「自分の知らない世界を見るのが大好きなんです」と語る俳優・宮世琉弥。アンダーグラウンドな闇金の世界が描かれる『闇金ウシジマくん』に出てくる人たちには、「怖くて出会いたくない」と思いながらも興味津々だったという。そんなフィクションながらもリアリティのある世界が描かれるシリーズの新章となるドラマ『闇金ウシジマくん外伝 闇金サイハラさん』に宮世は参加することになり、新キャラクターを好演している。「10年続いているシリーズの世界観を壊さないように」とプレッシャーの日々だったという宮世が、本作の撮影で得たことや、自身の今後の目標などを語った。

  • 宮世琉弥

『闇金ウシジマくん』シリーズが始まった当時、8歳だったという宮世。母親が作品のファンだったこともあり存在は知っていたようで「とても怖い世界だな」というイメージを持っていたという。その後、年齢を重ねるにつれ作品に触れていくと「怖さ」が「面白さ」に変わっていった。そこには宮世自身が持つ「好奇心」が勝っていったから。「自分の知らない世界を見るのが僕は大好きなんです。『闇金ウシジマくん』に出てくるような怖い人には出会いたくはないのですが、とても面白いなと思って夢中になって観ていました」。

そんな作品に自身が参加することになった。「まったく想像していなかったことなので、全然実感が湧かなかったんです」と率直な感想を述べると「でも現場に入って山口監督と作品の話をしていくうちに『いまウシジマくんの現場にいるんだ』と現実として捉えられるようになりました。同時に、作品の世界観を崩さないように頑張らなければ」と背筋が伸びたという。

宮世が演じているのは、犀原茜(高橋メアリージュン)率いるライノーローンの一員になる硲悠斗(はざまゆうと)。役者志望だったが、ひょんなことから闇金の世界に迷いこんでしまう青年だ。

宮世は「『闇金ウシジマくん』の世界って、普通に常識を持ったキャラクターが今までいなかったじゃないですか。例えば道で人にぶつかったとき『ごめんなさい』って当たり前のことを言うキャラもいなくて(笑)。その意味で硲は、視聴者の方々と目線が近い人物なので、しっかり感情移入してもらえるように演じなければと思っています」と役へのアプローチ方法を語っていた。

本作の現場では、直前で台本が変わることが多かったという。「本番直前でセリフが変更になったり、追加があることがありました。セリフに追われて大変なことも多かったのですが、僕はそういう感じが好きなんです」と発言する。その理由について「現場の雰囲気や相手との関係で、シーンやセリフが変化するということは、それだけ演じる側にも自由度があるじゃないですか。監督からも『硲だったらこの場面どうする?』みたいに聞いていただけたので、アドリブも出せるなど、とても貴重な経験をさせていただきました」と語った。