■初めてもらったラブレターは苦い思い出

――エッセイの中でも涙に関するエピソードが多数書かれていましたが、普段から涙もろいほうですか?

ふいにドラマとかを観て泣いてしまうこともあるんですが、“今日は泣くぞ!”と自分で泣く日を設定したりしています。ポロっとふいに泣いてしまったりすると、次の日の番組に目を真っ赤にして出演することになるんですよ(笑)。最近あったのは、Netflixドラマ『First Love 初恋』を観て、大号泣。次の日は目がパンパンになってしまって、“やられたぁ~!”と思いながら番組に出ていました(笑)。

――泣く日を設定するのは面白いですね(笑)。

一種のデトックスです! 最近泣いてないなぁ~とふと思ったりすると、泣いてないから調子が悪いのかと思って(笑)。休みの前日に泣けるドラマを観て号泣します。この方法はデビュー1年目のときによく泣いていた経験から編み出しました。

――また、そのほかエッセイの中で特に印象的だったのが、小学生時代の初恋エピソード。ラブレターをビリビリに破くという今の駒木さんからは想像できないお話でしたが、当時はどういった心境だったのでしょうか?

大人になった今は絶対にやらないです! これだけは言わせて下さい(笑)! 私も小学生でしたし、おてんばガールだったんでしょうね……。当時の心境はとにかく「恥ずかしい!」だったと思います。ラブレターをもらうというのも初めてで、投げるようにして渡されたので、“せっかく渡してくれるならもっとちゃんと渡してよ!”というのを言葉にできなかったんだと思います。「もうっ!」みたいなこと言いながら破いたら、一緒にいた友達は「えっ……」とドン引きして驚いていました(笑)。

小学校時代の友人たちとはなかなか会う機会がないので、もし同窓会があったら謝りたいですね……。許してくれるのかしら……(笑)。

■転機に訪れる人との“出会い”「大事にしていきたい」

――昔の話ですから水に流してもらいましょう(笑)。また、どのお話にも共通して、家族や友人、会社の方など“人”との出会いやその関係性が大きく影響している印象でした。駒木さんはご自身が執筆している中でどのように感じましたか?

おっしゃる通りで、今回執筆をしながら振り返ったときに、私は人との出会いに恵まれてきたなとつくづく感じました。多分、今回エッセイには書いていない、自分では気づいていないところでもたくさん支えられていたんだろうと思います。これから先の生活の中でも、自分に見えているものだけでなく、見えない部分でもより一層“人との出会い”を大切にしたいなと思います。

例えば、いつも『ウェザーニュースLiVE』では観てくださっている皆さんがリポートやメッセージを送って下さるんですが、これも1つの“出会い”ですよね。その言葉一つひとつに私も励まされるんです。「番組で元気もらって、受験がんばることができました」「試験勉強つらいけど、がんばれています」という言葉を見ると、“じゃあ私もがんばらなきゃ”と思えるんです。これからも大事にしていきたいです。

■キャスター5年目「“伝える”という仕事を細く長く」

――また、1年前のインタビューでは、「自分も先輩方のように(後輩を)支えていきたい」ともお話しされていましたが、後輩の皆さんとの交流は増えましたか?

そうは言っていたものの! 私の方が支えられちゃっているんです……大丈夫ですかね~(笑)。今、私の後輩は大島璃音ちゃん、戸北美月ちゃん、小林李衣奈ちゃんの3人。ゆっきー(内田侑希)は年齢が近いこともあって、後輩というよりほぼ同期と言う感覚なんです。私はみんなに色んな相談をするタイプなんですけど、年下ながらもすごくしっかりとした答えを返してくれたり、元気がないときに会うと、声をかけてくれていつも元気をくれるんです。支えられてばかりでどうしましょう……(笑)。

――駒木さんも知らず知らずに皆さんのことを支えてると思いますよ! そしてキャスター5年目を迎えて、以前よりもさらに自然体な姿で番組に臨まれているように見えますが、ご自身で感じる変化はありますか?

そういってもらえると嬉しいです。前回のインタビューでお話しさせていただいた肩の力が抜けてきたということもですが、感情表現をもっと素直にしようと意識しています。具体的になにか大きなきっかけがあるわけじゃないんですが、直接会ってお話しするのと、画面を通すのとでは伝わり方が違うなと、自分の出演番組を見返したときに感じたんです。なので自分が感じている楽しい、嬉しいということがもっと伝わるように意識しています。

あとは、以前よりもさらにリラックスして番組に臨むことができているので、ツボらなくなりました! 「ちゃんとやらなきゃ!」という方に意識を割いて真面目にやっていたときの方がよくツボっていて。最近はいい緊張感を保てているので全然ツボらないんですよ(笑)! そこは強くなったなと成長を実感しています。

――こういう話をしているとさらにツボらせようとしてくるコメントが増えそうですね(笑)。最後に澤穂希さんの「夢を恥ずかしがらない」という言葉に後押しされて、“伝える仕事”という夢を叶えた駒木さんですが、これからの夢はありますか?

夢と言えるような大きなものは、まだ考え中ですね……。ただ、今の“伝える”という仕事を細く長く続けていくということが、今の第1目標です!

  • 駒木結衣フォトエッセイ『空を結ぶ』(ワニブックス) 撮影:藤本和典

■駒木結衣
1996年6月9日生まれ、宮城県出身。趣味・特技は書道、映画鑑賞、ショッピング、旅行。愛称はゆいちゃん、もぐゆいなど。2018年、ウェザーニュースLiVEキャスターオーディションに応募し、合格した。檜山沙耶キャスターとは同期。1月27日に自身初のフォトエッセイ『空を結ぶ』(ワニブックス)を発売した。