――先日、樋口さんと富永さんのデュエットソング「月ノミゾ知ル。」の情報が公開されたときもすごい反響がありました。歌の出来栄えについてはいかがでしょう。

タロウとソノイとの関係を、ファンのみなさんが応援してくれたからこそ出来た曲だと思います。自信ですか? 僕、歌上手いですから(笑)。富永くんも普段アフレコで一緒に声を出しているときから「いい声だな」と思っていて、この2人で歌うならきっといい曲になるという予感がありました。

――ドン15話「おかえりタロウ」では、ドンドラゴクウ/桃谷ジロウ(演:石川雷蔵)の回想で、高校時代のタロウの姿が描かれました。不良グループにケンカを仕掛けられながら、自分からは絶対に手を出さない高校生タロウを演じたときの感想はいかがでしたか。

ずっと「学園ドラマ」に憧れていましたから、あのときの撮影はうれしかったですよ。久しぶりに黒髪になれたのもよかったです(笑)。ジロウ役の雷蔵ともすぐ「サウナ行こうぜ」と言って、仲良くなりました。今までの5人にジロウが加わって、より騒がしくなりそうなので、これからの展開も楽しみにしていてください。

――これまでにもタロウ自身のアクションシーンを経験されたと思いますが、今後、もっと激しい立ち回りにチャレンジしてみたいと思われますか。

ドン9話で、タロウの状態でザングラソードを振るシーンがありましたが、このとき改めてアクション部の方たちのすごさを痛感しました。現場に入って、アクション監督の福沢博文さんから指示を受けると、みなさんは瞬時に理解して立ち回りをこなしてしまう、アクションの天才たちですから。僕もこれからもっといろいろなことを経験し、アクションを磨いていきたいと思っています。

――今後の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の注目ポイントを教えてください。

お供たちと出会って、タロウの中に少しずつ「人間性」が生まれてきました。最初のころから比べると、はるかたちにちゃんと寄り添えるようになったのがすごいと思います。これからタロウがどんな成長をしていくのか、僕自身が井上さんの脚本を楽しみにしているのですが、みなさんも期待していてください。基本はコメディタッチでストーリーが進んでいますが、その後ろにはシリアスなドラマが潜んでいる、それが『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の魅力だと思います。

――そして、いよいよ映画『暴太郎戦隊ドンブラザーズTHE MOVIE 新・初恋ヒーロー』が公開されますね。

映画の感想は「楽しかった!」このひと言に尽きます。僕にとって初映画、初主演ですから、感慨深いものがあるなあと思って台本を読んだら、まさかの内容で驚きました(笑)。

――テレビシリーズとは違う、映画ならではの特色があれば教えてください。

「映画の撮影現場」を舞台にしたドタバタ色の強い作品で、台本をいただいたときは面白いと思いましたが、劇中で僕が演じる高校生の「ヒロ」役がなかなかつかめずにいて、こはくと田崎竜太監督(※田崎監督の「崎」は立つ崎が正式表記)とで、綿密な打ち合わせを行いました。いろいろと考えて、ヒロのキャラクターはお笑いコンビ「ぺこぱ」の松陰寺太勇さんと、漫画『今日から俺は!!』の賀来賢人さんが演じた三橋役を組み合わせて作ってみました。テレビでのタロウとはひと味違った、面白いキャラクターが演じられたんじゃないかと自負しています。

――ゲストの方たちと共演されたご感想はいかがですか。

黒岩監督を演じられた姜暢雄さんとはご一緒する場面が多く、同じ兵庫出身というのもあって、すごく仲良くさせていただきました。姜さんの出演していたドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(2007年)が好きでよく観ていましたから、そのころのお話を聞かせてくださったりして勉強になりました。三枝プロデューサーの島崎和歌子さんとも、現場でよくお話をさせていただきました。ほんわかとした雰囲気があり、まるで息子を見守るかのような目線で(笑)優しく接してくださいました。

――最後に、樋口さんイチオシの映画の見どころをお願いします。

映画ではタロウ、ドンモモタロウ、ヒロが「3役か?」と思うくらいぜんぜん違う方向のキャラクターになりました。タロウがヒロを演じているわけなんですけど、テレビのタロウがぜったいに見せなかったような表情、動きをするので、そこに注目していただきたいですね。どちらかといえば、ヒロのほうが素の自分に近いかもしれません。大好きな「学園ドラマ」の世界に入れた喜びもあって、張り切って取り組んでいます。たくさんの人たちに映画を楽しんでもらいたいですね!