MBSドラマ特区枠にて放送中のドラマ『あなたは私におとされたい』(毎週木曜24:59~)でドラマ初主演を果たしたモデル・女優の鶴嶋乃愛。『仮面ライダーゼロワン』でヒロインを演じて注目を集め、その後、女優として経験を重ねている鶴嶋が、本作では小悪魔女子を熱演している。鶴嶋にインタビューし、本作での役作りや女優業への思いなど話を聞いた。

  • 鶴嶋乃愛 撮影:蔦野裕

マンガ配信サービス「サイコミ」にて連載中の人気漫画『あなたは私におとされたい』を実写ドラマ化。“絶対に不倫しない男”と“絶対に不倫させる女”の駆け引きを描き、リアルな社会問題を通じて夫婦の在り方を問う。“絶対に不倫させる女”立花ノア役を鶴嶋乃愛、ノアに翻弄される“絶対に不倫しない男”相澤直也役を村井良大、直也と社内結婚し同じ会社で働く妻・夏菜役を宇垣美里が演じている。

――ドラマ初主演の感想からお聞かせください。

初めての主演ということですごく緊張感があり、周りの方が「座長だね」と言ってくださる言葉でドキドキしてしまいましたが、2022年は同世代の方とご一緒する作品が多く、『あなおと』で久しぶりに私が最年少という現場になり、年上のお兄様お姉様に助けられて乗り越えることができました。

――座長として意識したことはありますか?

私はすごく人見知りで自分から話しかけるのが苦手なのですが、立花ノアちゃんは登場人物全員にグイグイいく攻めた役で、共演者の方々との距離を近づけておかないとそういうお芝居ができないと思ったので、役にも助けられていつもの現場より皆さんとお話しすることができたと思います。

――立花ノアを演じる際に意識したことを教えてください。

立花ノアちゃんはかわいくてスタイルがよくて、登場人物みんなが落ちてしまう魅力的なキャラクター。そんなノアちゃんを演じる上で気を抜いてはならないと思い、お休みの日もメンテナンスを欠かさないようにしました。

――普段のお手入れとは違うことをされたのでしょうか。

作品に入っている間はなかなか時間がとれないですし、学生の役だとメイクをばっちりすることもないのですが、今回の作品ではまつ毛の一本一本まできれいに。目元や口の寄りが多く、ノアちゃんの魅力を繊細に監督が映してくださったので、肌のケアも怠らないようにして、隙のないかわいさを表現することを意識しました。

――役を通して女子力が上がりそうですね。

そうかもしれません。表に立つ人間としてはこれが本来あるべき姿なのかなと。普段からしっかりやらないといけないんだよって、ノアちゃんにたたき起こしてもらったような感覚です(笑)

――ご自身と役との共通点や共感したポイントはありますか?

「好きと欲しいは別物」というセリフがありましたが、私は真逆で「好きと欲しいは一緒」だと思うタイプの人間なので、考え方は違う部分がすごくありましたが、「人は大事にしてくれる人を大切にしたくなるものなんですよ」と直也さんに言うセリフは共感できました。いつもはただただ小悪魔的にいたずらっぽく笑ったり純粋無垢な表情をしたりしていますが、たまに核心を突くセリフを言うときがあって、人間の本性を知っているなと感じました。

――乃愛さんがノアさんを演じるという、漢字とカタカナの違いはありますが同じ名前という共通点も。

偶然ですが、お話をいただいたときは運命的だなと思いました。現場ではよく「カタカナノアちゃん」と呼んでもらって、同じ名前ということも相まって現場に馴染みやすくて助かりました。性格は真反対ですけど。

  • (C)「あなたは私におとされたい」製作委員会・MBS

――夫婦関係や男女の関係について考えさせられる作品だと思いますが、学びや気づきはありましたか?

登場人物みんなに共感できなくて、こうはなりたくないなと終始思いました(笑)。私は正義感が強いので不倫なんて論外。鶴嶋乃愛の世界には存在しない言語なので、演じていたときは帰り道に嫌悪感に襲われることが多かったです。直也さんにしても、もっとはっきり断りなよと思いましたし、相澤夫婦はお互いに思いやりが足りないなと。ダメなところばかり探してしまいましたが、原作ファンの方が読み進める気持ちがわかりました。

――反面教師的な学びがあったようですね。

そうですね。人の振り見て我が振り直せと、こうはならないようにしようと思いました(笑)

――恋愛観や結婚観に変化は?

大好きな人と結婚できるって素敵なことだなと思っていますが、ちょっと怖くなってしまいました(笑)。こういうことがあるのかなと思ってしまって。でも、不倫は寂しさや人間の弱さが引き起こしてしまうもので、それに打ち勝てるかどうかだと思いましたし、不倫しないという意志を強く持っているか持っていないかが大きいと思いました。

――正義感の強さは昔からですか?

昔からです。鶴嶋乃愛はこうあるべきだという、私の中の理想の鶴嶋乃愛が小さい頃からあって、完璧主義っぽいところもあるので、理想の自分に届いていないと悔しくなってしまう。そういう理想がしっかりあるからこそ、鶴嶋乃愛の人生は不倫とは無縁なんです。