現在配信中のディズニープラスオリジナルドラマ『シコふんじゃった!』(毎週水曜に最新話配信)で、ひょんなことから廃部寸前の大学相撲部に入部することになった大学生・森山亮太を演じている俳優の葉山奨之。2011年に放送された連続ドラマ『鈴木先生』で俳優デビューしてから10年以上の歳月が流れたが、本作のオーディションに臨んだ際「これは自分がやるんだろうな」と根拠のない自信が湧いてきたという。「これまでの俳優生活のなかで、こんな気持ちになったことはなかった」というほど運命的な出会いだったという本作への熱い思いを語った。

  • 葉山奨之

1992年に公開され、その年の映画賞を総なめにした『シコふんじゃった。』から30年後が舞台になった本作。葉山が演じる亮太は、就職が決まったものの、卒業単位が厳しく、存続の危機にある元名門相撲部への入部が単位をもらえる条件として提示されたことで、相撲部に入部する大学生だ。当然のことながら、相撲などには興味がなく、唯一の部員である伊原六花演じる大庭穂香からもやる気のなさを責められるというキャラクター。

そんなキャラクターをオーディションで勝ち取った葉山。「オーディションの時に、台本の一部を渡されたんです。それを読んだとき、“この役は自分がやるんだろうな”って根拠のない自信が湧いてきたんです」と当時を振り返る。

それほどまでに亮太という役に惹かれたという葉山。「本当にスッと自分が亮太というキャラクターを演じている画が想像できたんです。これまでさまざまな作品のオーディションも受けたし、出演もしてきましたが、こんなにイメージできた役は初めてでした」

葉山の予感通り、見事オーディションに合格。10年のキャリアのなかでも、こんな感覚で役に入っていけたことはなかったという。「クランクイン前のワクワクはすごかったです。もちろん過去に映画化されたときに大きな反響があった偉大な作品で、その続編ということで不安やプレッシャーもあったのですが、それを凌駕するくらい楽しみな気持ちが大きかったです」

俳優として一生に一度あるかないかというぐらいの運命的な出会いだったという本作。撮影はほぼ順撮り(時系列通りの順番での撮影)だったため、相撲にまったく興味がなかった亮太が、徐々に魅了されていくさまを丁寧に演じることができた。

特に亮太は、相撲に対して全くの素人から、徐々に相撲にのめりこんでいく。稽古も時間をかけてじっくりと行った。なかでも股割りはかなり苦戦したようで「指導の方が大きい方で、その人に上から乗られるのだけは避けようと、お風呂上りにストレッチはかなりやりました」と笑う。

さらにまわしをつけるという作業も「本当に痛いんです」と言うようにかなり苦戦したようだ。「とてもきつく締めるので、男性の大事なところがかなり擦れて(笑)。これが非常につらい。慣れるのには2~3週間ぐらいはかかりました」

しかし撮影が進むにつれて、まわしにも慣れ、クランクアップするころには「まわしがないと逆に落ち着かなくなるぐらいでした。亮太が服を着ているシーンだとなんかソワソワしちゃうぐらい(笑)」と完全に病みつきになってしまったという。撮影後、骨盤の上あたりにまわしの締め跡によって擦り傷があったというが、それが治っていくのを見て「なんか撮影の日々が薄れていくような感じで、さみしさと切なさがすごかったです」と語っていた。

共演の伊原からも大きな影響を受けたという。「六花ちゃんは本当に素晴らしかったです。キャラがブレないというか、ずっと穂香でいてくれたので、僕も亮太でいることができました」と感謝を述べると「稽古から入れると、半年以上もずっとご一緒させてもらったのですが、とてもフランクにしゃべることができました。今後六花ちゃんがどうなっていくんだろうというワクワクもありますし、僕も頑張らなければと思える。素晴らしい女優さんに出会えてよかったです」と称賛を送った。