――五十嵐家三男・幸四郎くんと「共演」したご感想はいかがでしたか。

僕自身、身近に赤ちゃんがいないものですから、どう接していいかわからず、現場は大変でした。一輝が幸四郎をだっこするシーンがあるのですが、抱きかかえたとたん泣き出されたりして。大人しくしてもらう方法とかも聞いていませんし、なんとか泣き止むのを待って撮影していました。音楽を聴けば大人しくなってくれるかな、と思ってお母さんに「彼の好きな音楽は何ですか?」って尋ねたりもしました(笑)。

――「リバイス編」での一輝の必見ポイントを教えてください。

テレビではあまり見られなかった一輝、大二、さくらの「三兄妹同時変身」を観てほしいですね。これが最後の兄妹同時変身だと思うので、しっかり目に焼き付けていただきたいです。あとは、五十嵐一輝、ついに「自転車」を卒業して「バイク」に乗っています! やはり仮面ライダーとしては、バイクに乗らないと……という思いがずっとありましたから、今回の映画で念願が叶って嬉しかったです。ぜひバイクにまたがる一輝の勇姿をお確かめください!

――「ギーツ&リバイス編」では仮面ライダーギーツ/簡秀吉さんとのライダー共闘が見られるのではないかと期待しています。簡さんとは『リバイス』最終回で共演シーンがありましたが、本格的にお芝居でご一緒されるのは初ですね。

『リバイス』で共演したときはけっこう緊張していたのがわかりましたが、あれから数ヶ月が過ぎた今では役を自分のものにして、すごく堂々と演技していました。僕自身もそうだったのですが、最初のころはキャラクターをつかむのがなかなか難しいんです。でも、わずかな期間でこんなに変化するんだなと、改めて実感しました。

――2021年公開の映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』では、前田さんが『仮面ライダーセイバー』キャストのみなさんと共演されて「刺激を受けた」とお話していました。今回の映画での簡さんと重なる部分もあったのではないでしょうか。

僕もテレビが始まってから数ヶ月後、映画に出たことで自分のあり方というか、現場でのたたずまいが変化したと思っていましたから、カンキチ(簡の愛称)を見ながら1年前のことを思い出しました。それだけ『仮面ライダー』の撮影は毎日「濃い」密度なので、日々を重ねていくとどんどん成長していくんだと実感しました。

――「ギーツ&リバイス編」ではさらに、『仮面ライダー龍騎』のライダーたち(龍騎、ナイト、王蛇、リュウガ)も参戦するとのことですが、前田さんは『龍騎』をご覧になっていましたか?

まだ幼かったので『龍騎』がテレビ放送されていたころの記憶はうっすらとしかなかったのですが、それでも実際に龍騎と出会ったとき、すごく懐かしい思いがかけめぐりました。少し年上のイトコがちょうど『龍騎』にハマっていた世代で、変身ベルトや武器のおもちゃで一緒に遊んでいたんです。そのころの記憶がバッと甦ってきて、たまらなくなって「写真撮ってください!」とお願いし、龍騎&ナイト&王蛇と記念写真を撮りました(笑)。

――改めて、前田さんが1年以上にわたって五十嵐一輝という役を演じてきた『仮面ライダーリバイス』の中で、感謝の気持ちを伝えたいのはどなたですか。

『リバイス』で出会ったスタッフ、キャストすべての方々に感謝していますが、それもこれも、望月さんがオーディションで僕を一輝役に選んでくださったことから始まっているんです。この1年、本当にたくさんの人とご一緒に仕事をしてきて、いろいろなものをもらい、自分でも着実に成長することができたと思います。そんな人たちを引き寄せてくださったのも、望月さんのおかげ。改めて望月さんに感謝を伝えたいです。

――望月さんは昨年『リバイス』放送開始前の取材の中で「前田さんの姿勢のよさが決め手となった」とおっしゃっていました。いまも前田さんとお話をしていて思いますが、空手道と社交ダンスで培った姿勢のよさは最初のころと変わっていませんね。

実際には、ずっと姿勢のいいままだと演技に差し支えるので崩しているときがあるんですけど、気持ちとしては常に「背筋まっすぐ」なまま、1年間の撮影に臨むことができたと思っています。

――改めて、映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』全体の見どころをお願いします。

両親、兄妹といった「家族」のお話であり「銭湯」という身近な場所が舞台となる『リバイス』と、デザイアグランプリというゲーム空間が中心となる『ギーツ』、まったく異なる2つの世界がどう合わさるのかを、楽しみに観ていただきたいです。僕たち『リバイス』チームもテレビを1年間やってきて、成長した姿をお見せできると思います。『リバイス』のファンの方、『ギーツ』のファンの方、そして昔からずっと仮面ライダーを大好きでいてくださる方々、みなさんに楽しんでいただける映画になっています!

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