■人生2度目のドラマ主演にどこか小っ恥ずかしさも

――そんな作品に“主演”というポジションで臨まれましたが、どんな思いがありますか。

やはり光栄ではあります。そして、出ずっぱりでセリフが多くて、主演ってこんなに大変なんだと思い知りました。やりがいがある分背負うものもありますし、皆に見ていただきたい、喜んでもらいたいという思いも大きく、良い評判を聞いたときの喜びもひとしお。滅多にない主役というチャンスを50代後半に入っていただけるなんて、こんな幸せはないと噛み締めています。「役者人生で初めての主演ドラマや!」と喜んでいたら、実は20代の頃経験していたようで(笑)。若さと無鉄砲さで乗り切った初体験から約30年ぶりの主演は、どこか小っ恥ずかしい気持ちもあります。今作には錚々たる共演者の方々が集まってくださって、和気あいあいと笑いながら撮影ができて。僕は人を引っ張るのではなく、支えられて存在できる役者なんだなと、感謝でいっぱいになりながら主演を務めさせていただきました。

■第1話出演・今井翼は「謙虚でめちゃくちゃいい方」

――第1話には“忙しすぎるテレビ局プロデューサー”近藤役で今井翼さんが出演されます。今井さんの印象を教えてください。

翼さんは、本当に大スターなので、第1話のゲストに出てくださるなんていいんですか!? という気持ちでした。2人でタクシーに乗っているシーンでも、振り向いてお顔を見るたびに「わ! 翼さんや!」と心の中で叫んでしまって(笑)。

  • 今井翼

――橋本さんほどのベテラン俳優さんでもそう思うんですね(笑)。

僕も普通の人なので(笑)。そんなオーラを放っていた翼さんですが、謙虚でめちゃくちゃいい方だったんです。スタッフへの気遣いを忘れない方で、何なら主演の僕以上に周囲に気を配ってくれていました(笑)。場数を踏んできたんだろうなと感じられるところもあり、たくさん勉強させていただきました。お芝居は、多忙なテレビマンが自然体でそこに存在していて、本当にナチュラルなたたずまいで。そんな今井さんに導かれて第1話が完成したと思います。

――では最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

今作はいろいろな悩みを抱えた人たちが、食べることで救われていく“出会い”がテーマのグルメドラマです。晩さんとして、個性的でチャーミングな登場人物たちと会話して食事を共にする時間が、僕も楽しくて美味しくて。美味しいものを食べるとホッとして、生きる喜びを感じられるんですよね。僕自身もこのドラマをきっかけに、これからもいろんな人や食と出会い続けていきたいと思いました。皆が一生懸命に生きようとしている姿はどこかおかしくて、クスッと笑えたり、「あるある」と共感できたり、何より「めっちゃ美味しそう! このお店に行ってみたい!」と出会いのあるドラマになっているので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

  • 『なにわの晩さん! 美味しい美味しい走り飯』出演ゲスト

■橋本さとし
1966年4月26日生まれ、大阪府出身。1989年、劇団☆新感線の公演でデビューを果たし、その後ドラマ、映画、舞台、ナレーションなど幅広く活躍。近年の出演作に、『イチケイのカラス』(フジテレビ)、舞台『千と千尋の神隠し』など。2023年は、NHK大河ドラマ『どうする家康』に出演しているほか、3月から上演中のミュージカル『おとこたち』、4月8日放送『旅屋おかえり「長野編」』(NHK)、4月22日放送『TOKYO MER〜隅田川ミッション〜』(TBS)、4月28日公開『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』、6月29日から東京・帝国劇場で上演される舞台『ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル』に出演する。
スタイリスト:中西永人(JOE TOKYO)、ジャケット:ボリオリ(アマン)、パンツ:ベルウィッチ、スニーカー:ペリーコ サニー(アマンオンラインストア)、問い合わせ先:アマン、アマンオンラインストア