凶悪な怪物「バグラナク」の暴威から人々を守るため、5人の「王様」が王鎧武装(変身)するスーパー戦隊シリーズ第47作『王様戦隊キングオージャー』。昆虫をモチーフとした戦隊ヒーローたちは、スマートかつ力強いスタイルと、剣を使った華麗で勇壮なアクションが魅力となっている。

放送開始記念のキングオージャー単独インタビュー、今回は、イエロー戦士となるカマキリオージャー/ヒメノ・ランを演じる村上愛花が登場。ヒメノは芸術と医療の国「イシャバーナ」を治める女王で、「我がまま」=自由で気品に満ちたふるまいが特徴の美女。その一方で、どんな状況にあっても人命を救うことに躊躇のない「医者」としての意識も高い、魅力的なキャラクターだという。ファッションモデルとしても活躍する村上に、スーパー戦隊ヒロインとなった現在の心境や、ヒメノという個性的な役柄をいかにして演じるか、強い意気込みを尋ねた。

  • 村上愛花(むらかみ・えりか) 2000年生まれ。福島県出身。2018年、ファッション雑誌『ViVi』創刊35周年記念・専属モデルオーディションでグランプリを獲得。ファッションモデルとして活動すると共に、ABEMA配信ドラマ『ブラックシンデレラ』(2021年)『ANIMALS-アニマルズ-』(2022年)などに出演。 撮影:大塚素久(SYASYA)

――きらびやかで高貴なヒメノ、クールでミステリアスなリタと、『キングオージャー』には2人の女性キャラクターが設定されていますが、村上さんはオーディションのときからヒメノ役のほうを目指していたのでしょうか。

台本を読ませていただいたとき、どちらかといえば私はヒメノだなと思っていました。2人でペアを組んで演技の審査に臨みましたが、リタの(平川)結月さんとご一緒したとき、すごくやりやすさを感じたんです。最終的に、私と結月さんのコンビが選ばれてとても嬉しかったです。オーディションの合間に「馬刺しが好き」という話題で盛り上がりましたし(笑)。緊張感とともに、楽しい時間を過ごしていたこともあって、撮影現場で結月さんと再会できて心からよかったと思っています。

――村上さんは子どものころ、スーパー戦隊や仮面ライダー作品をご覧になっていましたか。

『仮面ライダーW』(2009年)が大好きでした。あと、弟と一緒によく観ていたのは『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)。ずっと後になってから山田裕貴さんをテレビで拝見したとき、突然「あっ、あの人がゴーカイブルー(ジョー)だったの!?」って気づいてびっくりしたことがありました。

――ヒメノという役を演じるにあたり、演じやすい部分と難しい部分があれば教えてください。

モデル業をしていますので、そこで培った綺麗な「立ち姿」「歩き姿」を強く意識しています。得意というか、自分が出来ることはぞんぶんに、出し惜しみなどせず(笑)出していきたいと思っています。ヒメノは自分の思う「常識」が他人とズレているらしく、すべての物事において無邪気に接するところがありますけど、自分自身が無邪気というか、そういう人物像が好きなので、演じていてもハマりやすいです。

難しいところというと、気品を残しながら「可愛らしい」面を出すことでしょうか。強いだけではない、可愛い部分も見せる、バランスのとり方が難しいと感じています。常に突っ走っているだけでなく、落ち着いていることもある。状況の変化に応じて、ヒメノならここでどういう行動を取るかなって、上堀内佳寿也監督と相談をしながら撮影を進めています。

――女王自ら、人の命を救う「医者」として活動されている設定については、どう思われましたか。

ずっと人を助ける仕事に憧れていましたので、今回お医者さんの役を演じられることがとても嬉しいです。自分が「こうなりたい」という思いをキャラクターに投影できるので、今は「演じること」の楽しさを実感しています。

――ヒメノに振り回される、執事のセバスチャン(演:吉満寛人)をはじめとする側近の方たちのリアクションが面白くなりそうです。共演の方たちとのコンビネーションはいかがですか。

私や吉満さん、そして側近の方々、みんな「美術品が好き」という共通点があるんです。まさに、芸術と医療の国イシャバーナにピッタリなキャスティングだと思います。みんな、特に申し合わせたわけでもないのに自然に集まって、ここの庭園が美しい、ここに癒されるとか、この美術館はオススメだよ……みたいな話をしています。吉満さんはプライベートでも美術館や博物館によく行っていて、年間パスをお持ちだとうかがいました。イシャバーナのみんなとはいつもこんな感じで、楽しく過ごしています。