――それは、今までの作品とどんなところが違っていて克服できたのでしょう。

やっぱり、アクション部の方たちのプロとしてのレベルの高さが大きいと思います。受けの演技がものすごく上手なんですよね。それに撮影の技術もレベルが高いので、自分がうまく見せてもらえてしまうんです。それで、「もしかしたら私、できるかも」という自信を持つことができました。舞台だと自分の実力がそのまま見えてしまうんですけれど、映像はカメラマンさんの腕で上手にできるように見せてくださっていたんです。

――でもそうやって自信をはぐくむ現場というのは、上達していくのにはものすごくいい環境かもしれませんね。

『キラメイジャー』に出会っていなかったら、アクションをやっていなかったと思います。ましてや自分から「やりたい」と提案するようになるなんてとても考えられませんでした。アクションが楽しくなったことで、役者としての幅も広がったと思っています。できないってあきらめるんじゃなくて、とにかくやってみることって大事だなと思いました。

――ヨドンナというキャラクターを作り上げる上で、大きく影響を受けた方を一人挙げるとするなら?

ヨドンナの初登場回を撮っていただいた山口恭平監督でしょうか。初登場回も最終回も山口監督だったんです。山口監督は初めてのホン読みから付き合っていただいていました。キャラクターもそこまでガチガチに決まっていたわけではなかったので、監督からも演じていくなかでみんなで定着させていこうと言っていただいていました。いまのヨドンナを形成していく方向性にもっていってくれたのは、やっぱり山口監督なのかなあと思います。

――そういう定まっていないキャラクターを作っていくところの面白さは感じましたか?

最初のうちはどうしたらいいのかわからず、どうにかキャラを確立させるために考えすぎてしまうこともありました。でも長期間にわたって同じ役を演じるということは、それだけチャンスがあるということなので、いろんな演技の仕方やアクションを試すことができて、みなさんの前に出して、ちょっとずつヨドンナができあがっていきました。普通のドラマだと、撮影現場までに役を固めて、完璧に仕上げてからお見せしなければならないと思うんですけど、『キラメイジャー』では1年をかけて役と向き合うことができ、一体化ではないですけれど少しずつヨドンナに近づいていって、私自身もどんどんヨドンナのことが好きになっていきました。

――キラメイジャーのみなさんとは交流は続いているのでしょうか。

近況報告を兼ねて連絡したり、みんなで会うこともあります。「ヨドンナ」続編が決まったよって報告したら、みんな出たがっていました。つい先日も、工藤美桜ちゃんの誕生日が10月だったので、「誕生日会をさせてください!」とLINEを送ったばかりなんです。新條由芽ちゃんとはファッション誌の撮影で共演して、やっと連絡先を交換できました。女の子会もやりたいねと話しているのですが、みんな忙しいのでなかなかタイミングが合わずに実現できていません。

――やっぱりハードな撮影を1年間にわたって乗り越えると絆も強まるという感じなのでしょうか。

いや~私の場合はちょっと違うかもしれません(笑)。キラメイジャーのみんなはそうだと思うんですけれど、私はあまり撮影時間がかぶっていなかったので一緒にいる時間はあまりなかったんです。ヨドンナは変身後の姿と戦うことが多かったので、スーツアクターさんとのほうが交流は多かったんです。キラメイジャーチームとは撮影期間が終わってから仲良くなった感じです。

――あらためて、『ヨドンナ』新作への意気込みをお聞かせください。

(2022年10月時点では)まだ台本もいただいてなくて、さっきプロデューサーから断片を聞いた以外は何も知らないんです。『ヨドンナ2』までのストーリーでは、ヨドンナは「喜怒哀楽」を学べば現世に復活できるということだったんですけれど、ズルしちゃったので復活できなかったんです。でも、愛情を覚えたら復活できるというルールは『2』のラストで示されたので、おそらく新作でヨドンナは愛を学ぼうとするストーリーになっているんじゃないかなと。

本編25話で登場した時から為朝くんとは何かあるんじゃないかと思わせて、結局1ミリもなびかなかったヨドンナです。果たしてこれからの展開で為朝に落とすことができるのか? そんなところも気になります。正直本当にどういう話になるのかわからないので、ファンのみなさまと同じ気持ちで私も楽しみにしています!

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