――ご自分(イヌブラザー)のフィギュアが置いてあるか、チェックしたりするのですか。
僕自身が玩具売り場を見に行くのが好きですし、やっぱりお子さんが実際に手にとってくださるかどうか気になるんですよね。
――子どもたちがイヌブラザーを買ってくれるかどうか、柊太朗さんが物陰からじっと見つめていたりして……。
それじゃ、逃亡中の翼よりも怪しいじゃないですか(笑)。ドンブラザーズ関連の商品は人気があると聞きまして、僕たちもうれしく思っています。
――ストーリー面で気になるのは、キジブラザー/雉野つよしの最愛の妻「みほ」と翼の恋人「夏美」が、どうも同一人物であるらしいですが、現在のみほには翼と過ごしていたころの記憶がまったくないところですね。ドン17話「ひかりとつばさ」で、翼と夏美の過去が描かれましたが、まだまだ謎が多いようです。
僕も先の展開がわかっていないので、今は何とも言えません。ときどき、柊太朗と鈴木浩文として、2人で話し合ったりすることがありますが、「つよし&みほ」のシーンと「翼&夏美」のシーンをやっていると、やっぱりお互い複雑な気持ちになるんですよ。撮影現場が近くだったときは、僕がヒロさん(鈴木)のところに行ったり、逆にヒロさんが僕らのところに見に来てくれたり、「ああ~そっちはそうなっているんだね」なんて、1人の女性を取り合っているみたいな、複雑な思いが渦巻きます(笑)。でもそういう気持ちになったほうが、今後の芝居にも活きてくるのではないかと思っています。
――警察に追われるハードな日々を過ごす翼ですが、回想シーンで夏美と一緒にいるときは楽しそうな笑顔が印象的です。
現在の翼と回想シーンの翼とでは、意識的に演じ方を変えています。「犬」って、見知らぬ人には警戒心を抱くけれど、心を許した人には懐くじゃないですか。イヌブラザーとしては、普段はクールでいるけれど、愛する女性といっしょにいるときは、意外とにこやかにしている……といったイメージで、現実と回想を演じ分けています。
――素の柊太朗さんは、クールな翼、明るい翼のどちら寄りですか。
うーん、中間くらいですかね(笑)。僕自身はクールな部分も明るい部分も、どちらも持っていると思います。翼としては、夏美と寄り添っているときのデレデレ感を出せば出すほど、現在の逃亡者としての過酷さがより際立つんじゃないかって考えているので、両極端に見えるんだと思います。
――ドン11話「いぬのかくらん」で意識を失っていた翼に、夏美(みほ)が何やら怪しい行動を取っていました。新田桃子さんとは演技についてどんなお話をされていますか。鈴木さんを交えて相談することはありますか。
新田さんとは現場でご一緒する機会が多いので、芝居に入る前「ここはこうしようか」「私はこうするね」と話し合っています。新田さんは、みほと夏美の他にも別の人格があるかもしれない役なので、シーンによっては難しそうにされていますね。また、僕とヒロさんでお互いの役について話すことはありますけど、新田さんを交えて3人で話したことはないんですよ。
――ドン17話では、翼がかつて「売れない劇団員だった」という事実が明かされました。この回は翼のあまりにもインパクトの大きい「悪魔」姿が話題となりました。あそこまで大胆な悪魔のコスチュームとメイクを施したのも、翼の役者としての情熱ゆえのことなんですね。
この回で翼と夏美の過去が明かされて、かなり芝居がしやすくなりました。田辺の恋愛を応援する翼はいつもと違って「変顔」とかもあり、意外と感情豊かなんだなって思ってもらえるんじゃないでしょうか。「悪魔」になったのは自分にとっても衝撃的でした。ここまで飛んだ役は今までにもなかったので、全力120%で挑みました。あの悪魔の格好でロケバスに乗っていたら、ゲストの田辺役・平田雄也さんからしばらく気づいてもらえませんでした(笑)。
――平田雄也さんとの共演についてはいかがでしたか。
役者としては先輩ですし、現場ではずっと気さくにお話させていただきました。芝居についてアドバイスをもらったりして、とても楽しかったです。
――執念深く翼を追う刑事で、後に獣人(ジュート)となる狭山健児役・杉本凌士さんとはかなり激しいアクションを披露されていますね。
狭山と翼の格闘シーンは、杉本さんから「もっと遠慮なく来ていいよ。少し力が入ってるほうが、こっちもやりやすい」と言われて、思いっきり胸を借りて臨みました。こんな風にちょっと声をかけてくださるだけで、僕もすごくやりやすくなりましたし、演技についての情熱を感じられました。
――3人の脳人(ノート)では、宮崎あみささん演じるソノニとからむシーンが多いですが、ソノイの富永勇也さん、ソノザのタカハシシンノスケさんと現場で一緒になることはありますか。
まだソノニとしか直接対話していなかったんじゃなかったかな?くらいの印象ですね。あみさちゃんからは、翼のモノローグシーンを撮っているとき「ほんとにここでしゃべっているみたい」と、芝居を褒めてもらえました(笑)。
――いよいよ公開の映画『暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー』では、ドンブラザーズのメンバーがなぜか映画に出演するという筋書きなんですね。
映画の中で、みんなで映画に出るという。元劇団員の翼としては、これはもう張り切るしかないでしょう(笑)。ちゃんと翼の「役者魂」のようなものはお見せできていますので、期待していてください。ちょっとテレビの『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』とは違う雰囲気じゃないかと思われるかもしれませんけど、だんだん『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』らしい展開になっていくと思います。
――映画のゲストで、特に印象に残った方はどなたでしょうか。
翼としては、黒岩監督役の姜暢雄さんとしか絡みがなかったんです。姜さんはすごく気さくな方で、合間に冗談を言って場を和ませてくださいました。現場での立ち振る舞いや、スタッフさんとの接し方など、すごく勉強になりました。
――映画での翼の見どころを教えてください。
いつもテレビで見せている翼とは、まったく違う雰囲気の翼をお見せできると思います。はるかと翼が一緒にいるシーンは特にギャグ要素が強くて、ぜひ観ていただきたいですね。映画と同時に、テレビのほうも応援よろしくお願いします! これからの展開はまだ僕たちも知らないので、これから「みほ・夏美」問題がどうなるのか、そもそもなんで翼が逃亡者になったのかなど、いろいろな謎が明かされていくかと思いますので、お楽しみにしていただけると嬉しいです。