この企画が放送され、検証結果が明らかになるたびに、SNSでは「#チャンありがとう」というハッシュタグを付けた視聴者の感謝の投稿が続出するようになった。そのすべてに目を通すというチャンは、SNSに対しての印象が大きく変わったという。
「僕、SNSって人のはけ口の場所だと思ってて、嫌いだったんですよ。だから、放送で『“#チャンありがとう”って書いたら見るわ』って言ったんですけど、それはイジられに飛び込んだつもりだったんです。でも、本当にいい言葉があふれていることが意外で、こんなにエールが集まってくる場所なんだって教えてくれたのはこの番組だし、行動してくれたのは視聴者の人たちですよね。それ以来、カメラに向いてしゃべるときは、その向こうの視聴者さんがそばで見てくれていると思って、(検証を)やってて寂しくなくなりました。だから『#チャンありがとう』は、ありがたいです」
今や、この企画以外の放送後でもSNSでエゴサーチするようになったそうだが、「他の番組に出ても『#チャンありがとう』が付くようになって(笑)。『天才てれびくん』で子どもたちと遊んでも、剣道でボコボコになっても、朝の情報番組で何かやっても付いちゃうから、いつの間にか僕の表札にみたいになってますね」と、番組の枠を超えた浸透に驚いている。
■担当ディレクターの不安を払拭したチャンの姿勢
このように、チャンが多くの人に愛される理由は何か。同企画を担当する河原一貴ディレクター(極東電視台)は「実際にチャンさんは3日間やって、すごい時間をかけてくれるんですけど、OAの時間は決まってて、『消化すること4時間』という画もワンカットで次に行っちゃうので、“ヤラセ”とか“食べてる風でしょ?”とか言われるんじゃないかという不安があったんです。でも、チャンさんのコメントや、実際に向き合う姿勢が真面目なんで、こっちが編集で短くしようが、本当にやってることが伝わるんですよね。それはすごいありがたいなと思って、そういうところが魅力なんだと思います」と分析。
それを踏まえ、「この企画はテレビであってテレビじゃない、なんとなく僕の中で“観察日記”だと思ってるんです。チャンさんは苦しかったら『苦しい』と言ってくれるし、意外と食べられるものは『食べれる』とリアルを言ってくれるので、そこで自分が『へぇ』と思ったことをつないで、皆さんにお伝えしてるという感じです」と、編集において意識していることを明かした。
チャンを起用したのは、20年来の付き合いがあった番組総合演出との信頼関係が1つの理由。最初に挑んだ「1週間ずっと目にいいことを続けたら視力は回復するのか」での好反響を受け、「ゆでたまご」で3日間の食べ物シリーズがスタートしたが、「リポートがうまいし、真面目だし、おいしそうに食べてくれる。やってみて、どんどんチャンさんにお願いして良かったなと思います」と、想定以上のハマりっぷりに手応えを感じている。
●チャンカワイ
1980年生まれ、三重県出身。00年にえとう窓口とお笑いコンビ「Wエンジン」を結成し、「惚れてまうやろー!」のフレーズで人気に。ロケリポーター・生中継で年間200日以上全国各地を飛び回る。現在は『それって!?実際どうなの課』(中京テレビ)のほか、『天才てれびくんhello,』(NHK Eテレ)、『Color Your Time!』(TOKYO FM)、『スイッチ!』(東海テレビ)、『ラヴィット!』(TBS)、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)、『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京)、『昼めし旅』(テレビ東京)、『なりゆき街道旅』(フジテレビ)、『所さんお届けモノです!』(MBS)、『静岡発そこ知り』(静岡放送)などに出演する。