本作の大きな魅力の一つに、30年前の映画のキャラクターが登場することが挙げられる。竹中直人、清水美砂、田口浩正、六平直政、柄本明ら、葉山にとっても大先輩たちがずらりと並ぶ。

「30年前、僕はまだ生まれていませんでしたが、作品のなかに出ていた方々が、そのままの役で登場するのは、とても不思議な気分でした。みなさん本当にすごくパワフルな方々で、この台本からこんなにもキャラクターが膨らむんだと、とても勉強になりました。特に竹中さんは、本当に次になにをやってくるんだろうと僕らも構えていないとダメなくらい(笑)。どんなボールが飛んできても、キャッチするんだという緊張感は、とても楽しかったです」

OBはもちろん、現役相撲部のメンバーもみな超個性派ぞろい。そんななか、亮太はすべてを受け止めるキャラだ。

「本当に自分でも思い切り遊びたいという思いがあるのですが、どこかで客観的に見なければ……という目線もあり。そうした立ち位置で芝居をすることができたのも、すごく新鮮でしたし楽しかったです」

実りの多かった撮影現場。一番力がついたなと感じたのが「現場での免疫力」。予期せぬ芝居を見せるOBたちに面食らうことなく、しっかりと受け止めることができた。それを踏まえたうえで「今後は自分もしっかりと発信していけるようなエネルギーを持った俳優になっていきたいです」と目標を述べていた。

■葉山奨之(はやま しょうの)
1995年12月19日生まれ、大阪府出身。2011年、ドラマ『鈴木先生』で俳優デビュー。2015年、NHK連続ドラマ小説『まれ』でヒロインの弟役を演じ、話題に。その後ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(16)、『僕たちがやりました』(17)、『透明なゆりかご』(18)、映画『きょうのキラ君』(17)、『恋は雨上がりのように』(18)などに出演。近年の出演作に映画『サヨナラまでの30分』(20)、『太陽の子』(21)、ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』(20)、『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』(21)、『鹿楓堂よついろ日和』(22)など。

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