――お互いを見て、演じる役にぴったりだと感じる部分や楽しみなところを教えてください。

重岡:真っ直ぐでピュアなところ、でも情熱があってハートフルなところがぴったりだと思います。

芳根:私は、北脇さんが真逆に見えるからこそ、重岡さんの新しい表情がたくさん見れるのではと楽しみにしています。『これは経費で落ちません』(19年、NHK)すごく好きだったんです。

重岡:あぁ! ありがとうございます!

芳根:今回は全然違う役ですが、胸に秘めた情熱は同じなのかなと思っています。

――楽しみなシーンを教えてください。

芳根:北脇さんの台詞が大変そうで……(笑)。

重岡:本当にそうなんです(笑)。

芳根:私はこの1・2年、“できる女性”の役が多くて、説明する側だったんです。説明を受ける側を演じるのは久しぶりなので、いかにお芝居でポップに消化できるかというところが、私にとって挑戦だと感じています。

重岡:僕は物の説明が苦手で。

芳根:物の説明ばっかりですよ(笑)。

重岡:論破されることが多くて。

芳根:論破する側ですよ(笑)。

重岡:そうなんです!(笑)北脇は「これがこうなったらこうなりますよね、だからおかしいですよね、何か間違っていますか?」と、言葉を使って相手をねじ伏せていくのですが、いつも「ぐぬぬ」と言わされている僕が言わせる側になる、普段の自分と逆の立場になれるのがお芝居の楽しさの1つですよね。ただ、昨年30歳になったのですが、悲しいことに年々台詞を覚えるのが遅くなってきている気がして。気持ちはまだまだ若いんですけどね……。

芳根:現場で一緒に台本を読みましょう。

重岡:いーや、絶対に覚えていく!(笑)時間を上手に使って頑張ろうと思います。

――今作で扱う“知的財産”について、面白さを感じた部分はありますか。

重岡:パクリとパロディの違いを聞いたとき、「なるほど」と思いませんでした?

芳根:自分でも調べてみたんです。そしたら、言ってることは理解できる、でも……! と、もどかしい気持ちにもなって。

重岡:煮え切らない部分がありますよね。

芳根:初心者である亜季もそんなところに引っかかっていくので、視聴者の方には、亜季と同じ目線で楽しく学んでいただけると思います。知的財産と聞くと難しそうなイメージを抱きますが、実はすごく身近なことなんです。ペットボトル1つとっても、作り方やデザイン、たくさんのジャンルの権利が詰まっていて。知ると次の日誰かに話したくなるような知識を得られる作品です。

重岡:僕はエンターテインメントのお仕事に関わらせていただいていて、感動してもらおう、震えてもらおうと、汗をかいて恥をかいてものづくりをしています。言わば作品は自分の一部。それを侵害されたり、認めてもらえなかったり、いろんなルールやしがらみで、自分や誰かを幸せにするはずのものがそうならなかったり。そんなことが起きたら悲しいですし、「これが世の中の決まりだ」と言われても「でも」と言いたくなりますよね。今、作品を通して学んでいるところですが、知的財産は、思っている以上に身近で良いテーマだなと実感しています。

■芳根京子
1997年生まれ、東京都出身。13年に『ラスト・シンデレラ』で女優デビュー。14年にNHK連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集め、15年『表参道高校合唱部!』でドラマ初主演。16年にはNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインを務め、以降もドラマ『海月姫』『チャンネルはそのまま!』『コタキ兄弟と四苦八苦』『君と世界が終わる日に』『コントが始まる』『半径5メートル』『真犯人フラグ』『オールドルーキー』、映画『累 -かさね-』『居眠り磐音』『記憶屋 あなたを忘れない』『Arc アーク』などに出演する。
■重岡大毅
1992年8月26日生まれ、兵庫県出身。06年10月にジャニーズ事務所に入所。TV、CM、ドラマなどで活躍し、14年にジャニーズWESTのメンバーとしてCDデビューを飾る。これまでの主な出演作品に、ドラマ『SHARK〜2nd Season〜』、『ごめんね青春!』、『これは経費で落ちません!』、『知らなくていいコト』、『悲熊』、『教場II』、『#家族募集します』、『雪女と蟹を食う』、映画『溺れるナイフ』など。公開待機作に映画『禁じられた遊び』(23年9月8日公開予定、W主演)がある。