――今回は「日本最古のアカペラを生み出した侍」という設定ですが、現在アカペラグループが多く存在する中で、1991年に結成されたゴスペラーズさんも「パイオニア」という自負はありますか?
黒沢:パイオニア、というよりは「切れかけていたハーモニーグループの流れをつなげ直した」という感じです。昭和初期からモダンなボーカルグループは居ましたから。ラッツ&スターから後に存在感を出せてなかったボーカルグループという存在をまた盛り上げた、という自負はありますが。
酒井:マイナーだったアカペラを始めて、武道館まで行けるとは思っていませんでした。そこから、新しい何かへの挑戦モードがずっと続いています。この『アカペラ侍』も、そんなチャレンジのひとつです。
――『笑っていいとも!』へのご出演で一気に知名度が広がった印象がありますが、その経験が今に生きていることはありますか?
安岡:大学生でもありましたから、本番終了後、アルタから授業に直行。「さっきまでテレビに出てたのに」と、クラスメイトに不思議がられていました。でも、正真正銘の生放送で、「どうぞ」と言われれば何があっても歌わなければならない緊張感は、僕らをプロに育ててくれたと思っています。
――改めて、『アカペラ侍』の見どころをお願いします。
村上:「どんなこともハモリで解決できる!」。このポジティブなメッセージでいろいろ押し切ってしまう、ちょっと強引な(笑)ストーリーに共感してもらえるとうれしいですね!
――今後の展望は、いかがでしょうか?
村上:『アカペラ侍』のアニメでのシリーズ化と、劇場での舞台化が夢です!
●ゴスペラーズ
1991年に結成し、メンバーチェンジを経て94年「Promise」でメジャーデビュー。96年から『笑っていいとも!』(フジテレビ)のコーナー「じゃあ何と言っておるのだ!」にレギュラー出演、98年から『ニュースステーション』(テレビ朝日)のオープニングテーマ「靴は履いたまま」を担当。00年「永遠(とわ)に」、01年「ひとり」がヒットし、同年から『NHK紅白歌合戦』に6年連続出場。ライブツアーのほか、99年から開催している冬の苗場公演、演劇スタイルのシアトリカル公演など多彩に活動し、近年はアカペラスタイルでロックフェスに出演して話題となった。