――エメラナ姫役の土屋太鳳さん、ランの弟・ナオ役の濱田龍臣さんと共演されたときの印象を聞かせてください。
太鳳ちゃんはあのころからすでに、台本を読み込んで自分の役をどう演じるかをしっかりと考えていました。アベ監督に対して「自分はこう思うので、こう演じたい」とディスカッションが出来る人でしたから、この人はぜったい素敵な女優さんになるなという雰囲気がありました。
龍臣くんとは昨年、久々に再会できたんです。当時は9歳だったのかな。今ではすっかり成長し、立派な青年になっていて驚くと同時に感動しました。5年前、龍臣くんが『ウルトラマンジード』(2017年)の主演(朝倉リク役)に決まったというニュースを見たとき、涙が出るほどうれしかったです。映画を撮影していたころ、ロケバスの中で「ウルトラマンになりたいです」と話していたのを知っていますから。ああ、夢を叶えたんだなあ、よかったな……と思ったんです。
――ウルトラマンゼロへの変身シーンを撮影して、どんな思いを抱きましたか。
ウルトラゼロアイを目にあてて変身したんですけれど、両目に対して上がりすぎず、下がりすぎず、位置を定めるのが大変だったことを覚えています。しっかり目のところに合わせなければならない、集中力が必要だなって思いました。撮影のときは苦労ばかりでしたから、自分が「ウルトラマンに変身した!」と実感したのは完成映像を観たときです。「おおっ、俺変身したぞ!」と素直に感激しました(笑)。
――現在、お仕事の現場で「12年前、ウルトラマンゼロ/ランを観ていました」と声をかけられたりすることはありますか。
今回の『ウルトラマンデッカー』の現場で言われることが多かったですね。あるとき僕のところにきて「ゼロ THE MOVIEを観たのがきっかけで円谷プロに入りたいと思いました」と言ってくれた男性のアシスタントプロデューサーがいたんです。うわあ、ウルトラマンの影響力ってすごい。人の人生を決めているんだなと、その瞬間思いました。12年前から現在までずっと第一線で活躍されているスタッフの方もいらっしゃいますし、僕もこれまでの役者人生で培ってきたこと、経験してきたことをつぎこんで、全力で取り組まないといけないぞと、改めて決意しました。
――『ウルトラマンデッカー』出演にあたって、過去のウルトラマンシリーズをご覧になりましたか。
『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』(2021年)は『デッカー』と作品世界がつながってますし、楽しく拝見しました。もともと以前から、ゼロが出ている作品はぜんぶチェックしていたんです。『ウルトラマンジード』や『ウルトラマンZ』(2020年)、映画『ウルトラマンサーガ』(2012年)も観ています。
――カナタ隊員を演じる松本大輝さんの印象を、ウルトラマンの先輩としてお話してください。
最初に会ったとき、「なんだこの輝きは?」と驚いたくらい、さわやかな青年という印象でした。目がキラキラしていて、芝居に対してもまっすぐに自分を表現しようとしている。本人もカナタに通じるところがあるんでしょう。伸び伸びと演技をしていて、好感が持てました。後半では僕の演じるアガムスに、カナタがどう関わっていくかがポイントなのですが、大輝はまるでスポンジが水を吸収するかのように、僕の芝居を受けてどんどん動きが変わっていく。この作品に出演したことにより、着実に大人へと成長していってるわけです。すごいなあって感心しています。
――ますます盛り上がる『ウルトラマンデッカー』後半戦に向け、小柳さんからひとことメッセージをお願いします。
いつも『ウルトラマンデッカー』を応援してくださり、ありがとうございます。アサカゲがアガムスの正体を明かし、テラフェイザーにも異変が起こります。ぜひ最後のエピソードまでご覧いただいて『デッカー』の物語をお楽しみください。最後まで観ていただけるとわかるかと思いますが、アガムスには彼なりの「正義」が芯にあって行動しています。全話をご覧になった上で、改めてアガムスの目線で観返してみると、どのような印象になるでしょうか。そんな新しい観方ができる作品に仕上がっています。これからも、熱い応援をお願いします!
(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京