――今回のアルバムは特にメッセージ性が強いということですが、楽曲を通してメッセージを届けるというのは、手越さんが強くこだわっているところでしょうか。

そうですね。歌は自分がつらいときは自分に歌いますが、今は心に余裕があって、アーティスト活動と人生を全力で楽しめているからこそ人に歌えていると思っています。僕はボランティアもやっていますが、それも自分に余裕があるからできるわけで、余裕がないときは自分を一番大事にすべきだと思います。そして、活字だと言葉のニュアンスが伝わらず誤解されることがありますが、社会性のあるメッセージも恋愛ソングも歌に乗せるとスッと入ってくる。それだけ歌は力があるので、これからも歌詞に思いを乗せて届けていきたいなと思います。

――手越さんは作詞作曲の経験もありますが、今後もやられる可能性は?

チャンスがあればやります。

――自分が書きたいと思うタイミングが来たらということでしょうか?

書きたいとか、これは自分が書いたほうがいいなと思うときに書けたらなと思います。作詞作曲を自分がやるのはプラスもマイナスもあると思っていて、好きなメロディーラインや好きなコード進行はどうしてもかぶるし、歌詞の書き方や表現の仕方も遠からず似るので。今回のアルバムだといろんな作詞家と作曲家の方に書いてもらいましたが、僕の生き様を俯瞰で見てくれている人が書く歌詞と、本人が書く歌詞は変わりますし、自分1人では書けない曲たちが生まれたと思います。「御どれ踊れや己が苑」は僕がどうあがいても書けないですね。

――「御どれ踊れや己が苑」は心が躍る曲ですね。

ボカロでポップですが、歌詞はけっこう強烈なんですよね。「私に生命は重すぎる」とか命のことを歌っています。

――このアルバムを引っ提げた全国ツアーが4月12日からスタートしますが、どのようなライブにしたいと考えていますか?

去年も2本全国ツアーを回らせてもらったので、そのツアーとは見せ方も差別化したいですし、毎回ライブに来てくれている人にも楽しんでもらいつつ、去年いろんなフェスなど出演したからこそ新しいファンの方も増えているなと感じているので、初めて見に来てくれる人にとっても心に刺さる強いメッセージを届けたいと思っています。

――前回は歌に特化したライブでしたが、今回はどんなものに?

舞台の雰囲気を変えようかなと思っていて、舞台装置も今までとは変えようかなと。曲調が全く違うアルバムが主体のツアーなので、より七変化感を出したいです。

――今回のアルバムの制作期間に、レコーディング現場で待っている愛犬エマちゃんの写真をSNSで公開されていましたが、現場に連れて行くことは多いのでしょうか。

スタジオがOKだったらティファもエマも連れて行きます。今日も来ています。シーンとしている家で長い時間お留守番はかわいそうなので。

――わんちゃんは手越さんにとってどんな存在ですか?

家族ですね。今、無駄に広い家に住んでいるので、1人きりでシーンとしていたら泣きたくなるんですよ(笑)。もともと一人っ子で寂しがり屋なので、話しかける相手がいるというのは大きいです。

――けっこう話しかけるんですか?

めっちゃしゃべります。「何してたの?」「いい子にしていたのかな?」とか(笑)。癒やされますね。

――実家でも犬を飼われていたそうですが、手越さんにとっては犬がいる生活が当たり前なのでしょうか。

はい。犬がいない生活は考えられないです。

――今後わんちゃんと一緒にやってみたいことはありますか?

全然考えてなかったですけど、犬にとって健康になれるようなペットフードとか、そういうもので一緒にお仕事できたらうれしいですね。

■手越祐也
1987年11月11日生まれ、神奈川県横浜市出身。15歳でジャニーズ事務所に入所し、2003年9月のデビューから2020年6月独立までの約17年間、NEWSのメンバーとして活動。在籍期間中、歌手活動だけでなく、数々のバラエティ番組で活躍、「FIFAクラブワールドカップ」「FIFAワールドカップ」ではメインキャスターを務め、俳優としてドラマや映画にも出演。フリー転身後はSNSを開設して積極的に発信。2021年7月にデジタルシングル「シナモン」でソロデビュー。6カ月連続新曲配信や全国ツアー、数々のイベント出演など、アーティストとして精力的に活動している。3月15日にBlu-ray&DVD『手越祐也 LIVE TOUR 2022 Music Connect』、4月5日に2ndアルバム『CHECKMATE』発売。4月12日から5月31日まで「手越祐也LIVE TOUR 2023『CHECKMATE』」を全国5都市で開催する。