現在31歳の吉谷だが、4歳の頃から子役としてドラマに出演するなどキャリアは長い。
「小さい頃からお芝居の仕事をしていたのですが、当時は仕事をしているという意識はあまりなかったんです。中学受験をしたので、中高はほとんど作品に出演することはなく、このまま引退して普通の仕事に就くんだろうなと思っていたんです。でもちょうど大学進学のとき、学校の先生に日大の芸術学部を進めていただいて、受験したらたまたま合格することができて。これも何かの縁なのかなと思って、もう一度お芝居の勉強をしようと思いました」
紆余曲折しながら、再度たどりついた女優という仕事。しっかりプロとしてやっていこうと思ったのも、大学入学がきっかけだったという。
「最初はうまくいきませんでした。たくさんオーディションも受けましたし、結果が伴わないことも当たり前のようにありました。でも一つ一つ作品を重ねていくうちに、また声を掛けていただくことも増えてきて、いまこの場にいられるという感じです」
そんななか、CMや人気ドラマでの演技が評価され、本作では九条美園役の石井杏奈と共にダブル主演を務めている。
「みんなをしっかりと引っ張りつつも、自分のお芝居にも集中しなければいけないという立場。現場の居方もすごく勉強になりましたし、こういう対立する役柄も初めてだったので、感情の出し方もいろいろ広がったような気がしました」
さらに先日最終回を迎えたフジテレビ系『忍者に結婚は難しい』にも、鈴木信之演じる草刈悟郎の幼なじみ・風富小夜役でレギュラー出演するなど、出演作は続く。
「とてもありがたいです。これからもどんどんいろいろな役に挑戦してきたいなと思っていますが、以前母から『どんなに仕事をいただいたとしても、地道にやるように』と言われたことをしっかりと肝に銘じて臨みたいです。周囲の人への感謝を忘れず、丁寧に作品に取り組んでいくことを大切にしていきたい」
おごらず侮らず――しっかりと芝居に向き合いながら、女優道を突き進む。
1991年9月26日生まれ、千葉県出身。4歳のときに子役デビュー。以降、女優としてドラマや映画、CMなどで幅広く活躍中。主な出演作品に、TBS日曜劇場『陸王』(2017)、TBS日曜劇場『グランメゾン東京』(2019)、日本テレビ『ハケンの品格』(2020)、BSテレ東『ハルとアオのお弁当箱』(2020)、読売テレビ・日本テレビ『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』(2021)、フジテレビ『忍者に結婚は難しい』など。現在放送中のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』にも出演。