――映画で活躍する新ヒーロー・ウルトラマンディナスの印象はいかがでしたか?

どうしてもデッカーと比べてしまうので、最初は「紫とグレー、めっちゃシンプルなカラーリングだな……」という感想でした(笑)。ディメンションカードで怪獣の力を引き出して戦うなんて、カッコいいし、凄い!と感心しました。

――テレビシリーズと一味違う、映画ならではのスペシャルな要素には、どんなものがありますか。

特撮シーンの迫力が凄いです。冒頭でディナスが宇宙人たちから逃げるため、空間をワープするところなんて、テレビシリーズに増して手のこんだ映像表現で、カッコいいな~と思っていました。あとは、イカルス星人によって異次元空間に連れてこられたカナタたちが力を合わせて脱出を試みるシーン。武居正能監督から「こんな感じになるよ」と見せていただいたCG映像が凄くて、スケールが大きいな!と感動しました。異次元空間ではリュウモンやイチカも大活躍しますが、カナタにもすごい見せ場がありますので、期待していてください。

――撮影で、特に熱が入った部分はどんなシーンですか。

強敵に立ち向かい、カナタが激しい感情を表しながら「叫ぶ」シーンです。半年にわたるいろいろな出来事を思い出しつつ、これが僕にとってほんとうに最後のウルトラマンの撮影なんだな……と、心の炎をメラメラ燃やして取り組みました。武居監督も「これがラストだから、行くぞ、気合い入れて!」と元気づけてくださいました。セルジェンド光線を発射するポーズを取ったとき、感極まって泣きそうになったのですが、グッとガマンしました。

――撮影がすべて終了した瞬間のお気持ちはいかがでしたか。

オールアップです!の声が聞こえたとき「肩の荷が下りた」という気持ちになりました。撮影中はずっとプレッシャーを感じていなかったと思っていましたが、実は無意識のうちに感じていたみたいです。これで終わったのか……という寂しさよりも、無事に終わることができてよかった!という達成感が強かったです。嬉しかったのは、GUTS-SELECTのみんなと加弥乃さんがオールアップの瞬間をお祝いしてくださったこと。みなさん先に撮影が終わっていたのに、僕のために待っていてくださったんです。佐江さんがハネジローを抱えて、さらにウルトラマンデッカーも来てくれて……。みんなと一緒に作り上げた作品という思いが強かったので、本当に感動しました。

――『ウルトラマンデッカー』に出演する以前と後で、松本さんのウルトラマンに対する見方が変わったりしましたか。

子どものころはウルトラマンと怪獣の戦いばかりに興味が行っていて、人間のドラマ部分をそんなに意識していませんでした。でも『ウルトラマンデッカー』でカナタを演じたことで、登場人物ひとりひとりが熱いドラマを背負って、未熟な状態からどんどん成長していくドラマがとてもいいなと思うになりました。『ウルトラマンデッカー』では、デッカーが単独で怪獣を倒すだけじゃなく、GUTS-SELECTの仲間たちと力を合わせて勝利を掴んだり、困難を乗り切ったりするところが魅力です。怪獣に挑む人間たちのドラマが、いかに大事なのかを理解しました。

――映画の中で、特に気に入っているシーンを教えてください。

カナタがデッカーに変身するシーンです。テレビシリーズ最終回でカナタはウルトラDフラッシャーを失い、もうデッカーになることができないはずなのに、なぜふたたび変身することができるのか、その経緯を観ていただきたいです。僕のお気に入りは、カナタに続いてディナスとGUTS-SELECTのみんながデッカーを象徴する言葉……「輝け」を叫ぶところ。キャスト・スタッフのみんなが思いをひとつにして、力を込めて作り上げた熱いカットです。

――最後に、『ウルトラマンデッカー』を愛してくれたファンの方たちへ、松本さんからメッセージをお願いします。

大きなスクリーンで観るウルトラマンと怪獣のバトルは迫力がものすごいので、ぜひファンのみなさんには劇場へ足を運んでもらいたいです。影山ヒロノブさんの歌う主題歌「ソラノカナタヘ」も本当にいい曲ですし、たくさんの方に聴いていただきたいと思います。ウルトラマンデッカー最後の戦い、そしてカナタと仲間たちの頑張りを応援してください!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京