今年も残りわずか。この季節になると、雪の舞うヨーロッパのロマンティックなクリスマスマーケットを思い出す方も多いことでしょう。今年12月初旬、ポーランドの首都ワルシャワと南西部の都市で4つのクリスマス市を回ってきましたのでご報告します。

  • ワルシャワのクリスマス市ではサンタと一緒に記念撮影できます

2022年2月末、誰も予測しなかった未曽有の戦争が始まり、欧州の旅はどうなるかとご心配された方も多いと思います。しかしこの11月終わりから12月初旬、ポーランドを訪ねてみたら、何の問題もなくコロナ以前と変わらず旅を楽しめました。

  • ポズナンの自由広場でのクリスマス市の様子

ポーランド入国時の隔離措置はなく、ワクチン接種証明やPCR検査陰性証明も不要(ただし、2022年12月現在、日本入国時は3回以上のワクチン接種証明が必要)。
新型コロナウイルス感染症への感染が判明した場合も、特段の隔離措置は設けられていません。

  • ワルシャワのパレスポロニアホテル客室から見る文化科学宮殿とその周辺

ポーランド各都市のクリスマスマーケットは、始まってまだ10数年ですが、他国に比べて、地元の郷土料理やクリスマス向けの燻製品、チーズ、お菓子などグルメが充実している印象でした。

  • 中にジャムが入ったポーランドの定番スイーツ「ポンチキ」のクリスマス版

  • 珍しいチーズを見るのも楽しい!

ポーランド南西部の中心都市ヴロツワフは、一度訪れると、何度も足を運びたくなる実に文化が薫る街でした。古くから欧州の交通の要衝として、また交易・商業都市として栄え、現在は20もの大学を抱える学園都市でもあります。

  • 人口約100万人、ポーランドでは3番目に大きい町、写真は旧市街広場

街は旧市街と新市街に分かれており、世界最大のドーム型コンクリート建築を誇るユネスコ世界文化遺産「百周年記念ホール(1931年築)」をはじめ、ポーランドのバチカンとも呼ばれる聖職者の島「オストルフ・トゥムスキ」、ロシア時代のモダニズム建築などの見どころが満載で最低3泊はしたい街です。

  • ユネスコ世界遺産の百周年記念ホール内

  • 社会主義時代のレトロなネオンサインを集めたネオンズヤード

ドイツとチェコ国境に近いヴロツワフは外国人も多く住み、インターナショナルな空気に溢れていることもあって、ポーランドの人々にとっては休暇で訪れたい人気の町だそうです。古くから、スラブ系民族やモンゴル、ボヘミア、ハプスブルク帝国領でもあったヴロツワフには、独自のミックスカルチャーと自由な風が漂っているからかもしれません。

  • オストルフ・トゥムスキの聖十字架教会

そんなヴロツワフのクリスマスマーケットは、旧市街広場で開かれます。13~16世紀にかけて増築された市庁舎をはじめ、中世が漂う建物に囲まれて、約50のブースが並んでいます。確かに広い! 地元の人はもちろん、観光客も多く見かけました。

  • 子ども向けの乗り物や遊具も充実しています

  • 学生の街なので、ティーンエージャーのグループも多い

クリスマスマーケットの定番ドリンクといえば、寒い体を温めてくれる「ホットワイン」。ホットワインをいただきながら、お店をひとつずつ見て回りました。

  • ヴロツワフ独自の長靴のカップは、毎年色が変わります。2022年は黒でした

個人的な感想を言いますと、今回巡ったポーランドの4つのクリスマス市で、ホットワインが一番おいしかったのがこのヴロツワフ。甘さ控えめで、甘いお酒が苦手な人でも最後までいただけるワインです。

  • 広場の中心にはホットワインを販売するお店がいくつかあります

  • ポーランドの国民食、ピェロギ(水餃子風)の屋台

●ヴロツワフのクリスマス市
開催場所: 旧市街広場
住所: Stary Rynek, 60-101 Poznań, Poland
*ヴロツワフへはワルシャワから空路で所要約1時間弱