油、日本食のメインになる調味料だと思います。現場では頌利くんは常に輪の中心にいて、そんな頌利くんの発言に僕がツッコむという関係性。頌利くん中心に事が進んでいくので、正にいないとまとまらない存在です。頌利くんが先に帰ってしまう日は、皆で「物足りないよね」「あの人をいじりたいね」と話しているくらい。関西人だしボケやツッコミで盛り上げてくれるので、そんな頌利くんが現場にいてくれて、いつも助かっていました。
――では続いて、近藤さんがゆうたろうさんをたとえるなら。
近藤:今めっちゃ探してるんですよ。何か味が変わるもの……クエン酸!
ゆうたろう:(爆笑)。
近藤:クエン酸って体調によって味が変わるじゃないですか。疲れてるときは酸っぱく感じるけど、元気なときはそうじゃないとか。僕は2つの仕事の現場とプライベート、3つの場所でゆうたろうを見たことがあるけど、全部違う顔なんです。やっぱり慣れ親しんだメンバーといるときはリラックスできる立ち位置で場を楽しんでいますし、ドラマの現場では周りを見て合わせていますし、そんな対応が僕よりずっと大人だなと思わされました。だからいろんな味に変わるクエン酸にします。やっぱり必要ですからね、クエン酸は!
――ありがとうございます! では最後に、今作の見どころを教えてください。近藤さんは全裸になって肉体美も披露されますが……。
近藤:体を作り込んでいないので、“美”というわけではないんです。昨年はずっと続けていた筋トレもこの作品のためにやめて、あくまで会社員の自然な体になっていると思います。見どころは、一条と真尋の関係が、周囲にかき乱されながらも料理を通してどうやって深まっていくのかというところ。全12話で1つのストーリーになっているので、全話を通して2人の成長や変化を楽しんでいただければうれしいです。
1994年4月12日生まれ、大阪府出身。劇団Patch3期生として活動を開始させ、舞台『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」』で注目を集める。近年は舞台『浪花節シェイクスピア「富美男と夕莉子」』、『アルキメデスの大戦』、『ミュージカル「チェーザレ 破壊の創造者」』に出演。5月には東京・天王洲 銀河劇場で上演される舞台『「HUNTER×HUNTER」THE STAGE』にレオリオ役で出演する。
1998年6月3日生まれ、広島県出身。2016年、ショップ店員から“かわいすぎる美少年”モデルとして芸能界デビュー。2017年からドラマや舞台で精力的に俳優活動を行う。2018年、『3D彼女 リアルガール』で映画初出演。近年の出演作にドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズ、『明日、私は誰かのカノジョ』、『カナカナ』、『ばかやろうのキス』、『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』、『東京の雪男』、映画『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』、『僕らはみーんな生きている』など。