この歴史の中で、特に変化を感じるというのは電話。「入社した当時は、(『笑っていいとも!』の)テレフォンショッキングもアナウンス室も黒電話でしたからね。初めて持った携帯はすごく大きくて、ある日携帯を取り出そうと思ってバッグを開けたら、家のコードレスホンが入ってたり(笑)。そこから、みんな携帯を持って、先ほど言ったベランダからかけることになってしまった人もいるし、番号が通知されるようになって、間違い電話して切ったら向こうからかかってきちゃって『なんだこれは!』ってなったこともありました」(八木)と、進化とともにハプニングの内容も変わっていった。

また前述の通り、世の中のクリスマスの捉え方に変化が生まれ、それに伴って番組の役割も変わってきたという。

八木は「昔はお台場もカップルばかりで、“クリスマスに1人で過ごすなんて…”みたいな時代がありましたよね。でも、今は“1人で楽しいけど何か?”という感じもあるじゃないですか。だから、最初はクリスマスに寂しく過ごす人が電話するという番組でしたけど、年の終わりに1年の不幸な話を笑って、新年を迎える前に厄を落としましょうみたいな雰囲気にだんだん変わっていった気がします」と実感。

三宅Dも「クリスマスに寂しくしてる人たちに救いの手をということで、32年前に始まったんですよね。その後、さんまさんが日テレでSMAPとクリスマスの特番をずっとやってて、それが終わってこっちにやってくるというもありましたし、テレビ局自体もクリスマスに盛り上がるというのが、変わってきてるような気がします」と見解を述べた。

■お昼の新生バラエティに“明石家サンタイズム”が生きるか

ハプニングや奇跡を生む生放送というスタイルが『明石家サンタ』の魅力の1つだが、ともに演出を担当し、三宅Dのもとで育った鈴木善貴氏が、来年1月にスタートする平日お昼の生バラエティ番組『ぽかぽか』で総合演出を担当することになっており、“明石家サンタイズム”が生かされるのを期待したいところだ。

三宅Dは「一時期、マツコさんのコーナー(※)があって、善貴はあそこのBGMにエディット・ピアフを持ってきたんですよ。それがすごく良かったので、あいつも分かってると思うけど、“空気感”を大事にしてやってもらいたいですね」と、直系の後輩にエールを送った。

(※)…マツコ・デラックスがクリスマスの夜に「よってこやお台場店」(現在は閉店)でひとりラーメンを食べる様子を、ロングショットのライブ映像で見つめるミニコーナー

■ハガキ募集要項
寂しい出来事の内容・住所・氏名・年齢・職業・電話番号をハガキに明記の上、下記宛先へ郵送。
〒119-0188 フジテレビ「明石家サンタ」係
締め切り:2022年12月21日(水) 消印有効

●八木亜希子
1965年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学卒業後、88年フジテレビジョンに入社し、同期の有賀さつき、河野景子とともに“三人娘”と呼ばれて人気を博す。『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』のほか、『笑っていいとも!』『さんまのスポーツするぞ!大放送』『めざましテレビ』『スーパーニュース』などを担当し、00年に退社してフリーに。その後、『BSフジLIVE プライムニュース』(BSフジ)、『久米宏のテレビって奴は』(MBS)などで司会を務めたほか、映画『みんなのいえ』で本格的に女優デビューを果たし、『あまちゃん』(NHK)、『カルテット』(TBS)などのドラマにも出演。現在のレギュラー番組は『八木亜希子 LOVE&MELODY』(ニッポン放送)、『八木亜希子のおしゃべりミュージアム』(BSフジ)、『AS-Lab(アスラボ)チャンネル』(東京大学エクステンション)。

●三宅恵介
1949年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業後、71年にフジポニーに入社し、機構改革に伴い80年フジテレビジョンに転籍。『スター千一夜』『欽ちゃんのドンとやってみよう!』『笑ってる場合ですよ!』『オレたちひょうきん族』『ライオンのいただきます』『ライオンのごきげんよう』『タケちゃんの思わず笑ってしまいました』『FNS27時間テレビ』『心はロンリー気持ちは「…」』『あっぱれさんま大先生』『タモリ・たけし・さんまBIG3!世紀のゴルフマッチ』『たけし・さんまの有名人の集まる店』『明石家マンション物語』などを演出した。現在は『はやく起きた朝は…』『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー』を担当し、千代田企画代表取締役も務める。