――日向さんにとって小松さんは、役を離れても兄貴的な存在だったのですね。

10歳離れていますから、年齢の離れたお兄さんという感じでした。僕だけでなく、テレビシリーズの撮影中は若いキャストみんなから慕われていました。

――劇中では、兄の五十嵐一輝からリバイスドライバーを託され、大二とカゲロウが新しい「変身」を行います。本作での変身ポーズについて、どんなこだわりがありましたか。

せっかく兄ちゃんが貸してくれたリバイスドライバーを使うわけですから、変身ポーズをまったく違うものにすると物足りないし、かといって丸パクリすると大二&カゲロウの特色がなくなってしまいますから、ここでの変身は自分なりに考えました。最終的に、大二の変身ポーズを崩すことなく、兄ちゃんのマネを少し入れる(笑)というポーズを固めていきました。

――仮面ライダーライブマーベラス、仮面ライダーエビルマーベラスをご覧になったときの印象を聞かせてください。

カッコいいなって思いましたよ。まさかボディカラーにピンクが入るとは……(笑)。これってやっぱりリバイスドライバーの影響なんでしょうね。

――ライブとエビルが戦っているときのかけ声も、それぞれ別個にアフレコするとなると大変かと思いますが、声だけでも大二らしさ、カゲロウらしさが伝わって、とても良かったです。

2役の芝居と同じく、アフレコもこの1年間ずっとやってきましたけど、何度やっても難しいんですよ。テレビシリーズのとき、たくさん悩んだり、周りの方たちからアドバイスをいただいたりして、自分の中で「こうだ」という形を作り上げていった結果、現在の芝居ができたといえます。すべては、僕を支えてくださったみなさんのおかげです。

――殺伐としたアクションシーンとは対照的に、みなさんで遊園地に行って楽しく遊ぶシーンがあるとうかがいました。ジェットコースターやメリーゴーランドに乗ったご感想はいかがでしたか。

ジェットコースターがめっちゃ楽しかったです! あのシーンの僕は演技をしていません。ほとんど素の状態でした(笑)。撮影前にカメラテストがあり、そのとき「乗りたい人は乗ってもいいよ」と言われたので、喜んで乗っていました。テレビシリーズでは、あんなに大勢で遊園地へ行って遊ぶなんてことなかったので、すごく楽しい思い出になりました。

――エンディング曲「Love yourself」をメインキャスト8人のユニット(#ナイスファミリバ)で歌い、こちらでもPV風映像を撮影されています。

エンドロールでのPV映像も、ほとんど普段の日向亘でした。こちらのPV撮影も楽しかったです。キャラソン「Mirage Mirror」も歌わせてもらって光栄だったんですけど、芝居だけでなく歌に悩まされるとは思いませんでした(笑)。歌うのは好きですが、人前で披露するとなるとそれなりのクオリティにしないといけませんから。

――2022年秋に行われた『仮面ライダーリバイス ファイナルステージ&番組キャストトークショー』では、全国各地の『リバイス』ファンから熱い応援を受けたと思います。客席でウチワやペンライトを持って応援されているファンのみなさんの姿は、ステージから確認できるのでしょうか。

よく見えます。客席を見渡すと、ツーサイドライバーを身に着けているお子さんの姿があったりして、すごく元気をもらいました。あの子たちにとって僕(大二)はヒーローなんだから、その夢を壊さないよういつまでもヒーローの自覚を持ち、生活していこう!と気を引き締めています。

――もし10年後、ふたたび五十嵐大二&カゲロウを演じてほしいというオファーがあったら、日向さんはどんな「2人」を演じたいですか?

10年後、大二がどこで何をしているかはまったく想像もつきませんが、もしも再び大二とカゲロウを演じる機会があれば、10年という歳月を感じさせないくらい、今と変わらない距離感でいてほしいなと思います。慣れあっているわけでもなく、仲が悪いわけでもなく、ずっと一緒にいる双子の兄弟みたいな関係でいてもらいたいです。

――改めて、大二とカゲロウという2つの役柄をおひとりで演じられたことについての思いを聞かせてください。

大二とカゲロウは、ひとつの心を共有する2つの生き物……人間と悪魔ですよね。根底に持っているものは同じですけど、別々の人格を備えている。それぞれを演じるにあたっては、「同じ」だということを意識せず、まったく違うキャラクターとして表現するよう努めました。Vシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』では、ヒロミと対をなす危険な存在=ムラマサが出てきたことにより、大二とカゲロウの関係性に大きな変化が起きるかもしれません。ぜひ劇場でお楽しみください。

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