――堤監督が、田中さんについて、「天才的に僕のリクエストに応えるのがうまい」と言っていたのですが、ご自身としてはいかがですか?

堤さんのリクエストって、一瞬「えっ!?」ってなるような突飛なことを言われるんです。そこに対して、僕は「何でも大丈夫です」っていう性格で、「どういうことですか?」とならないです。もちろん、堤さんへの信頼はありますし、僕も堤さんの演出が好きなので。

――シリーズものの醍醐味は何でしょうか。

やはり、また同じ役をやれるというのは、純粋にうれしいです。役と俳優のシンクロ度が当然上がりますし、キャスト同士の関係値も高くなってますし、それはスタッフさんともそうですね。作品への愛情も、単発でもすごいわくのに、それをシリーズでやれるというのはすごくうれしいし、見てくれる方の輪が広がっていきますよね。シーズンが続く作品っていうのは、俗に言うヒットと呼ばれるものなので、『死神さん』も続くと良いなと、個人的には思います(笑)

――配信のドラマということで、地上波との違いは感じますか?

あんまりないです。やっていることは基本一緒ですが、地上波ではできないけど、配信でできることがあると思います。

地上波でも配信でもやっぱり多くの人に見てもらいたいです。だから『死神さん2』の前に、前作『死神さん』が地上波で深夜に放送されると聞いて、すごく良かったなと思います。

■キリがないんで「ま、いっか」

――儀藤は過去の冤罪事件を再捜査するという役柄ですが、田中さんご自身が過去に戻ってやり直したいことはありますか?

僕、びっくりするくらい過去に興味がないんです(笑)。たしかに、やり直したいことなんて考えれば山ほど出てくるのですが、もうキリがないんで、「ま、いっか」っていう感じです。

――作品に途切れなく出続けている印象があるのですが、そこで夢中になって走っているというのもありますか?

それもあるかもしれないですね。やっぱり、今やっている作品を「代表作です」と言いたいという思いで常にやっているので。

――では最後に、今作の見どころをお願いします。

『死神さん』シリーズの魅力というのは、クセの強いキャラクターと、事件解決までの爽快感と、毎話変わる相棒というのがありますが、もちろんそれが継続されたまま、今回は相棒以外にも「えっ、なんでそこに何で出てくれたの!?」っていう豪華な方がいらっしゃるんです。そこでも、何度もお会いしたりお仕事している人がたくさんいらっしゃって、すごく楽しいので、それが映像に出てると思います。

あとは、僕の個人的な感覚ですが、ミステリーがすごくパワーアップしたと思っています。「1」のときより、儀藤と一緒に事件を解決した気になれるんじゃないかという感じもするので、ぜひ儀藤の相棒になったつもりで、楽しんでいただければと思います。

●田中圭
1984年生まれ、東京都出身。03年にドラマ『WATER BOYS』(フジテレビ)で注目を集め、18年に主演ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日)で大ブレイク。近年の主な出演作は、ドラマ『ナイト・ドクター』(フジテレビ)、『らせんの迷宮 ~DNA科学捜査~』(テレビ東京)、『持続可能な恋ですか? ~父と娘の結婚行進曲~』(TBS)、映画『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』、『総理の夫』、『あなたの番です 劇場版』、『女子高生に殺されたい』など。今後、10月14日に映画『耳をすませば』、12月2日に『月の満ち欠け』が公開、11月に主演舞台『夏の砂の上』が上演される。