2021年から2022年にかけて放送された特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』の“その後”の物語として、Vシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』が2月10日より期間限定上映される。

  • 小松準弥(こまつ・じゅんや) 1993年生まれ、宮城県出身。2013年、第13回「FINEBOYS」専属モデルオーディション2013 グランプリ受賞。2016年「ツキプロ Music Grand Prix 2016」に合格し、ツキノ芸能プロダクション 新人養成プロジェクト「ツキクラ」メンバーとして活動開始。2021年、『仮面ライダーリバイス』門田ヒロミ役でテレビドラマ初出演を果たし、好評を博す。 撮影:大門徹

本作の主役を務めるのは、平和維持組織「ブルーバード」で日々奮闘する五十嵐大二/仮面ライダーライブ(演:日向亘)と、彼の中に潜む悪魔カゲロウ/仮面ライダーエビル(日向二役)、そして弱き者、虐げられる者を救うため全身全霊をかけて戦う門田ヒロミ/仮面ライダーデモンズ(演:小松準弥)。かつてヒロミは危険なベルト=デモンズドライバーを使ったため肉体に多大なダメージを受けたのだが、そんな彼がいかにしてデモンズへの変身を可能にしたのか、その経緯にも注目したい。また本作では、ヒロミそっくりの姿をした謎の男ムラマサが登場し、ヒロミと激しく対立するスリリングな状況も用意されている。

映画公開を記念し、ヒロミ/ムラマサの2役を演じた小松準弥に単独インタビューを敢行。守るべき者に優しいほほえみを投げかけ、倒すべき敵には闘志をむき出しにする王道的ヒーローのヒロミを魅力的に演じてきた小松が、今回は真逆というべき冷酷・邪悪のイメージを備えるムラマサをどのように表現したのか。1年以上にわたり『仮面ライダーリバイス』という作品を一緒に築き上げてきたキャスト陣や、熱く応援してくれたファンへの感謝の気持ちや、日向亘とダブル主演を務めた本作にかける強い意気込みを語ってもらった。

――まずは、小松さんと五十嵐大二役・日向亘さんとの「ダブル主演」作品が決まったときのお気持ちから聞かせてください。

テレビシリーズ最終回の撮影が終わったあと、すぐ本作の撮影が始まるというスケジュールでしたから、『リバイス』の物語を僕と日向で引き継ぐぞ!という覚悟とプレッシャーを感じていました。(前田)拳太郎が1年間『リバイス』の主役として頑張ってきたから、今度は俺たちに任せてくれ!という気持ちでした。

――今回登場する、ヒロミと同じ顔をした「ムラマサ」は、ヒロミとは真逆でどこか近寄りがたい印象があります。

ムラマサの役作りについては、坂本浩一監督と望月卓プロデューサーと一緒に、どういう方向性でいくか話し合いました。台本を読むと一人称が「僕」で、ちょっと子どもっぽい印象があり、そこにサイコパス的な怖さを出してみたいと僕のほうから提案させていただきました。話し合いの結果、人間味のない無機質な要素を含んだキャラクターとして、ムラマサの役が固まっていきました。僕にとっては、ムラマサの武器が「刀」という部分がうれしかったですね。刀を使ったアクションをずっとやりたかったのですが、テレビシリーズや映画ではチャンスがなく、本作でようやく願いが叶いました。そんなこともあって、特別な思いを込めてムラマサを演じています。

――ムラマサがいかにして誕生したか、という部分にも興味が持たれます。小松さんがムラマサを演じる際、ヒロミ的な要素は盛り込まれていましたか。

ヒロミとの差別化というよりも、ムラマサという新しいキャラクターをどう演じようか、目的や性格を追いかけ作っていくうちに、ヒロミとかけ離れたサイコパス的キャラになっていった感じです。顔や姿がそっくりなので、何か浅からぬ関係だと考えられますが、まったくの別人に見えていればいいなと思います。

――日向さんと小松さんとのデュエットで歌われているオープニングテーマ「Come Alive」に合わせ、お2人がボクシングのスパーリングをしているPV映像が見られました。今回の曲を歌ったご感想や、ボクシングシーンについてのお話を聞かせてください。

日向とパンチを打ち合って、男同士の熱さを前面に押し出した映像になっていると思います。歌もすごくいいでしょう。以前に収録したキャラソン「Without you」(歌:五十嵐一輝/前田拳太郎・門田ヒロミ/小松準弥)はバラード調だったけど、もっと激しいロックナンバーも歌ってみたいと思っていたんです。日向とのダブル主演でスピンオフを作ると聞いたとき、2人で歌うテーマ曲とかあったらいいねと話していましたから、今回実現してすごくうれしかった。日向とはよく2人でカラオケに行って盛り上がっていたので、「Come Alive」もすごく楽しく歌うことができました。

――お話をうかがっていますと、小松さんがずっと『リバイス』の中でチャレンジしてみたかったことが、今回のVシネクストで次々に叶っているような気がしますね。

本当に、幸せな瞬間をたくさん感じさせていただきました。チャレンジといえば、日向の大二&カゲロウの芝居を見ていて、僕も2役をやってみたいとか、デモンズにふたたび変身して、しかも強化フォームになりたいとか、密かに思っていたことが本作で実現して、こんなにうれしいことはありません。

――ヒロミと行動を共にする少女・留美の存在も本作を語る上で重要です。ヒロミは留美から「おじちゃん」と呼ばれてちょっと嫌がっていましたが、実際、小松さんはまだおじさんの年齢ではないですよね。

劇中でもヒロミは「おじちゃんって……」みたいに抵抗を感じていましたが、僕自身は、中学生の(芹沢)凜ちゃんから見たらそうなのかなあ、って「おじさん」と呼ばれることに馴染んできました(笑)。SNSでも、第1話の放送時にヒロミが「変身失敗おじさん」と呼ばれてトレンドワードに入ったじゃないですか。そのとき大勢の方たちからイジってもらったのは、役者としてありがたかったです。仮面ライダーファンのみなさんがいう「おじさん」は親しみがこもった呼び名だと、ポジティブに解釈しています(笑)。