福岡放送(FBS)のバラエティ番組『地元検証バラエティ 福岡くん。』(毎週日曜12:35~)のスペシャル版『福岡くん。東京におジャマしますSP』が、FBSと日本テレビの同時ネットで12日(14:00~ ※FBSは12:35から枠拡大)に放送される。

「福岡の醤油」「福岡県民溺愛の駅弁」など、ニッチすぎるローカルネタを検証し、「福岡県民以外は1ミリも面白くない」とまで言い切っている番組だが、日テレが系列局とともに番組を作り上げる「共創プロジェクト」の第1弾として、東京デビューを果たすことになった。

スタッフ全員が青天の霹靂と言っても過言ではない今回の取り組みに、ご多分に漏れず不安を抱えての収録に臨んだのは、MCの斉藤優(パラシュート部隊)と伊藤舞アナウンサー。本番を終えての心境や番組の魅力、そして図らずも東京での仕事が続くことについて、話を聞いた――。

  • FBSの伊藤舞アナウンサー(左)とパラシュート部隊の斉藤優

    FBSの伊藤舞アナウンサー(左)とパラシュート部隊の斉藤優

■小峠担当になった元マネージャーとまさかの再会

――東京進出を最初に聞いたときの感想はいかがでしたか?

斉藤:いや、シンプルに「ウソだ」と思いました(笑)。本当にありがたいことに、福岡ではお年寄りの方から子どもまでみんなで見てるっていう声がめちゃくちゃ入ってくるんですよ。最近あんまり家族でテレビを見るというのがなくなってきてる中で、福岡での体感はすごいんですけど、東京でやるっていうのはまた別じゃないすか。一番、やっちゃダメな番組だと思っていたので。

伊藤:本当にそうですね。

――それはなぜですか?

斉藤:本当に福岡のことしかやらないんですよ。「福岡県民以外は1ミリも面白くない」って言ってるんですから。

伊藤:いまだにドッキリなんじゃないかって、20%くらい思ってます。

斉藤:さっきポスターの撮影があって、その様子をカメラで回してたんですよ。だから、ここで「ネタばらし」かなと思って。それにしても、ゲストがバカリズムさんと小峠(英二)さんというのは、贅沢すぎるなと思って。

伊藤:ドッキリにしては壮大すぎるなと思いつつ。

斉藤:(最初に聞いたとき)マジで普通のテンションで、「なんで?」って聞きましたからね。「日テレさんのほうから面白いと言っていただいた」と聞いても、「本当なのかな?」って。今もどういう経緯でなぜやることになったのか、よく分からずに不安をリュックに入れて飛行機に乗ってきた感じです。

――実際に収録が終わりましたが、いかがですか?

斉藤:すごくいい手応えと、スタッフが肩ぐるぐる回してる感じをバカリズムさんと小峠さんがちゃんと制してくれたんで、ちょうどいい温度にはなってると思うんですけど、放送がどうなっているかは、ちょっと分かんないですね。

伊藤:福岡県で流す番組しか作ってきてないスタッフなので、東京向けに頑張ってはいたものの、大丈夫でしたかね?

斉藤:うちのスタッフ、僕も含めて地元球場じゃなかなか打つバッターなんですけど、極端にアウェーに弱いんですよ(笑)。でも、その辺はゲストのお二方がいいフィルターになって、いい意味でちょっと荒々しくて、優しいという福岡県民や福岡という土地の面白みがお伝えできたのではないかと……でも、こればっかりは分かりません。

伊藤:そうですね。OA当日まで我々もドキドキですよね。ただ、ずっと福岡にいると福岡の中では当たり前っていうことがたくさんあるので、そういうところを今回、東京の方に知ってもらえるというのは、うれしいです。

――バカリズムさんはレギュラー放送にもゲストにいらっしゃっているということですが、小峠さんと共演するのは久しぶりですか?

斉藤:もう僕は20年ぶりですね。元々同じ事務所(ワタナベエンターテインメント)だったんですけど、今はもうテレビで見る立場になりましたから。でも、一緒だった頃は小峠さんが福岡出身だって知らなかったんで、こうやって福岡の番組で一緒になれたのは、すごくうれしかったですね。それと、僕らの元マネージャーが、今小峠さんの担当なんですよ。なんだったら、マネージャーとの再会が、一番感慨深かったです(笑)

伊藤:収録でカメラが止まるタイミングになると、小峠さんが優さんに敬語で話しかけていて、不思議な感じがしました。

斉藤:この番組を東京でやるにあたって、まず皆さんが僕らのことを知らないところからスタートするわけじゃないですか。小峠はワタナベでは後輩だったんですけど、やっぱり知らない奴のほうが敬語を使われるのはややこしいということで、本番では僕から敬語にしたということですね。

  • (左から)伊藤舞アナ、斉藤優、バカリズム、小峠英二

■果敢に攻める街頭インタビュー「僕らもちょっと怖い」

――東京で放送するにあたって、いつもと違う部分はありましたか?

斉藤:福岡でやってるときと全然変わらなかったです。「東京だから…」ってちょっとよそ行きの野球をすることもなく、本当に「味1個」しかできないんだと思いました(笑)

伊藤:東京の方々に街頭インタビューするときも、グイグイ行ってましたよね(笑)

斉藤:東京の人に「どげんですか? 福岡」って言いふらしてる感がすごかったですよね。

―― 一般の方への街頭インタビューは、どれも果敢に攻めるなという印象がありました。

斉藤:そうですよね、僕らもちょっと怖いですもん。ただ、あれは東京だからというアピールではなく、福岡でも「もうせんでいいことする」って感じなんですよ。ジャーナリズム精神って言ったらいいのかもしれないですけど。

伊藤:他の番組だと立ち入らない、もう一歩先まで踏み込んでいるからこそ、『福岡くん。』ならではの目線が生まれたり、福岡県の人たちにも新たな魅力に気づいてもらえたりというところがあると思います。

斉藤:掘っちゃダメなとこまで掘ることがありますからね。本当に僕もいろいろ番組やってるんですけど、ここのスタッフは情熱というか、労力がすごいんですよ。ちょっと取り憑かれたように、「面白いものを作りたい!」っていう思いがあるんで、そういうのが全国に伝わるといいなと思います。

  • (C)FBS

――ロケのVTRは、現場に行って掘って掘ってたどり着く感じがすごかったです。

伊藤:私たちもわりと福岡の情報番組にずっと出ているので、大体のことは知っているはずなのに、毎回知らないことが『福岡くん。』には出てくるんですよ。

――ナレーションも独特のトーンだと思いました。

伊藤:大田こぞうさんという方で、『福岡くん。』の視聴者には、あのナレーションのファンっていう方もかなりいらっしゃるんです。

斉藤:あれも味の1つですね。