――『仮面ライダーリバイス』のテレビシリーズもいよいよ最大のクライマックスが近づいてきました。撮影が始まった日から現在までの約1年間を改めてふりかえって、どんな感想を抱きますか。

思えば、大二役の日向(亘)くん、さくら役の(井本)彩花ちゃんには助けられました。2人に比べて、僕は演技の経験がほとんどない状態で撮影に入りましたので、弟・妹として支えてもらい、感謝しています。

――前田さん自身が『仮面ライダーリバイス』に出演されて成長したなと感じるのは、どんなところですか。

経験が足りないため、最初はどんなことにも緊張していて、自分から前に出ようとしなかったところがありましたが、最近では『仮面ライダーリバイス』の「座長」をやらせていただいています!という自覚を持ち、少しずつではありますが堂々とふるまうことを心がけています。1年間『仮面ライダーリバイス』をやって、自信がついてきたんじゃないかと思っています。

――仮面ライダーバイス/悪魔バイスを演じられた永徳さん、そしてバイスの声を担当された木村昴さんという2人のバディについての思いを聞かせてください。

最初にバイスの芝居をつけるのは永徳さんで、現場では永徳さんと僕でこういう動きはどうかなとか、こういうことをやりたいとか、常に相談しあっていました。一輝とバイスの2人だけでいるシーンも多かったですし、永徳さんにも助けられました。そして、永徳さんの芝居に昴さんの声が加わることで、バイスにさらなる魅力が乗っかってくるので、僕も変身後の仮面ライダーリバイに声を入れるときは、昴さんになんとか追いつけるよう頑張りました。

――木村さんは常々「俳優として『仮面ライダーリバイス』に出演したい」と希望されていて、第30、31話では念願叶って「一輝の先輩で声優の木村昴」役でゲスト出演されました。いつもはアフレコでご一緒されている木村さんと、現場で共演されたご感想はいかがですか。

すごく楽しかったです。でも昴さん、「自分役」を演じるって難しそうにしていましたよ(笑)。僕自身、前田拳太郎役で芝居をして、と言われたら戸惑うと思います。

――ご自身のお気持ちをそのまま出すことになる、バラエティ番組についてはいかがですか。

初対面の方と話すのが苦手なので、これまで2回くらいしか出ていませんけれどバラエティ番組はものすごく緊張します。これから、少しずつ慣れていくことができたらいいなって思っています。

――SNSなどでファンの方から応援してもらって、元気を出すことってありますか。

それはもう、いつも励まされています! たとえばすごく落ち込んだ日であっても「今日の一輝のここがよかった」なんて言葉を見かけると、「ちゃんと見てくれている人がいるんだな」「褒めてもらえるんだな」と思って、これからも頑張ってみよう! と前向きな気持ちに切り替えることができます。仮面ライダーファンのみなさんは、常に僕の気持ちを高めてくれる、大切な存在です。

――ファンのみなさんといえば、5月4・5日に東京・グランドプリンスホテル新高輪で開催されたトークショーなどで、キャストとファンとの交流が見られました。ここ数年は「コロナ禍」の影響でイベント関係が少なくなっていましたが、今年は条件付きながらも開催が実現してよかったですね。

僕たちキャストも嬉しかったです。感染対策のため客席のみなさんから「声」を出すのを我慢してもらっていますが、拍手であったり、それぞれのキャラ名が書かれたウチワとかペンライトを掲げてもらったり、すごく気持ちが伝わってきます。ステージ上でちょっと「ボケ」的なコメントをしても、声がないので「あれ、すべったかな」と不安になったりもするんですけど(笑)ちゃんとリアクションしてもらえて、みなさんの温かさを実感しました。

――前田さんがこの1年間の『仮面ライダーリバイス』撮影を通じて、身に着けた「技」があれば、教えてください。

もともと朝早く起きるのが苦手だったんですけど、『仮面ライダーリバイス』の集合時間は朝5時半とか、すごく早いんです。前の日の晩、撮影が終わって帰宅し、台本でも読もうと思っているとすぐ次の日になってしまうんです。寝なくなったといっても、体調を崩したことはありません。撮影の日々で、体が強くなったんじゃないかと思います。

――『仮面ライダーリバイス』で先輩俳優の方たちと共演し、影響を受けたことはありますか。

一輝のお父さん・元太役の戸次(重幸)さんとは1年を通じてお話をする機会が多くありました。お芝居についてのアドバイスや、台本の上で気になったところについてご説明していただいたことがあります。また、フェニックスの長官・赤石役の橋本じゅんさんからは、待ち時間などで「今の芝居はこうしたらどうか」とか、ご自身の意見をはっきり言ってくださり、すごく刺激を受けました。

僕は演技の経験が少ないため、どうしても「これが正解」という芝居でなければダメだと思いがちなんですが、橋本さんは「必ずヒットを打たなくてもいい、ファウルでもいいからいろんな芝居に挑戦して、自分の振り幅をつくっていくのが大事だよ」とおっしゃってくださいました。この言葉を聞いてから、求められていることだけをやるのではなく、自分のやりたい方向に大きく振ってもいいのかなと考えられるようになりました。まさに橋本さんの言葉によって、考え方が変わったんです。

――改めて、いよいよ公開される映画の見どころを教えてください。

五十嵐三兄妹のアクションが満載されているところもそうですけれど、『仮面ライダーリバイス』の1年間で僕たちが培ってきたすべてがこの映画の中に詰まっています。ぜひ劇場の大スクリーンで映画をお楽しみください!