2021年にABEMA『虹とオオカミには騙されない』で芸能活動をスタートさせ、モデルやタレント、女優と活躍の幅を広げている安斉星来。現在MBS/TBSドラマイズム枠で放送中の『往生際の意味を知れ!』(MBS 毎週火曜24:59~、TBS 毎週火曜25:28~)では、主人公の妹・日下部珠緒役を演じている。安斉にインタビューし、本作での役作りや撮影裏話、さらに、今年1月期に出演したTBS系金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』について話を聞いた。

  • 安斉星来 撮影:加藤千雅

同名の人気コミックを原作とする『往生際の意味を知れ!』は、元カノと元カレによる狂気の“やり直し”ラブストーリー。国民的エッセイ『星の三姉妹』の著者である母・日下部由紀(山本未來)への復讐を企む謎多き美女・日下部日和役を見上愛、日和の復讐計画に協力する元カレ・市松海路役を青木柚が務めている。見上演じる日和は日下部家の長女。次女・珠緒役を安斉、三女・千世子を宮崎優が演じている。

――『往生際の意味を知れ!』への出演が決まったときの心境をお聞かせください。

オーディションで、「嫌いな人を思い浮かべてください」と言われて、カメラに向かって目線だけで演技するというのがありました。過去のいろんな嫌なことを思い浮かべて演じ、その場で監督に「いいね」と言っていただけたので手応えはあったのですが、出演が決まってうれしかったです。

――オーディションで披露したその目線は、実際の撮影でも使っていますか?

私たち三姉妹がお母さんに復讐しようとするストーリーで、母に恨みがあるので、その目線は撮影でも使いました。

――演じる際に一番意識したことは、その目線になりますか?

そこが一番かもしれません。三姉妹の中で私が演じる珠緒は一番陽気で、服装もだいたい短パンで露出も多く、すごく気の強い役なので、目線も口調も強くというのは意識しました。

――出演発表の際に、珠緒と似ているところがあるとコメントされていましたが、どういうところが似ていると感じていますか?

単純に髪型やスタイルが原作と似ているなと思いましたし、負けず嫌いなところや、やるぞと決めたらブレない芯の強さは私も大事にしているのでそのあたりも似ているのかなと思います。

――内面の強さは昔からですか?

もともとは人見知りで臆病な人間でしたが、部活でやっていたバレーボールを通じて、負けず嫌いが芽生えてきたのかなと。中学ではキャプテンを務め、その経験が一番大きいと思います。自信にもなりましたし、キャプテンとして自分がチームを動かさないといけないという、その厳しさによってチームが変わると思っていたので、嫌われる覚悟でやっていました。その経験は芸能界のお仕事にも活きていると思います。

――日下部家のシーンの撮影で印象に残っていることを教えてください。

見上愛さんとのシーンが一番多かったのですが、見上さんはシーンとシーンのつながりをすごく意識されていて、すごいなと思いました。前後のシーンを全然違う日に撮ることもあるのに、どう演じていたかをすべて覚えていて前のシーンから感情や表情も続くように考えられていて、とても勉強になりました。

――本作に参加してほかにも何か気づきや成長できたことがありましたら教えてください。

私って泣けるんだ! って思いました(笑)

――泣くシーンは初めて?

初めてでした。私は人前で泣くのが苦手で、自分で解決したい人間なので、家に帰ってからポロッとなることはあっても人前で泣いたことはほとんどなくて。なので、泣くシーンは難しいなと思っていましたが、できるんだ! って思いました。

――つらいとか悲しいという感情をつくっていったら泣けたのでしょうか。

簡単に涙を流せる方もいますが私はそれができなくて、朝から気分を下げて現場に入りました。バッドムードな曲を聴いたり、悲しい動画を見たり、自分の心と頭をフル稼働させて、悔しいとか悲しいという気持ちを出して。それでもカメラの前に立つと泣けないときもあって、その悔しさで泣けるという……やっぱり泣くのは難しいなと思いました。

――人前ではほとんど泣かないということですが、最後に人前で泣いたのはいつですか?

バラエティで感動してポロッというのはありますが、人前で泣いたのは人生で2、3回とか、片手で数えられます。中学の卒業式で隣の子が泣いていてもらい泣きしたのが最後かもしれません。その私が泣いたんです。自分でも泣けるんだ! ってびっくりしました(笑)

――泣くシーンもできるという自信に?

自信にはなりました! でも1シーンでもカット割があっていろんな角度から撮影するので何回も泣かないといけなくて、難しかったです。