バイきんぐ・小峠英二が縦分割された衝撃的な姿をはじめ、昨年春に深夜の視聴者をザワつかせたフジテレビのバラエティ番組『ここにタイトルを入力』。フジ入社3年目の原田和実ディレクターが企画・演出を務める同番組の新作が3日、初の全国ネットで放送された。
今回は、NON STYLE・井上裕介MCによるトークバラエティ『すっぴん女の赤裸々ナイト』と、広大なレジャー施設で繰り広げられる逃亡ゲーム『run away 大逃亡』の2本立て。SNSでは「カオスすぎる」「頭いかれそう」「終始意味わからん番組だった」といった反応が続出し、正月休みを終えようとしていた視聴者を大いに混乱させた。
(※以下にネタバレがあります)
■違和感持たず参加するノンスタ井上&山田裕貴
今回の1本目『すっぴん女の赤裸々ナイト』は、「今最も勢いのある俳優・山田裕貴が、赤裸々女子軍団と本音トークを展開するトークバラエティ」と予告されていたが、ここで発生したのは、年末年始特番の収録が集中する時期で、出演者のブッキングが絶不調という問題。冒頭、『ここにタイトルを入力』名物のMC打ち合わせ風景で、原田Dは「ちょっと現状、全然そろってないかなという感じでして」と説明し、それを聞いて不安な井上をよそに、「全然何とかはなるとは思うんですけど」と、謎の自信を見せた。
そして本編が始まると、この解決策が判明する。それは、“赤裸々女子軍団”5人を、全員アンミカで埋めるということ。それぞれ衣装を着替えて収録し直し、合成したと思われるアンミカ5人が、ひな壇にずらっと並んでいた。
井上とのオープニングトーク、男性ゲスト・山田裕貴を迎えてのトーク、本題のトークテーマと展開されていく中で、5人のアンミカはいつものテンポで矢継ぎ早に発言していくが、井上も山田もそこに違和感を持つ様子はなく、自然に進行していく。
それに、アンミカたちのトーク内容をよく聞いてみると、おっとりアンミカ、ズケズケアンミカ、おちゃらけアンミカ、出しゃばりアンミカ、達観アンミカ…といった具合に、性格の違いが見えてくる。ここで1つの疑問が浮かび上がった―――この5人のベースは本当に全員アンミカなのか。
山田に「5人の中から付き合うなら?」と質問が飛び、史上最も無意味なCMまたぎで山田が「アンミカさんです!」と発表すると、瞬時に一番右の黄色いジャケットを羽織ったアンミカ(以下、黄アンミカ)が歓喜し、他の4アンミカは残念がるリアクションを見せる。
一体、山田は現場で何を見て黄アンミカを選んだのか? 4人は急きょ集めた別タレントで、顔は年末話題になった『カワシマの穴』(日本テレビ)でも活用された超高画質のディープフェイクなのか? 声はAIで合成しているのか?……そんな可能性も想定しながらハテナが頭の中を駆け巡る中、相変わらず番組は何事もなく進行。ロケVTRのアンミカの友人にもアンミカが登場し、ワイプの2人もアンミカになって計4人のアンミカが同時に画面を覆ったかと思えば、街頭インタビュー、しまいには観覧席の女性全員も無数のアンミカに占められ、混乱は最高潮に達した。
こうなると完全にアンミカが頭の中を支配してしまい、最後に山田が新月9ドラマ『女神の教室』の番宣中に流れたワイプVTRの北川景子までアンミカではないかと疑いの目を向けている自分がいた。そこにつけ込んだ“裏切り”の展開も、終盤に用意されている。
『ここにタイトルを入力』は最後まで見ても、アンミカ撮影のからくりを教えてくれるような生やさしい番組ではない。やはりアンミカは、この番組のためにとんでもない稼働をしていたのだろうか。そして最後に黄アンミカがサラッと言った名前が指すのは……。ここで紹介していない“隠れアンミカ”もいるので、すでに見た視聴者もTVerの見逃し配信で再度確認し、ドラマで流行りの“考察”をしてみるのもいいだろう。