――共演の感想をお聞かせください。

小宮:想良ちゃんとの共演は初めてでしたが、お芝居はもちろん現場でのたたずまい、人間性など勉強するところがたくさんありました。最初は「井上さん」と呼んでいたんですけど、だんだん「兄貴」と慕えるようになりました。短い期間での撮影で狭く、深くやりとりして、すごく仲良くさせてもらいました。

――「兄貴」といわれて井上さんはいかがですか?

井上:僕は弟が2人いるんです。璃央みたいな年下の俳優さんに兄貴と呼ばれるのは率直にうれしいです。璃央はすごくフレッシュで、明るくて「僕、20歳のときこんなに明るかったかな?」と思うくらい。そのフレッシュさが現場の雰囲気にもつながっていたと思いますし、いろいろ助かりました。

――「助かった」というお話ですが、印象に残っている撮影エピソードは?

小宮:そうですね……。

井上:あ、君が言う(笑)?

小宮:なんかあります(笑)?

井上:撮影はハードなスケジュールだったんですけど、その璃央が疲れを見せない姿を見て「おれも頑張るか!」となりました。助かりました。

小宮:一周まわって空元気じゃないですけど、主演である自分たちがいい雰囲気づくりをしていこうと思って。どのシーンも、日常の学校風景から泣けるシリアスな場面まで、全部が全部印象的でした。第1話でトラックにひかれるシーンとか、最終話とか撮影は全部大変でした。気持ち的にも重くなりがちだったので、とにかく元気に楽しくやっていました。

――撮影の内外でいろいろと工夫されていらっしゃったんですね。

小宮:今回はお芝居自体が挑戦でした。全体を通して一歩、今までの自分より成長できたと思います。

――本作は生と性を見つめて懸命に“生きた”2人の姿を描いています。参加して人生観や恋愛観に変化はありましたか?

小宮:恋愛観に関して言えば、あまり変わらなかった気がします。LGBTQの友人もいて、いろんな相談を受けたりしていたので。

井上:僕は、人生観という点でいろいろ考えさせられました。一緒にいる人がある日突然いなくなることもあり得る。そういう人との日常はいつ消えてもおかしくないと思い、一日一日の大切さを感じました。満の中で、浩一との時間は一日一日がすごく濃くなっていったんじゃないかなと思っています。だからこそ一日一日を大事に、誰か大切な人がいつ目の前から姿を消してしまっても後悔しないように生きようとこの作品を通して思いました。

――今回の作品を経て、今後演じてみたい役や作品はありますか?

小宮:今こうやって撮影をやり切ってみて、自分自身、すごく成長できたと実感がありますし、これからの役者人生の大きな一歩を踏み出せたと思える作品でした。これからももっともっと、チャレンジ精神でいろいろ演じて、見てくださる皆さんが自分のお芝居で感動して泣いてくれたり面白がってくれたりする役者になりたいと思います。

井上:僕は、激変する役をやってみたいです。人は一つの事故や事件で急変することもありますし、そういう役って感情の変化がすごくあって、見た目も中身も、目の輝きも変わっていくと思います。そういう激変する役を演じたい気持ちが一番強いです。あと話が少しそれるかもしれませんが、本作でご一緒させていただいた小林啓一監督と長編などでご一緒したいです。

――小林監督のどんなところに惹かれましたか?

井上:本当に、役者のことをすごく考えてくださる監督でした。役のイメージを話し合ったときもかなり一致していて、感性が合うのかなと思うところがあります。満足いくまでOK出さないですし、一緒に共同作業ができて楽しかったです。ですので、次は監督と長編でご一緒できたらうれしいです。

  • (C)「永遠の昨日」製作委員会・MBS