自分をとことん追い詰めて役とのシンクロを目指しているからこそ、「辞めたいと思ったこともあります」と明かす。
「心をものすごく使う仕事だから、自分の感覚が削がれていく感覚があって。家に帰ると何もしたくなくなるんです。僕、何がしたいんだっけ、何が楽しいんだっけって。心が動いたほうがいいはずなのに、オフになるとそっちまでオフになるから、ヤバい! 自分がいなくなるぞ! という感覚になるときがあります」
さらに、「皆さんが思っている山田裕貴と、本当の山田裕貴は、イメージ通りのところもありますが、全然違ったりもする。そうすると、皆さんのイメージに合わせて生きなきゃって思い、普段の僕じゃないってなるんです」と、世間のイメージとのギャップに悩むことも。「明るくてふざける人だって思われているから、バラエティで面白くしなきゃって頑張りすぎたりしてしまうこともある」と打ち明けた。
心の疲れがたまると「僕のことを誰も知らない場所に逃げたい」という気持ちに。その思いは、昨年爆発しそうになったという。
「全部辞めて世界中を回ろうかなと思いました。そんなお金があるかどうかは別として、絵とかやったことないのに世界中を回って絵を描きたいと。知らないことが多すぎると感じ、文化の違いや人間の違いをもっと知りたいと思って」と振り返り、「一番注目していただいた頃ですね。ものすごくありがたいことですけど、一気に僕を見る目が増えて逃げたくなってしまったのかもしれません」と分析する。
結局、休むことはせず踏みとどまった山田。「僕が1年間休んだらいろんな人に多大なご迷惑をかけることになるから、そんなことはできない。自分のためではなく人のために生きています。応援してくださっている皆さんのためにも」と述べ、「原動力というか、使命です」と表現した。
そして、「こうなりたい」と思い描いてきた想像を超えた状況になっているからこそ、この先は「わからない」という。
「僕の意思じゃないところで動いていることばかり。『今年の顔』になったのも、『え! 俺が!?』みたいな。そういうことばかりなので、もう手に負えないんです(笑)。これからどうなっていくかわからない。まだまだですけど、いつもマネージャーさんに『とんでもないことになってきたね』って話しています」
心がすり減る大変さや、人気者ゆえの苦悩も抱えつつ、山田は「僕はエキストラからやってきているので、めちゃくちゃうれしい! 夢だった『ONE PIECE』の声優が叶ったり、朝ドラや大河ドラマに出演させていただいたり、本当にありがたいなと思っています」と喜びをかみしめる。
ワタナベエンターテインメントでは現在、次世代を担う新人俳優を発掘する「WE ACTオーディション」とダンス&ボーカルグループ候補生を募集する「D-BOYS SINGオーディション」を同時開催中。山田は「やりたいことをやったほうがいいと思うので、本気でやりたいと思う方はぜひ受けてみてほしいです」と呼びかけた。
1990年9月18日生まれ、愛知県出身。2010年、「D-BOYSスペシャルユニットオーディション」のD-BOYS部門でグランプリを受賞し、ワタナベエンターテインメントに所属、同年D-BOYSの弟分ユニット・D2に加入した。2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』ジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役で俳優デビュー。以降、『特捜9』シリーズ、連続テレビ小説『なつぞら』、『ここは今から倫理です。』『志村けんとドリフの大爆笑物語』などのドラマに出演。映画では『HiGH&LOW』シリーズ、『東京リベンジャーズ』『テン・ゴーカイジャー』『燃えよ剣』『余命10年』などに出演。現在は、連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演中。『オールナイトニッポン X(クロス)』月曜パーソナリティも担当。2023年大河ドラマ『どうする家康』への出演も決まっている。
ダンス&ボーカルグループ候補生を募集する「D-BOYS SINGオーディション」と、次世代を担う新人俳優を発掘する「WE ACTオーディション」を同時開催。両部門とも合格者には無料でレッスンできる環境を用意。1次面接は、全国4都市(東京・愛知・大阪・福岡)で開催するほか、オンラインでの参加も可能。