――研修医という“駆け出し”の役を演じることで、ご自身のこの世界での“駆け出し”の頃を思い出すこともありますか?
部活や乃木坂の頃の自分を思い出しますね。(乃木坂46を卒業して)この1年半は後輩だった自分をちょっと忘れていたので、先輩たちと何かをする緊張感を久々に思い出しました(笑)
――乃木坂時代は、結構先輩にいろいろ教えられたのですか?
乃木坂はそういうことを直接言われるより、各々が先輩の姿を見て育っていく感じなので、どちらかというとスタッフさんにいろいろ教えてもらいましたね。「このときはカメラ目線じゃないとダメだよ」とか、厳しく育ててもらった時間でした。
――このタイミングで研修医の役を演じることで、初心を思い出すような気持ちでしょうか。
そうですね。でも私、人にいろいろ言われるのがあんまり好きじゃないので(笑)、“申し訳なさそうな顔”をあんまりしたことがないんですよ。演技でもその顔ができてるかな…って不安に思ってOAを見たら、申し訳なさそうというより、何か咳(せき)を我慢してるみたいな顔をしてて、もっと勉強しなきゃなと反省しました。
■30代に向けて「とにかくいろんなことに挑戦」
――今年はドラマに7本も出演されて、役者として充実の1年だったと思いますが、本人としてはいかがですか?
もう本当に昨日の記憶もあんまりなくて…。「ちゃんと頑張れてたかな?」っていう不安があるんですけど、OAを見てくださった方のリアクションを見たり聞いたりして、この役を頑張って良かったなとか、この作品を撮ったときはあんな感じだったなとか思い出したりして、ありがたいです。ただ、私は見た目と中身がだいぶ違くて、自分と違う役柄をやるのはすごく楽しいし勉強にもなるんですけど、1回友達に「あれまんま未央奈じゃん」って言われるような役もやってみたい気持ちがありますね。
――それは具体的にどのような役ですか?
ディズニーにリーナ・ベルちゃんっていう新しいキャラクターがいるんですけど、ピンクのキツネで見た目はすごくかわいいのに、中身はお調子者で。プルートにハグされようとするとすごく嫌がるのに、ミッキーとは手をつないで歩いてて「えっ!?」と思って(笑)。誕生日セレモニーでオープンカーに乗って登場したり、キャストさんを困らせてケタケタ笑ってたりとか、自由さが共通点だなと思って身近に感じているので、そのキャラクターが人間化したような女の子の役が来たらうれしいですね。
――ドラマに限らず、バラエティにラジオにといろいろなジャンルでご活躍されていますが、先日誕生日を迎えられて26歳の今、将来的にはどのような活動をイメージされているのですか?
乃木坂を卒業してからは、在籍中にできなかったことをやったり、出られなかったものに出てみたいという好奇心で、お芝居もバラエティもいろんなことに挑戦させていただいて、本当に楽しみながらやっている感じなんです。その中で、自分が向いているとか、好きなことが20代後半でしっかりと固まって、30代の自分の人生につなげていけたらと思っているので、今はとにかくいろんなことに挑戦している時期なのかなと思います。
――何かこういうジャンルをやってみたいというものはありますか?
プロデュースするのが結構好きなので、ものづくりとか、人材育成とかにも興味があります。毎年自分のカレンダーを企画からプロデュースしているんですけど、他の方の写真集やカレンダーとかMVとかの作品づくりで、ディレクションみたいなこともやってみたいですね。
●堀未央奈
1996年生まれ、岐阜県出身。2013年に2期生として乃木坂46に加入。7thシングル「バレッタ」で初選抜にしてセンターを務めた。17年より女性ファッション誌『ar』のレギュラーモデルを務め、同年初のソロ写真集『君らしさ』を発売。19年に『ホットギミック ガールミーツボーイ』にて映画初主演を務める。21年3月をもって約8年間活動した乃木坂46を卒業。女優として様々な作品に出演する一方で、バラエティ番組『アメトーーク!』(テレビ朝日)では「絵心ない芸人」として才能を発揮し、『イマドキッ』(MBSラジオ)といったラジオ番組でも活躍。『祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録』(日本テレビ)で、GP帯連続ドラマ初レギュラーを務める。