――クールな道長は、杢代さんの素の部分と共通していますか。

ぜんぜん違うと思います。僕自身は戦ったりするのが好きではありません。争いを好まない「平和な人」という願いを込めて、両親が「和人」と名前をつけてくれましたし(笑)。ですが、道長という役を、全力で演じていきたいと思っています。

――衣装にはどんな特徴がありますか。

普段は工事現場で建設作業員をしている設定なので、いま着ているのは作業着なんです。すぐ現場に行くことができて、動きやすい服。でも最近の作業着はとてもオシャレになってきているので、機能性に加えて見た目のよさも意識されています。

――髪型もワイルドでカッコいいですね。

この髪型は、オーディションに行ったときと同じなんです。この髪型、髪色で合格したのですが、実は撮影に入る際、髪全体を染めてみたいと思っていました。衣裳合わせの際、中澤祥次郎監督から「メッシュで行こう~」と言われまして(笑)、このままの髪で演じることになりました。この髪型、髪色の再現ってすごく難しいんです。部分的に染めなければならなくて、ヘアメイクさんがこれから1年、大変になるんじゃないか……と心配しています(笑)。

――道長が変身した姿=仮面ライダーバッファの姿を見たとき、少年心が騒いだのではないですか。バッファの印象について聞かせてください。

そりゃもう、少年心騒ぎまくりでした(笑)。撮影が始まったころは世間にまだ『ギーツ』の情報が流れていなくて、自分は本当に仮面ライダーをやれているんだろうか?と不安な気持ちになるんですけれど、初めて「変身」シーンを撮ったとき、しみじみ「仮面ライダーになったんだなあ」と実感がわきました。「変身!」というセリフを言うことができて、うれしさがこみあげてきました。同時に、身が引き締まる思いになり、仮面ライダーバッファとして頑張っていこうとより闘志が燃えました。

――他のドラマ撮影とは違う、仮面ライダーの現場ならではだと思った出来事は何でしょう。

自分が「変身」できること。そして、スーツアクターを務める縄田雄哉さんと2人で1人(道長)の役を作り上げることです。これは他のドラマの現場では、ぜったいに味わえない体験です。最初のころは縄田さんとずっと一緒にいて、台本を読みながら縄田さんと「こんなとき道長はどうするのか」と演技について相談しました。こんな状況ではこういう動き、ここではこんな芝居……と、一緒に役を作っていったのが強く印象に残ります。共通の認識をどんどん増やしていった結果、いまでは台本にそって細かく打ち合わせをしなくても、お互いの動きの特徴がわかるようになってきました

――変身後のバッファに自分の声を「アフレコ」する作業について、どう思いましたか。

最初はすごく難しいなと思いました。これから何度もアフレコを繰り返して、経験を積み重ねていくことが大事だなと考えています。自然な形でバッファから自分の声が出ているような芝居をする、そしてバッファに道長の気持ちが入っていると思ってもらえるよう、日々努力しながらやっていきたいです。

――現在、撮影に明け暮れる毎日の中で、何か「楽しみ」を見つけられたことはありますか。

アウトドアの趣味があるので、これまで観たことのない景色を見たいという思いが強いんです。だから初めて行く現場に出かけると、テンションがグッと高まります。スケジュールを確認して、今日はロケ(移動)だなと思うと楽しみになります(笑)。

――多数のライダーがしのぎを削る「生き残りゲーム」が展開する『仮面ライダーギーツ』。放送開始にあたり、杢代さんから見どころをご紹介してください。

『仮面ライダーギーツ』は多人数の仮面ライダーがデザイアグランプリに参戦しますが、ひとりひとりに複雑な背景があり、彼らそれぞれに「叶えたい想い」があります。その中でも、バッファ/道長がどんなに強い願いを抱いているかに注目してください。道長の素性がドラマの中で明かされていくうち、視聴者のみなさんの共感を呼ぶことのできるキャラクターになっていくかと思います。これからの応援を、どうぞよろしくお願いします。

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