劇中では、スタートアップ企業と大手企業とのギャップやジェネレーションギャップが描かれていくが、西島自身は若い共演者たちのなかで、そういうギャップを感じることはあるのだろうか。
「僕はSNSやLINEなどを一切やらないので、『やってください』とも言われるし、『そのままやらないでもらいたい』とも言われます(苦笑)。だからそういうギャップはあるでしょうね。みなさんが連絡しにくいということで、ご迷惑をかけているのではないかと」
その一方で、西島は若い世代との現場を心から堪能している。「そもそも僕はデビューが遅かっただけで、みなさんは若いと言ってもすでにベテランですから、演技に対する考え方や表現したいこともすごくしっかり持っています。だからジェネレーションというよりは、単純に僕のキャリアと全く違うという感じです。みなさんは本当に若いけど、やりたいこともはっきりあって素敵だなと。正直、何をやってもいいです。現場で見ていても、出来上がりを見ても、若いキャスト陣が役として悩んだり、楽しく過ごしたりする姿は本当にいいなと思います」としみじみ語る。
そして、佐奈の憧れる大手通信会社「サイバーモバイル」のCEO・羽田早智役を広末涼子が、その息子役で、寺島しのぶの長男・寺嶋眞秀が連ドラデビューを果たしている。
「眞秀くんは本当に真っ直ぐな子で、山で撮影した時も虫を取ったり、ポケットいっぱいにいい形の石を集めてきて、空き時間に投げたりと、本当に子どもらしくて僕はすごく好きです。また、広末さんとは何度かご一緒していますが、会うたびに女優としても1人の人間としても経験を重ねてきて、それを表現されているなあとすごく感じています」
また、「大人の青春」というテーマを含んだ本作ということで、最近、青春を感じた瞬間についても穏やかな表情で語ってくれた。
「クワガタなど虫が好きな人たちの集まりに呼んでいただいた時、リーダーが20歳の方でしたが、参加者のなかには僕より年上の人もいました。網やライトを持って、虫を見に行くのが青春だとは言わないですが、好きなもので集まったグループでは、あんまり年齢とか関係ないんだなと。話がずれるかもしれないけど、そういうネットワークで集まるのは楽しいものだなと思いました」
1971年3月29日、東京都出身。1994年『居酒屋ゆうれい』で映画初出演。近年の主な出演映画は、『劇場版 奥様は、取り扱い注意』(21)、『ドライブ・マイ・カー』(21)、『劇場版きのう何食べた?』(21)、『シン・ウルトラマン』(22)。『グッバイ・クルエル・ワールド』が9月9日公開。ドラマの近作は、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』(21)、『シェフは名探偵』(21)、『真犯人フラグ』(21)など。
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