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今回の現地取材は、8月15日から18日(現地時間)まで、3泊4日の強行軍。そのうち、本人にインタビューできるのは、事前の打ち合わせでは16日の1時間に限られていたが、結果として約2時間にわたって話を聞くことができた。

一流クラブの選手のインタビュー収録となると、背景の画などにこだわって実施。宮地Dは「クラブが選手のことをすごくリスペクトしているので、『この選手だから、ここまで準備しないとダメなんだ』というのが伝わってきて、テレビマンとして僕らも刺激を受ける機会になりました」といい、「15日は全部ロケハンに充てたのですごくいい準備ができて、その分いいインタビューになったのではないかと思います」と手応えを語る。

この中で、冨安選手の印象的だった言葉は何か。

「アビスパにいるときから世界で戦いたいという思いを強く持っていて、自分のプランをすごく考えている選手なんです。それを実現して、『この成長をどう感じる?』と質問したら、『自分でも(プロデビューから)4年半でアーセナルにたどり着くとは思わなかった』と答えてくれました。でも、さらに成長したいという気持ちを持っていることが分かって、この選手はもっとやれるし、日本を代表する選手になるという感じがしました」(宮地D)

「僕も、自分はここで満足せず、もっと上でやれることをクラブに証明したいという話が印象的です。今年の6月にアビスパのスクールに来たとき、子どもたちにも『自分はトップチームでできる選手なんだというのを、練習から見せたほうがいい』と言っていて、それが今の僕自身にも刺さりました」(佐々野D)

また、ワールドカップに向けても、「たくさんお話を聞けました。ケガもあったりしたのですが、そのへんの焦りはない感じでしたね。でも、まず今はアーセナルでしっかりやっていくことで、それがワールドカップにつながるという話をしているので、先のことも考えているとは思いますが、まずは一つ一つの積み重ねを大事にしているという印象がありました」(佐々野D)という。

  • 冨安選手(左)と佐々野俊太郎ディレクター (C)FBS

■福岡を大事に思っていることを伝えたい

今回の特番では、「宮地さんが出会った頃からの冨安選手の経歴とすごさや、アーセナルのサポーターに話を聞くと、プレーだけじゃない部分でもすごく愛されていることが分かったんです。街なかを歩きながら、宮地さんだからこそ聞ける冨安選手の過去や、アビスパ時代のチームメイトにも当時の様子をうかがいながら、その人柄を伝えられればと思います」(佐々野D)と見どころを予告。もちろん、FBSだけが持つ中学時代からの貴重な映像素材も盛り込んでいく。

地域密着の地元局だからこそ実現した、今回の取材。宮地Dは「冨安選手の福岡愛という思いを乗せて、今回の特番を作っていきたいと思います」といい、佐々野Dは「実は僕、冨安選手と同じ九州産業大学付属九州高校で、そういう身近な人が活躍しているとうれしいですし、応援したくなるので、冨安選手自身がすごく福岡を大事に思っているのを地元の人たちに知ってもらい、気持ちが乗るような放送にできるように頑張っています」と、編集に臨んでいる。