ワタナベエンターテインメントが、次世代を担う新人俳優を発掘する「WE ACTオーディション」とダンス&ボーカルグループ候補生を募集する「D-BOYS SINGオーディション」を同時開催。現在参加者を募集している。数々の話題作に出演し、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』出演も話題の瀬戸康史(34)も、オーディションをきっかけに同事務所に所属した。だが瀬戸は芸能界に興味があったわけではなく、知らない間に母親が応募したのだという。「そんな僕がなぜ16年も続けられているかといったら、やはり表現者という職業がとても魅力的だからだと思います」と瀬戸は語る。
瀬戸は、2005年にワタナベエンターテインメントの男性俳優集団・D-BOYSのオーディションで準グランプリを受賞。同年12月にD-BOYSに加入し、芸能界デビューを果たした。
「母親が勝手に事務所のオーディションに応募してたまたま受かったという人間なので、夢や希望があって俳優という職業に就いたわけではないんです。人生180度くらい変わりましたが、今ではオーディションに応募した母親にも感謝していますし、僕をとってくれた事務所にも感謝しています」
それまでは俳優になりたいという願望は全くなかったという。「僕が育ったところは福岡県の田舎なので、遊びといえば田んぼとか山とか。もともとは全く芸能界に興味はなく、獣医を目指していました。でも受かったので、ちょっとやってみようかなという気持ちで始めました」
そして、「そんな僕がなぜ16年も続けられているかといったら、やはり表現者という職業がとても魅力的だからだと思います」と言うも、「最初は意地でした」と振り返る。
「辞めたいと思ったことはもちろんありましたが、そこで逃げるのはカッコ悪いと思ったし、まだ2、3年しか続けていないのに辞めるのはどうなんだろうと思って。最初は意地でしたが、いろんな現場を経験していき、どんどん自分の心が豊かになっていくのを感じ、そこに魅力を感じるようになっていきました」
意地ではなく、俳優という仕事を続けていきたいと感じるようになった転機を尋ねると、「一気に変化したわけではなく、いつの間にかそうなっていた感じ」とした上で、舞台『マーキュリー・ファー』(2015)への出演は俳優としての一つの転機になったと明かす。
「白井晃さんが演出で、高橋一生さんと共演したのですが、そのときに白井さんから『芝居だけど芝居をするな』と言われ、意識が変わった気がします。それまでは見せよう見せようという芝居をしていましたが、そこからは作品や役に馴染むことを意識し始めた気がします」
また、大きな壁にぶち当たった経験を尋ねると「ぶっちゃけ壁はあまり感じたことがないです」と答え、「作品を決めるときに、自分が演じているのが想像できないような作品を選ぶようにしていて、壁を設けていますが、それくらいなので。乗り越えられないほどの壁はなかったです」と説明。
辞めたいと思ったのも、芸能界に入った初期の頃だけだったそうで、「ただ単につらくて辞めたいと思いましたが、その時点で辞めるのはカッコ悪いなと思ったので。辞めたいという気持ちはその程度だったということですね」と振り返る。
どの作品も楽しみながらできているそうで「それが一番だと思います。そうでないと続かないと思うので」と瀬戸。そして、俳優という仕事を心から愛している。
「毎日同じことなんてほぼないんです。そこが本当に幸せだなと思います。共演者や監督、スタッフ陣などいろんな方に出会えて、いろんな価値観に触れられることがとても楽しいですし、頭も心もずっと動いている感じがしていて、それが魅力だと思います」