――沢口さんとはお話されましたか。現場の雰囲気もあわせて教えてください。
上質なミステリーなので、敷居が高そう、ピリピリしてそうと勝手に想像して身構えていたのですが、全くそんなことなかったです。沢口さんから「あ、ウィンくんね!」と声をかけてくれて「雰囲気、やわらか!」「良かった~!」とすごく安心しました。カメラが回っていないときの沢口さんは「よろしくね~!」という感じですごくキュートでした。
――今回の撮影で楽しかったところを教えてください。
京都・太秦にある東映京都撮影所で撮影できたのは貴重な経験でした。以前来たときは1日だけで、今回も長期間滞在したわけではないのですが、太秦ならではの雰囲気やルールがすごく刺激的で。自分が住んでいる場所から離れていることも相まってだと思いますが、作品だけに集中できる環境で、まさに『科捜研』の世界に飛び込んだ感覚を味わえて楽しかったです。
――太秦ならではのルールとはどんなものがあるのでしょうか。
太秦近郊で撮影するときも、ホテルから直接撮影場所に行くのではなく、基本は一度太秦に集合して、太秦の車で出発するというルールがあるんです。「2時15分、『科捜研の女』森崎ウィンさん出発となります。俳優センターに来てください」というアナウンスが流れるのが新鮮で、撮影するための場所という感じがしてすごくいいなと。1940年代や50年代の、俳優たちが撮影のために毎日スタジオに通っていた時代にタイムスリップしたようでした。
――ここからは森崎さん自身のお仕事についてもお伺いしたいのですが、10月8日に韓国・釜山で開催された『釜山国際映画祭 第4回アジアコンテンツアワード2022』のレッドカーペットイベントでは英語でMCを務められましたよね。いかがでしたか。
また海外に行けるようになった有り難さと、アジアでも大きなイベントの1つに直接足を運ぶことができた喜びが大きかったです。同時に、また主演作でここに戻って来たいという気持ちが芽生えました。これからも日本の作品が世界に羽ばたいていくための一員でいたいですし、逆に海外の作品にもどんどん出てみたい。海外に行くと血が騒ぎますね。もともと海外進出への思いは強いですが、こうやって実際に足を運ぶと「今の自分に何が必要なのか」「もっとこうしていきたい」と具体的なビジョンが浮かんできます。
――来年の3月には、東京・帝国劇場で開催されるミュージカル『SPY×FAMILY』でロイド・フォージャー役を務めます。反響も大きいと思いますが、意気込みを教えてください。
ずっと日本オリジナルのミュージカルをやりたかったので、参加できることが本当にうれしいです。原作がある以上、どのようになっていくのか正直プレッシャーや緊張感もありますが、出演させていただけるのは誇り高いことですので楽しみにしています。
――では最後に『科捜研の女』の見どころを教えてください。
監督が画のタッチにすごくこだわっていて、敢えてiPhoneで撮っているシーンもあるんです。その質感も含め、挑戦を重ねてどんどん進化している『科捜研の女』を楽しんでいただけたらうれしいです。
1990年8月20日、ミャンマーのヤンゴン生まれ。10歳のときに渡日し、2008年にダンス&ボーカルユニット「PRIZMAX」に加入。同年、俳優としてもデビューする。12年『シェリー』で映画初主演。18年にはスティーヴン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』でハリウッドデビューを果たした。PRIZMAXが解散後はMORISAKI WINとしてメジャーデビューしている。俳優としてほかにドラマ『学校じゃ教えられない!』『西荻窪 三ツ星洋酒堂』『桜の塔』、映画『蜜蜂と遠雷』などに出演。2022年は、3月放送開始の特撮ドラマ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』主題歌を担当。ドラマ『村井の恋』、『持続可能な恋ですか? 〜父と娘の結婚行進曲〜』、『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』、映画『嘘喰い』、『バイオレンスアクション』、『HIGH&LOW THE WORST X』、『LOVE LIFE』、『IF I STAY OUT OF LIFE...?』、ミュージカル『ピピン』に出演。待機作に映画『おしょりん』(2023年秋公開予定)、ミュージカル『SPY×FAMILY』(2023年3月~、東京・帝国劇場、兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール、福岡・博多座上演予定)がある。