――本作で描かれた大河ドラマ第1作のときの撮影方法や表現方法で驚いたことは?
生田:当時は機材が立ち上がるのに時間がかかるから、本番30秒前から数えるんです。あれはドキドキしますね。じーっと待っている30秒は地獄みたいに緊張します。
阿部:桜田門外の変のシーンがあるのですが、雪に見立てるためにみんなで白い布を持って走ったんです。それがすごく楽しかったです。
――本作でお二人が共演した感想をお聞かせください。
生田:笑いも取れるオールラウンダーな阿部サダヲさんは憧れの人で、ずっとご一緒したいと思っていたので、ガッツリご一緒できるのはとてもうれしく、毎日楽しかったです。阿部さんはセリフ覚えが異常に早いですし、絶対にセリフを間違えない。どういう風に覚えているのか聞いたら、“写真を撮ったように入ってくる”とおっしゃっていて、なるほどなと思いました。
阿部:初めてガッツリ一緒にやれてうれしかったです。すごく勘のいい人で、笑いもできるし、一緒にやっていて間が好きな感じがしました。そこにうるさい矢本悠馬(山岡の後輩・大江育間役)が入って、3人で楽しかったです(笑)
――上司・成島役の中井貴一さんのお父様は、本作で七之助さんが演じる佐田啓二さんですが、中井さんとの共演はいかがでしたか?
生田:初めてご一緒しましたが、品があって華があって色気があって、何よりも腕があって圧倒されました。緊張しましたが、ご出演してくださってすごくうれしかったですし、ご一緒することができて宝になりました。
阿部:ご一緒できたのはうれしかったですし、お芝居していても受け止めてくださって、すごくありがたかったです。佐田啓二さんのお話もお聞きできて、勉強になりました。
――佐田啓二さん役の七之助さんとの共演の感想もお聞かせください。
生田:同じ高校に通っていて彼が1つ先輩で、そのときからなので旧知の仲ですが、中井貴一さんのお父様である佐田さんの役をされるということで、責任感を抱えていらっしゃるなと感じました。中井貴一さんが、佐田さんが実際につけていた形見の腕時計を役作りに使ってくださいと七之助さんに託し、七之助さんはずっと時計をして撮影されていたのですが、重みを非常に感じられたのではないかなと思います。
阿部:佐田啓二さんはそういう人なのではないかなと思わせてくれる七之助くんの芝居はよかったですね。落ち着きがあって、ウイスキーを飲ませてくれる感じがありました。
――七之助さんとは現場で話も?
生田:一緒のシーンもあったので。昔から映像のお芝居に対して自分はちゃんとできているのか不安を抱えていらっしゃって、それが、佐田啓二さんがテレビの世界に初めて踏み込む怖さ、ワクワクする気持ちと重なって見えた気がしました。
阿部:七之助くんが歌舞伎の演目を2日くらいで覚えないといけないということがあって、本当に覚えてやったと聞いて、上には上がいるとわかりましたし、そういう人がいるからみんな大変になるんだろうなと(笑)
生田:そうなんですよね。あの人はやれたって聞くとやらないといけなくなるから(笑)
――最後に視聴者にメッセージをお願いします。
生田:テレビが今変わろうとしているときに、テレビの価値を高めるために奮闘してきた人たちを描いたドラマを作ることにすごく意義を感じているので、皆様に楽しんでもらいたいですし、実際に『花の生涯』を見ていた世代の方々にどう伝わるか楽しみにしています。
阿部:『花の生涯』をカラーにするという取り組みがありまして、このドラマの翌日に放送されます(『カラーでよみがえる!大河ドラマ第1作「花の生涯」』2月5日16:30~17:29)。けっこう迫力がありました。ぜひ見ていただきたいです。
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