フジテレビ系バラエティ特番『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2022』が、今年はクリスマスの12月25日(24:45~)に生放送される。

クリスマスにひとり寂しくしている視聴者が、明石家さんまふんする“明石家サンタ”からの生電話で「今年起きた不幸話」を披露して合格すれば、豪華プレゼントが当たるという32年目を迎える名物番組だ。

今回は、1990年の第1回からさんまとともに司会を務める八木亜希子と演出を担当する三宅恵介ディレクターにインタビュー。八木はこの番組を通して、三宅Dから“見ている人にとってフェアである”ことを学び、それがどの番組出演においても大事な姿勢になっているという――。

  • 『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2022』MCの八木亜希子

    『明石家サンタの史上最大のクリスマスプレゼントショー2022』MCの八木亜希子

■電話を切ったのに「かわいそう」と言ったら…

毎年10月くらいになってオファーがやってくると、「もう年末だな」と八木の中でも風物詩になっている『明石家サンタ』。その魅力は「とにかくさんまさんのトーク力を存分に楽しめるシンプルな作りになっているところだと思います。スタッフがさんまさんの空気を感じ取って、いかに乗れるかというムード作りがあって、そこにさんまさんが自由にやってもいいという信頼感で臨めてるんだと思います」と分析する。

それを受け、三宅Dは「さんまさんの魅力を引き出す要素として、八木さんが隣りにいるというのが欠かせないんです」と補足。その上で、「最初のときから、さんまさんとの2人の空気感が全然変わってないと思います。1年目から何を言っても返してくれるからさんまさんも信頼してるし、さんまさんいわく“何の欲もない”というホワーっとした八木さんの空気があって、それがいいコンビになってると思います」と評した。

しかし八木は、最初から今のようにはできていなかったと打ち明ける。第1回の放送で、さんまが「そうかあ、それは(プレゼント)あげられへんなあ」と電話を切ったときに、八木が「かわいそう」と発言したことがあった。この放送の後、別番組の打ち合わせで三宅Dがアナウンス室に来た際、八木に「『かわいそう』はない」という話をしてくれたことで、すべての番組に向き合う意識が変わったという。

「『目の前の人がかわいそうでも、見ている人がそれをフェアだと思ったら、かわいそうじゃないんだ』という話をされたんです。ここから、“見ている人にとってフェアである”ということは、ニュースや報道など他の番組をやるときも、常に大事な姿勢になっています」(八木)

その姿勢は自らのみならず、番組全体を俯瞰(ふかん)して一貫。「さんまさんは時々、女性にかわいらしく『さんちゃん、お願い~』とか言われると、すっごい甘くなるんですよ(笑)。みんなが『もう電話切れ!』と思ってるのに、『どうしようかー。他に話あるかー?』って粘ったりして、それはフェアじゃないから、多少の色仕掛けはあってもいいと思うんですけど、許容範囲を超えたときは、私が(強制的に)電話を切ることにしています(笑)」と八木が明かすと、三宅Dは「唯一、さんまさんを制して電話を切れる人なんです。八木さんが切っても誰も文句を言わないし、今までその判断は間違ってないね」と信頼を語った。

  • 三宅恵介ディレクター(左)と八木亜希子

■ベランダ、ジグソーパズル、彼女が来ない…記憶に残る不幸話

32年という長い歴史で印象に残る“不幸話”を聞くと、八木は「これこそ生放送だなと思ったのは、携帯電話が出始めの頃に、携帯を持ってベランダに出てしゃべってたら、鍵を閉められちゃって『表で家族に締め出されてるんです』という人がいて、テレビを通して『気づいてあげてください!』って一生懸命呼びかけたりしたことがありました(笑)」と紹介。

さらに、「さんまさんが間違い電話をしちゃって『すいません』って謝りながら、『私、明石家さんまと申しますけど、クリスマスの番組をやっておりまして、今何をやられていたんですか?』って聞いたら『ジグソーパズル』って答えて、合格の鐘が鳴った人がいました(笑)」というハプニングも。ちなみにこの人は、一番の目玉商品・自動車が当たるという奇跡が起こった。

ハプニングと言えば、三宅Dは「フジテレビがお台場に来たときに、レインボーブリッジが大渋滞でさんまさんが間に合わないかもしれないというときがあって、自転車持って迎えに行ったんですよ」という秘話を披露。現在よりもクリスマスが大いに盛り上がっていた時代で、「その頃は『今彼女と待ち合わせしてるんですけど、2時間経っても来ない』という電話もありました」(三宅D)と、男性の切ない不幸話もあった。