ダウ90000の主宰という立場としては、グループ以外のキャストを迎えるのも新しい挑戦だった。今回の小関裕太に関しては、「すごくいい人で、本当に小関さんで良かったなと思います。悩んだときにどうしたらいいかを聞いてくれる人で、やっぱり自分から言いに行くより絶対やりやすいんで、それが本当に良かったです」といい、「ドラマは2回目なんですけど、経験が少ない中で超怖いゲストに当たったらメンバーがドラマに苦手意識を持っちゃうじゃないですか(笑)。それがなくて本当に良かったなと思います」と安堵の表情を見せた。
今回、自身は「演出」としてクレジットされていないが、「会話パートのところは、自分が書いたときのイメージでやってほしいんで、ゆっくり話すところと速く話すところの感じとか、『このフレーズを立てて言ってほしい』とか、いろいろ要望しました」とのこと。その中で小関とやり取りして、「『こうやって読むパターンがあるんだ!』という、自分の中にない発声や演出をしてくれるので、すごく勉強になりました」と吸収していった。
■「尖ってると思われがちなんですよ(笑)」
佐久間宣行、東京03・飯塚悟志、いとうせいこう、爆笑問題・太田光など、著名人からその実力を評価する声が次々にあがり、注目を集めるダウ90000。今年に入ってテレビ出演が相次いでいる上、蓮見はこの『今日、ドイツ村は光らない』に加え、『ダウ90000 深夜1時の内風呂で』(フジテレビ)、第4回本公演『いちおう捨てるけどとっておく』と脚本執筆が集中したが、「ありがたいことに脚本のお仕事をたくさん頂いて、その1個1個が結構自信につながっているので、まだテレビに全然出てないくせに、あんまり緊張とかがないんです(笑)。本当にありがたいスピードで仕事させてもらっているという感じなんですけど、このペースで続けて枯れない人はいないと思うので、適度に休みながらやっていきたいですね」と本音を吐露。
テレビ出演で露出が増えることで、「あんまり良い言い方ではないですけど、コケたら喜ぶ人もいると思うんです。そうなるのは絶対嫌なので、ちゃんと評価からは目を背けずに頑張っていきたいと思います」と、穏やかな語り口ながら熱い思いを語る。
また、「なんか尖ってると思われがちなんですよ(笑)。“大衆の評価が低くても、自分たちがやりたいことをやれてればいい”と思われてる節があるんですけど、テレビで流れる以上はいろんな人に楽しんでもらいたくて作っているので、次につながるように全部頑張りたいと思います」と謙虚に意欲。
さらに、「メンバーのみんなは役者をやりたくて、テレビに出たりしたいという気持ちがあると思うんですけど、僕は最終的に今のメンバーで舞台を続けてできればいいので、やっぱり劇場にどんどんお客さんが来てくれればいいなと思います」と、ファン層の拡大にも期待を示した。
●ダウ90000
蓮見翔、園田祥太、飯原僚也、道上珠妃、上原佑太、忽那文香、中島百依子、吉原怜那による8人組。「はりねずみのパジャマ」を前身とし、主宰の蓮見と日本大学芸術学部出身のメンバーを中心に、2020年9月に旗揚げ。第2回本公演『旅館じゃないんだからさ』で、脚本の蓮見が「岸田國士戯曲賞」の最終ノミネートに残り、ダウ90000としては今年7月に行われた「第43回ABCお笑いグランプリ」で決勝進出を果たすなど、演劇界、コント界で注目を集める。