俳優の近藤頌利が初ドラマ出演にして初主演を務めるカンテレのドラマ『全ラ飯』(13日スタート毎週木曜24:25~※関西ローカル、初回24:40~)。ドラマオリジナルの今作は、“全裸で食事をする”という秘密の趣味を持ちながら表向きは非の打ち所の無いハイスペック男子として窮屈な日々を送る金融庁のエリート・一条颯太(近藤)が、思いも寄らない恋に落ちたことをきっかけに、自分に正直な生き方を見つけるまでを描くムズきゅんラブコメディ。相手役として、一条の故郷で青果店を営む三木真尋を、ゆうたろうが演じる。

今回は近藤とゆうたろうに、今作の役どころや見どころについてインタビュー。「互いの印象について、料理にまつわるものにたとえるなら?」という質問もぶつけた。

  • 左から近藤頌利、ゆうたろう 撮影:泉山美代子

■ドラマ初出演&初主演のオファーは銭湯で聞いた

――今作がドラマ初出演にして初主演という近藤さんですが、最初にお話を聞いたときの心境を教えてください。

近藤:舞台でも頻繁に主演を務めていたわけではないので、最初はビックリしました。話を聞いたとき、銭湯に足を踏み入れたタイミングだったんです(笑)。脱衣所では「うわー! ドラマに出るんだ!」と高揚していたのですが、お風呂に入ってサウナで事態を飲み込むうち、「大丈夫なのかな!?」と不安になってきて。いきなりドラマの世界に飛び込んで、何の経験もないまま一番手となると、ただ仕事をするだけじゃダメだと思い、最初は楽しみな気持ちよりも不安な思いが勝っていました。

――その不安をどう乗り越えましたか。

近藤:僕はどの現場でも、いつも変わらぬ自分でいることを心がけているので、いずれ「主演としてこうしなければいけない」と思うときが来るまでは、まずいつもの自分でやってみようと開き直ることにしました。スタッフの方々とたくさん話して仲良くなって、いつもの自分でいよう、と。

■料理未経験からレッスン受け…キーマカレーが得意に

――ゆうたろうさんは今作のために自炊を始めたとコメントを出されていましたが、これまでの料理経験は。

ゆうたろう:全くありませんでした。家族や友達が家に来たときに鍋やカレーを作ることはありましたが、切るのが苦手なので、主に切ってもらったのを混ぜる係。そんな僕が料理の得意な役をできるのだろうかと不安が大きかったです。

――料理はどうやって練習されましたか。

ゆうたろう:料理レッスンの機会を設けていただいたので、そこでみじん切りや海老の背わた取りなど各エピソードに出てくる工程を重点的に教わりました。自分で復習するとなると好きな料理じゃないと長続きしないなと思って、みじん切りが練習できて、手軽で、好きな料理ということで家ではよくキーマカレーを作って玄米と一緒に食べていました。

――キーマカレーの腕は上がりましたか。

ゆうたろう:はい! 美味しく作れたので、現場で皆に振る舞いたかったくらいです。撮影では「食材を切りながら説明する」というお芝居が大変だったのですが頑張りました。

近藤:『全ラ飯』には世界の珍しい料理が登場するので、全く知らない言葉がたくさん出てくるんです。

ゆうたろう:発音も確認しながらで苦労しましたが、監修してくれている料理研究家のヤミーさんがいてくれたので安心できました。しかも褒めて伸ばしてくれるタイプで。

――ゆうたろうさんは褒めて伸びるタイプですか。

ゆうたろう:かなり!(笑)褒めて伸ばしてくれたのでありがたかったです。

■印象的だった料理は「サテ・チュルップ」

――今近藤さんが仰ったように、今作には世界の珍しい料理がたくさん登場しますが、調味料や料理で印象的だったものがあれば教えてください。

ゆうたろう:驚いたのは「サテ・チュルップ」ですね。

近藤:確かに! 真っ赤だから見た目はすごく辛そうなんだよね。

ゆうたろう:でもちょっとピリ辛なくらいで、実際はサテソースのゴマだれのような甘さが立っていて。

近藤:ピーナツペーストが入ってる。

ゆうたろう:日本人の口にもこんなに合うんだと驚きました。

近藤:実は最近マレーシア人の方と知り合う機会があって、「仕事でサテ・チュルップを作ったよ」と話したら「日本でサテ・チュルップを作ることがあるんですか!? すごくうれしいです!」と大興奮してくれたんです。マレーシアの中でも特にサテ・チュルップが有名な地域の出身だったらしく、すごく喜んでいました。こんなふうに、海外の方が料理をきっかけに『全ラ飯』を見て、日本のドラマに興味を持ってくれることがあるのかもしれないとワクワクしています。

ゆうたろう:全世界で配信もされるしね!(LGBTQコンテンツ専門の配信プラットフォーム・GagaOOLalaにて14日10時より世界配信)