――村山優香さん演じるイチカとの熱い友情がみなぎるシーンは、心に残るものを与えてくれます。見た目の可憐さとは反対に、怪獣や宇宙人に挑んでいく勇敢な女性という意味では、お2人には似た雰囲気を感じましたが、撮影中の様子はいかがでしたか。
優香ちゃんとは、ずっと女子トークをしてました(笑)。ある日、ご飯を食べたあと、私と優香ちゃん、大輝くんと伸永くんに分かれて歯磨きをしに行ったんです。そうしたら、私たちの話す声が大きすぎて2人から「仲いいね~」って言われたんです。もう、以前から知り合いだったっけ?って思えるくらいお互い打ち解けられて、いっぱいお話をしてくれました。嬉しかったです。
――大人チームというべき、ムラホシ隊長役の黄川田雅哉さん、カイザキサワ役・宮澤佐江さんとも共演されました。お2人の印象についても聞かせてください。
黄川田さんは天才的に面白い方でした。もう、黄川田さんが何か言うたびにゲラゲラ笑っていたんです。周りのみんなはテレビシリーズの半年間で、隊長の面白さに免疫ができていたのか、リアクションが薄いんですよ(笑)。最初は、私たちに合わせてギャグを言っているのかなって思っていたら、ぜんぜんそんなことなくて、ご自身で現場を楽しんでいるのがとても素敵に思えました。あと、黄川田さんからグミをたくさんいただいたのが印象的でした。この撮影が終わってからも、グミが好きになりましたから(笑)。
佐江ちゃんとはAKB48で2年間、ずっと一緒に活動していましたし、卒業後もよく舞台を観に行っていましたから、ウルトラマンの現場でご一緒できたのはすごく嬉しかったです。私が初めて撮影に入って、ガチガチに緊張していたら、そんな空気を佐江ちゃんが察してくれて「私も最初は緊張したけど、大丈夫!」って優しく励ましてくれました。そのとき、昔からぜんぜん変わらない素敵な「お姉さん」だなあって思いました。撮影最終日は一緒に帰ることができ、思い出話をして盛り上がりました。
――ベムスターやザンドリアスなど、歴代ウルトラ怪獣の能力を引き出して敵と戦うディナスですが、中村さんのアクションが決まっていて、懸命に戦っているという印象を強めてくれます。アクションはもともとお得意だったのですか。
金子修介監督の『少女は異世界で戦った』(2014年)に出演したとき初めてアクションを経験したのですが、これがきっかけとなってアクションに目覚め、アクションチームの道場で練習をするようになりました。ここ数年はコロナ禍の影響でお休みしていましたが、本作の撮影に入るにあたり、練習を再開しました。その成果は画面にも表れていると思います。
――今回はペダン星人やゼラン星人、バド星人など、不気味な外見をした敵の宇宙人ばかりでしたが、戦っているとき怖かったですか?。
初対面のときはちょっと怖いなと思いましたけど、戦っているときは夢中で、気にしていられません(笑)。今回の撮影で改めて、アクションというのは自分と相手の「信頼」なくして成り立たない作業だなと痛感しました。一歩間違えば大怪我をするかもしれないですから、お互いの動きを信じ、息を合わせることが大切なんです。
――アクションシーンで、特にお気に入りがあれば教えてください。
共演の方たちやスタッフさんから褒めてもらったのは「蹴り」でしたね。最初のシーンでディナスが暗闇の中で複数の宇宙人と戦うところは、あとで映像を観ながら「ああ、よく頑張ったなあ……」なんてしみじみ思いました(笑)。
――映画にはいろいろな怪獣・宇宙人が登場し、大暴れします。中村さんのオススメキャラクターを教えてください。
たくさん怪獣が出てくるんですけど、ペダン星人が操る「キングジョー」が好きです。合体・分離するときに姿勢をまっすぐ正すじゃないですか。あの仕草がかわいくて、たまらなかったです(笑)。
――最後に、『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』の配信&劇場公開を楽しみにしているファンのため、中村さんから見どころをお聞かせください。
ウルトラマンシリーズは、先輩ウルトラマンから後輩ウルトラマンへと「光」のバトンをつなぐことによって、長い歴史を作ってきました。今回の映画でも、大切な仲間、愛する人々を守るため、「光」の絆が受け継がれる瞬間が観られると思います。ウルトラマンの魅力が詰まった作品ですので、たくさんの人たちにご覧いただきたいです!