◆Far Cry 6(グラフ36~42)

Far Cry 6
Ubisofy Entertainment
https://www.ubisoft.com/ja-jp/game/far-cry/far-cry-6

ベンチマーク方法はこちらに準ずる。設定は

Quality:High
Antialias:TAA
DXR Reflections/Shadows Off

としている。Ray TracingをOffにしたのは、Far Cry 6がFSRには未対応なためである。

  • グラフ36

  • グラフ37

  • グラフ38

  • グラフ39

  • グラフ40

  • グラフ41

  • グラフ42

このFar Cry 6ではまた違った傾向が出て来た。Overall(グラフ36)が判りやすいが、解像度が低い(=負荷が軽い)ところでは

GeForce RTX 4080 < Radeon RX 7900 XT ≦ Radeon RX 7900 XTX

だが、解像度が上がると

Radeon RX 7900 XT < GeForce RTX 4080 ≦ Radeon RX 7900 XTX

に綺麗に推移する。解像度的に言えば2.5Kと3Kの中間位でRadeon RX 7900 XTとGeForce RTX 4080のフレームレートがクロスする。これはフレームレート変動(グラフ39~42)からも明らかで、2.5KまではRadeon RX 7900 XTはRadeon RX 7900 XTXとほぼ変わらないのに、3K以降でガクッと落ちるのは、ひょっとするとInfinityCacheの容量が不足しているのかも? という気になる。とはいえ、4KでもRadeon RX 7900 XTとGeForce RTX 4080の性能がさほど変わらないあたりは、割と頑張っているとは言えるのだが。

◆Forza Horizon 5(グラフ43~51)

Forza Horizon 5
Playground Games
https://playground-games.com/projects/forza-horizon-5/

昨年11月にリリースされた割に取り上げるのが遅かったのは、単にIn-Game Benchmarkがある事に気が付いてなかったためである。ただしログを取る機能は無いので、FrameViewとの併用となる。

さてベンチマーク方法であるが、まず起動画面で"オプション"を選び(Photo10)、設定メニューのビデオ(Photo11)から解像度の選択を行う(当然VSyncはオフである)。次がグラフィック(Photo12)で、ここではプリセットをエクストリームとした。ただしこれをやると自動的にレイトレーシング品質:最高となる(Photo13)ので、これは手動でオフに設定する。設定が終わったら、Photo12の一番上にある「ベンチマークモードの開始」を選ぶと、初回開始まで数分かかるがその後ベンチマークが開始、約90秒のベンチマークの後で結果が表示される(Photo14)。ちなみに一度ベンチマークモードに入ると、「続ける」を押すまでの間は延々とベンチマークを実行できるので、あとは解像度とか品質を変えながら繰り返す形だ。

  • Photo10: ちなみに実行にはMicrosoft Accountが必要である。

  • Photo11: この画面はGeForce RTX 4080で取得したのでDLSSが有効になっているが、FSR/DLSS共にOffにする。またMSAAは8xに設定した。

  • Photo12: 厳密にはまだSSAOとかリフレクションとかのレベルを更に上げられるが、まぁプリセットのエクストリームで十分だろう。

  • Photo13: レイトレーシング品質も、この上にエクストリームがある。

  • Photo14: この結果をログに残してくれると楽だったのだが。

今回のテスト項目は、描画品質はエクストリーム(ただしRay Tracingはオフなのでカスタム扱い)のまま

解像度 2K/2.5K/3K/4K

に加えて

解像度 4K 描画品質エクストリーム(つまりRay Tracingは「最高」)
解像度 4K 描画品質エクストリーム+Super Sampling(DLSS Quality/FSR 2.2 Quality)

となる。

  • グラフ43

  • グラフ44

  • グラフ45

  • グラフ46

  • グラフ47

  • グラフ48

  • グラフ49

  • グラフ50

  • グラフ51

まずはRay Tracing無しの結果だが、Overall(グラフ43~45)だと

Radeon RX 7900 XT < GeForce RTX 4080 ≦ Radeon RX 7900 XTX

といった感じである。これはフレームレート変動(グラフ46~49)からも明らかで、低解像度では粘るGeForce RTX 4080を、高解像度でRadeon RX 7900 XTXが突き放す感じだ。

そしてかなり意外だったのはRay Tracing有効の場合(グラフ50)。平均フレームレートで言えば

GeForce RTX 4080 83.1fps
Radeon RX 7900 XT 76.9fps
Radeon RX 7900 XTX 89.3fps

と、初めてRay Tracing有効な状態でRadeon RX 7900 XTXが最高速になった。ただもっと意外だったのは、ここでSuper Samplingを有効にした場合で

GeForce RTX 4080+DLSS 124.7fps
Radeon RX 7900 XT+FSR 96.3fps
Radeon RX 7900 XTX+FSR 108.8fps

と、むしろGeForce RTX 4080の伸びが顕著だったことだ。フレームレート変動(グラフ51)を見ても、確かにGeForce RTX 4080が飛びぬけている。とはいえ、一番低いRadeon RX 7900 XTでもFSRを併用すると平均96.3fps、というのは4Kでのプレイには十分と見なして良いのではないかと思う。

◆Hitman 3(グラフ52~60)

Hitman 3
IO Interactive A/S
https://www.epicgames.com/store/ja/product/hitman-3/home

ベンチマーク方法はこちらのHitman 3の項目に準じる。実はフレームレート変動が取れない(OCATを噛ますとゲームが起動しない)という問題があったHitman 3だが、FrameViewだとちゃんと動作した上に、何といつの間にかフレームレートをちゃんと記録する機能が付いていた。具体的にはC:\user\ユーザー名\hitmanというフォルダに自動的にフレームレートが記録される機能が実装されていた。ということでこのフレームレートの記録を利用してグラフを作成した。

余談だがcsvの形でFrame Timeが保存されるのは大変便利なのだが、個々のFrameの時間ではなく起動からの累積時間が保存されているので差分を取る必要があるのと、CPU TimeとGPU Timeが縦に並んでいる関係で、抜き出しに手間が掛かるのはちょっと考えものである。とは言えあるだけでも大変に助かるのだが。

さて、Hitman 3もRay Tracingに対応しており(Photo15)、またSuper SamplingもDLSS/FSR 2/XeSSに対応している。という訳で設定であるが

Adaptive Supersampling Technique:Off
Ray Tracing:Off
Level of Detail:Ultra
Texture Quality:High
Texture Filter:Anisotropic 16x
SSAO:Ultra
Shadow Quality:Ultra
Mirrors Refrection Quality:High
Reflection Quality:High
Variable Rate Shading:Off
Motion Blur:High
Simulation Quality(Graphics):Best

としたうえで解像度 2K/2.5K/3K/4Kのテストを行い、更に

解像度 4K Ray Tracing On/Ray Traced Sun Shadows:On/Ray Traced Reflections On
解像度 4K Ray Tracing On/Ray Traced Sun Shadows:On/Ray Traced Reflections On+Super Sampling(DLSS Quality/FSR2 Quality)

も行ってみた。

  • グラフ52

  • グラフ53

  • グラフ54

  • グラフ55

  • グラフ56

  • グラフ57

  • グラフ58

  • グラフ59

  • グラフ60

さてまずRay Tracing無しのOverallがグラフ52~54で、またもや

Radeon RX 7900 XT ≦ GeForce RTX 4080 < Radeon RX 7900 XTX

である。やっぱり2.5Kと3Kの間でRadeon RX 7900 XTとGeForce RTX 4080のフレームレートがクロスする格好だ。とは言えRadeon RX 7900 XTの4Kでの平均フレームレートは141.7fpsだから、悪くはない。フレームレート変動(グラフ55~58)を見ると、結構変動が激しいのでちょっと見ずらいが、例えば60sec近くの谷はどの製品でもほぼ同等のフレームレートで、負荷が軽い時に性能差が出るという感じだから実際にプレイするとそこまで性能差は感じられないかもしれない。

一方Ray Tracingを有効にした場合(グラフ59)だが、これはもうどの製品も洒落にならない落ち込み方で、そもそもHitman 3のRay Tracingの負荷が"超"高いという話であり、そもそもGeForce RTX 4080でも実用に耐えるか? というとDLSSを併用してギリギリな感じ。一方Radeon RX 7900はFSRを併用してもまだ厳しいという感じで、もう少しRay Tracingの負荷を減らすか、より強力なFSR(Balanced/Performance)を選んだ方が良いだろう。やはりRay Tracingは鬼門であった。

◆Metro Exodus PC:Enhanced Edition(グラフ61~67)

Metro Exodus PC:Enhanced Edition
4A Games
https://www.metrothegame.com/

ベンチマーク方法はこちらのMetro Exodus Enhanced Editionの項に準じる。設定はExtremeプロファイルに準ずる。つまり

Shading Quality:Extreme Ray Tracing:Normal DLSS:Off Reflections:Hybrid Reflection:Raytraced Variable Rate Shading:1x Hairworks/Advanced PhysX:Off Tesselation:Full

である。そもそもMetro Exodus PC:Enhanced EditionではRay Tracingがデフォルトであり、またDLSS以外のSuper Samplingには未対応なので、今回はDLSSも無効のままとしている。

  • グラフ61

  • グラフ62

  • グラフ63

  • グラフ64

  • グラフ65

  • グラフ66

  • グラフ67

ということでOverall(グラフ61~63)を見ると、やはりRay Tracingの影響か、

Radeon RX 7900 XT < Radeon RX 7900 XTX < GeForce RTX 4080

が明白で、しかもフレームレート差も結構大きい。Extremeだと3製品とも平均フレームレートが60fpsを切ってる辺りは、もう少し設定を考えないと実際のプレイには厳しそうだ(最小フレームレートも、4Kだとかなり落ちる)。

フレームレート変動(グラフ64~67)もある意味綺麗というか、見事に分離したグラフになっており、ここでの性能差は明白である。Ray Tracingの影響はまだまだ大きいという事でもある。